劇場公開日 2024年5月17日

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「映画の構成に配慮がなくストーリーを追いにくいのが最大の難点」ティアーズ・オブ・ブラッド yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画の構成に配慮がなくストーリーを追いにくいのが最大の難点

2024年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年192本目(合計1,284本目/今月(2024年5月度)26本目)。
(前の作品 「碁盤切り」→この作品「ティアーズ・オブ・ブラッド」→次の作品「」

 なぜかt-joy系列(広島ならバルト11など)「だけ」で固め打ちされている作品がいくつかあるのですが、そのうちの一つです。

 まず、タイトル関係から混乱させてくるのが映画の特徴で、このタイトル名は英語表記のものでアメリカ映画かなと思うと実はフランス(ベルギー?)が舞台で、かと思えばこのサイトの原題タイトルはスペイン語ですが、始まると「フランス映画あるある」の、あの形容しがたい独特の音楽で表示される「CANAL+」の表示。あれ?フランス映画なのかな???というところでまず混乱させてきます。

 ストーリーの筋は何となく理解はできるのですが、文字として感想を起こすのが難しい事情として「理解を完全にしにくい」点があります。映画をご覧になった方はわかりますが、フランス語字幕(一部、スペイン語)について、白いコンクリートを歩いているところやカーテンの部分など、文字が見えにくいところでもどんどん出しているので、もはや色覚検査か何かかというような有様で、一方でフランス映画なので聞き取りもほぼ不可能です。ここまで「優しくない映画」も珍しいんじゃないか…といったところです。

 ただ映画の言わんとする筋は理解できますし、「フランス映画扱い」ではあるものの、フランス映画独特の余韻を残すタイプかというと微妙で(一応、やや解釈をゆだねる部分はある)、フランス映画ではあまり見ない「撃ち合いシーン」(要はアクションシーン等)等が多いことから、ここの原題通り、スペイン語版が元でフランス語版になり、それをさらに日本語版にして、タイトルも大きく変えた(なお、現代タイトルは「生と死のはざまに」程度の意味。仏西共通)ために「入るシアター間違えたのか」というほどわかりづらいのが難解かなといったところです。

 もっとも幸いにも90分ほどの映画なので、ストーリーを完全に追えずに詳しい感想を書けない(書きたくないのではなく、うかつに「書けない」)としても、ある程度の常識的な理解はできるし、字幕が極端に不親切な点も、配給会社側の問題だとしても、スペイン語版からフランス語版がある模様であるこの映画では日本の配給会社もいかんともしがたい点があり(この辺の表示を勝手に変えると著作権法上トラブルになる)、まぁ「大人の事情」で生じた部分は程度の差はあれ生じています。

 ただそれでも90分ほどでのストーリーなので、かなり(「少し」どころでは済まない)字幕の読めない部分があっても「言いたいこと自体は映像を見ていればわかる」のもこれも確かで、なり立ちが特殊(スペイン→フランス?)ということまで考えて甘めに減点なしのフルスコアにしていますが、こうした難があるので、「字幕までしっかり読み込んでフランス映画でアクションを楽しみたい」という方にはおすすめはできません。換言すれば、字幕は二の次で画像(映像)をみて6割でも展開を理解できればそれでよいと考えるなら推せるという極端な部分です(これが英語の映画なら、「英検準1くらいあれば聞き取りでも対応できます」とはいえましょうが、仏検1級や準1級ホルダーも日本では少ないのでは?)。

 この「字幕の読みにくさ」に関しては、ここや公式サイトの予告編などからでもそれがわかるシーンがあるので、確認してからのチョイスがおすすめです。

yukispica