国宝のレビュー・感想・評価
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あっという間の3時間
主役は勿論ですが脇が良かった。制作が東宝ってのも良かった要因かな
国宝を見た、
当初見るつもりもなかったのですが、先週F1を突き合わせらので、今回は付き合ってと思い見るに行くことに、見終わって誘ってくれたことに感謝でした。いい映画でした。主演の2人は勿論のこと脇役がよかった。実際に梨園の家庭に育った寺島しのぶさんが出ていることで、よりリアルに感じ、全てを見透かしたような田中眠さんの演技に驚嘆でした。復活したしょうぼうの踊りの稽古をつけている時に、「あなた、歌舞伎を憎んでいるでしょう」と話す姿も迫力がありました。
この映画主役たちが、厳しい稽古や絶望から這い上がっていく姿が見事に描かれていたと思います。
誘ってくれた友人に感謝でした。
PS:終映後反省会の場で、歌舞伎って松竹がやってるのに、この映画は東宝が制作なんだよねと言ったら、松竹が制作してたら色んな人に気を使ってできなかったんじゃないと言う話になりました。
「っぽい」作品
基本的には面白い作品だと思った。迫真の演技とカメラワークの賜物なのか、普通に3時間鑑賞していて特に退屈に感じることもなく最後まで楽しめた。
ただ、世間的な評判とのギャップは大きく感じる。
私が芸術性の高い映画に求めるものは主に人間の深掘りである。
その人間性・価値観がどういった事象や心象風景を引き起こすのかを描いてくれて初めて芸術たるメッセージを受け取れる。起きた事がベタでしかなく、そのベタな結末に向かったストーリーに面白さの肝が置かれた作品を、私は娯楽作品と定義している。別にそれが悪いとかではなく、そう定義した上で楽しんでいる。
この映画は、主人公の人間性は特に予想外の何かを起こしたりはしない。ただ意外性の無いラストに向かうまでの「要因」「ストーリー」が面白い、テレビドラマと同じような構成に感じた。
そういう作品を否定するつもりは毛頭ない。
ただ、私はどうも芸術「っぽい」雰囲気を醸す娯楽作品には構えてしまう。
「っぽい」作品というのは、「これを否定してる奴は、分かってない奴だ」みたいな空気を醸していて、必ずこういう時にエセ評論家は「上級者向け」というような表現を使ったり、あるいは言わずともそう思っていたりする。
本来クオリティをもっと素直に評価したい部分も多々あったのだが、こういう個人的な嫌悪の方程式にガッッッツリ当てはまってしまったことでどうもそういう気分になれなかった。
そんなに??
撮影抜群、質高く奥行きのある素晴らしい作品
「悪人」「怒り」「流浪の月」などを監督した李相日監督の作品。今年一番の邦画という呼び声の高さから逆に引いていたが、満席の劇場で本日鑑賞。
任侠の一家に生まれた主人公喜久雄、抗争で父を亡くした後、天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主が引き取り、歌舞伎の世界で跡取り息子の俊介と芸を高め合う。
歌舞伎役者としての光と影、伝統芸能である歌舞伎の女方を特段の説明なく、映像と細かな物語なき展開で見事に描き切っており、特に舞台のシーンは圧巻。監督の李相日監督の才能に圧倒される。
日頃観ているインディペンデント映画とは異なり、とにかく桁違いの手間と時間とお金(10億円?)をかけて制作された映画。東宝配給で大規模上映の商業映画ながら、観る者の心に迫る質の高さと奥行きを感じる。
撮影は、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作を手がけたソフィアン・エル・ファニ。そのカメラワークが秀逸で、舞台や舞台裏をドキュメンタリーかのような臨場感で写している所が素晴らしい。
キャスティングも作品にハマっており、主人公喜久雄を演じた吉沢亮、梨園に生まれた俊介を横浜流星が好演。彼らが舞台で歌舞伎の長尺の演目を演じ切ったところは圧巻。そこに役者たちの凄まじい努力の跡が感じられる。
自分自身、ここ5年余り日本舞踊を鑑賞してきたこともあり、舞台での舞や謡は被るものが多かった。その目線で見ても、吉沢亮がクォリティ高く舞台で演じているところが素晴らしいと感じる。
3時間近い上映時間、歌舞伎の舞台のシーンが長く続くも、ずっとスクリーンに引き込まれた作品。これは映画館のスクリーンで観るべき映画。
観る者に媚びない内容、それを高いクォリティで映画化している。このような映画を観ると、邦画の未来が明るく感じられる。
歌舞伎が苦手でも見るべき
ほぼすべての人々が絶賛しているので見に行かざるをえませんでした。
山梨の映画館がほぼ埋まっていました、滅多にありませんよ、鬼滅とかアイドルのライブ以外でこんなに埋まってるのは。
評判通り素晴らしかったです、私は歌舞伎に全く興味がありません、どちらかと言えば苦手です、そんな私でも関係なくストーリーが面白過ぎて3時間全く退屈しませんでした。
頻尿に悩む年頃で念のため漢方を飲んで行きましたが大丈夫でした、とにかく緊張感が凄過ぎて体に力が入ってしまう、田中民の顔が恐くてビビりましたが持ち堪えました。
