「バナナ」YOLO 百元の恋 なつさんの映画レビュー(感想・評価)
バナナ
「百円の恋」は大好きな映画でたまに思い思い出してはちくりと胸を刺す作品。
今回、映画とは別に驚いたこと。
「100円の恋」が中国でリメイクされたこと。
ダッサイ邦題をつけてたこと。
それを知ったのが公開3日前のこと。←映画情報をフライヤーでしか得ないので。劇場公開とかチェックしないので。
当日朝一で行ったのに、観客が10人にも満たなさったこと。
1番狭い箱だったこと。
それでも途中2名が席を立ったこと。
それは仕方ないよね、オリジナルは超単舘系にしかかけてなかったもんね。むしろよく、大手シネコンがかけたよってって話。
当たり前だ。
リメイクとはいえ、全く別物だったもの。
百円の恋を観るために何度も劇場に足を運び、何度も泣いた私にとっては、途中で席を立つ気持ちはわかる。
なんというか、もう最初から違うのだ。
ダメ人間。主人公2人とも
もちろんダメ人間なのだけど、違う。
ダメ人間度さがそもそも違う。
そりゃ、巨漢の女性ならネガティブになるよね。
そこがもう違う。
外見ではなく。
もちろん2人のヒロインはボクサーになるためすごい努力をする。それはほとんど命懸けなほど。
どちらもダメ人間なんだけど、今作の一度は勝ちたいという気持ちは何のため?
自分自身のため?彼氏の一言のため?
彼氏はたった一度の勝ちよりお金を取った。
では、自分は何を目標にする?
人生は一度きりだからがんばる。
だから一度勝ちたかった。
人生で一度は勝ちたかった。
それはまた違う話であって。
全く別物。
今作主人公は、ダイエットに成功し、負けたけど勝った!と言う。それは何故?ガラスに映る醜く太った自分と決別したため?辛い過去を乗り越えたため?そして過去のしがらみであったダメ彼氏とはきっぱりと決別し今後も明るい人生を歩んでゆく。
主人公の1番辛かった部分を最初には出さず後出しで出してきて実はこんなに辛かったんだよと突き詰めてくる。
いや、確かにこれは辛いよ。酷すぎる扱いと思いの爆発がまとめてやってくる。
「百円の恋」の主人公は酷い目にあいながらもこの先どうなるかあやふやでわからない終わり方をする。
それでも、私は彼女が「一度でも勝ちたかった」と言えたことで成長を遂げたと私は思っていた。
今作では一度きりの人生。
まだまだがんばろうず!な世界。
この先、ダメ人間ではなく一度きりの人生をやり遂げたもん勝ち。
一方、オリジナルではこの先またダメになるのか上がり続けるのかわからない。またダメ人間になるのか、また一度の勝ちを目指すのか。
その点がハッキリ違うのだ。
クリープハイプの曲が似合うのは百円の恋。
抹茶ケーキを食べるのは百元の恋。
百元とはダイエットの数値。
では百円とはなに?
百元ほどのダイエットに成功しさらに「百円の恋」をリメイクした彼女はこの先人生には勝ち、成功が待っているのだというのなら私が感じた「百円の恋」とは違う解釈をしたなぁと思う。
もちろん彼女のダイエット記録には感服を覚えるが、百円の恋の応援讃歌としては良い出来だとは思ったけど、何分遅すぎた感もある。
エンドロールで裏話をするのは昔からのお約束。
全体的に音楽はあまりよくなかったと思う。
「百円の恋」ファンの色眼鏡の戯言です。
今作の感想ではあまりないです。
てか、10年前かよってびっくりした!!!!!
補足
ダラダラと履いていたサンダルをしっかりとした靴に履き替えたシーンはベタだけど胸がキュッと引き締まった。
あと、あれくらいの体重の方はいきなり走ったりしたら足首や腰を痛めるのでウォーキングや水泳から始めた方がいいですよ。
まぁ、映画一本作るためには仕方ないとはいえ。
彼女がひどいリバウンドにならないことを願います。