ざっくり言えば二人の歌舞伎役者の思春期から老齢になるまでを非常に上手く描いております、大河的でもありますが、Netfrixでたっぷり予算をかけて連続ドラマで見て観たいですね。歌舞伎素人に分かりやすいような演目及びベストシーンが使われているのでしょうか、
非常に分かりやすく入って来ました、かと言って歌舞伎を改めて見ようとは思いませんが。
とにかくお話が素晴らしい、人間関係にドロドロは付き物ですが、それの究極版なのではないでしょうか、俳優陣も素晴らしく、余計な人は一人としていません。特に寺島しのぶさんは本物ですし、田中民さんは凄すぎる。普通なら主役を食う位の演技をしていますが、吉沢さんも横浜さんもそれ以上に凄かったし、渡辺謙も弱ってからの凄さね。
まあ興奮して色んな人に勧めたくなる映画ですね、久々に。
ちょっとマイナスしたのはエンドクレジットに流れる曲が好みではありませんでした、なぜ
ビリーアイリッシュみたいな歌い方なのか理解不能。
圧巻すぎて尿意も忘れる。
が、これだけ長尺の作品が増えてくると、
そろそろ劇場側も「途中休憩アリ上映回」を
検討してもいいかも。まじで。
しまじろう映画みたいだけど。
公開1カ月経ってもほぼほぼ満席の劇場で、途中席を立つ人も1人や2人じゃなかったし。
何の予備知識もなくみたから、冒頭の子役時代の流れからは、てっきりキクオ役は武闘派の横浜流星くんになると思ってたら逆でした。
役が変わってすぐ三浦くんに食ってかかるシーンみたら、そういえば吉沢くんもマイキーだったな、と妙に納得。
作品自体は歌舞伎ミリしらでも楽しめる大河ドラマ。
カンヌで絶賛は伊達じゃない。
間違いなく、ふたりの若き大河俳優メインキャスト、監督の代表作になるであろう作品。
これだけのボリュームでありながら、一切の無駄もなく惹き込み続ける展開の連続。
興収では来週公開のおばけアニメ映画の足元にも及ばないかもしれないが、2025公開ではエフワンと並び私的ナンバーワン候補。
どっちも実在の世界(F1、歌舞伎)における架空の人物をイキイキとリアル描くという共通点もあり、間違いなく2作とも映画史に後世まで語りつがれる名作になると思います。
しっかり(トイレの)準備して是非。
凄絶の一言
2人の歌舞伎役者の数奇な運命と絡み合う人生がとにかく凄絶の一言。
吉沢亮さんと横浜流星さんお二人の演技に圧倒され、田中泯さんの鷺姫に魅了され、歌舞伎の魔力に気圧された3時間でした。
特に吉沢亮さんの憑依っぷりは凄まじく、気が早いかも知れませんが、日本アカデミー主演男優賞は吉沢さんで決まりではないかと思いました。
ただ、主役お二人とも顔がキレイなので、女形としてインしている時には途中でどちらがどちらかわからなくなったのは自分の眼力不足を嘆くこととなりましたが(汗)
吉沢亮さんは例のお酒絡みの出来事でフェードアウトにならず、本当に貴重な役者さんを失うことにならなくて良かったと痛感しました。
決してハッピーエンドではありませんが、バッドエンドでもなく、観終わったあとも不思議な余韻に浸ることになりました。
1つヒントとしては、曽根崎心中の概略をおさえておいてから観ると、より一層楽しめると思います。
細かい点が気になる
全体的には面白かったし、「今1番ほしいものはシュン坊の血や」はグッときた。これがやりたい映画とわかった瞬間でもあり、そこから加速的に面白かった。
ただ、すぐ撃たれて死ぬ永瀬になぜわざわざ「見とけよ」と言わせたのか。なぜ渡辺謙は劇的すぎるタイミングで血を吐いたのか。「悪魔はんと取引してた」とまで子供に言う必要はあったのか。森七菜は必要なキャラだったのか。見上愛の「ウチ、東一郎はんに決めた」の唐突さは狙いなのか、尺の問題なのか。などなど、細かい部分で引っかかることが多かった。基本的にはセリフで言い過ぎ問題だ。言わんでも分かるけどなぁという描写はいくつもあったと感じている。
それ以外で特に気になったのは、観たい部分をすっ飛ばすこと。高校生シュン坊がキクオを受け入れるキッカケくらいは観たかったし、大人の二人がどうやって仲直りしたのかも観たかった。
「今1番ほしいものはシュン坊の血や」を1時間くらいで言わせるという計画で作っていれば、余分なセリフも余分な登場人物も自ずとキレて短くできたんじゃないかなぁと思った。やっぱり3時間は辛いから。
表情から所作まで素晴らしい
歌舞伎に関わる二人の男の人生の話。所作の細かいところまで作り込む丁寧さと、時間軸を飛ばして人生全体までひっくるめて作る大胆さの融合。舞台に上がる時の緊張感、自分に来ると思っていた役が相手に行ってしまう落胆とその芸を見せられた時の焦燥感、歌舞伎の演技中の感情の発露など主演二人の演技が素晴らしい。
息をのんで観る
お二人にハグしたい!
李相日の到達点と限界点
日本映画史のひとつの傑作であることは間違いない。歌舞伎界の習わしをもとに複雑な人間関係の絡み合いを描いたこと、歌舞伎という芸能の奥深さ特異性を映画で表現したこと、そして何より吉沢亮たち俳優陣の鬼気迫る芝居を引き出したことに、李相日監督の類稀な才能を感じる。
これは李相日映画のひとつの到達点と感じたが、それと同時にその芸術性が高すぎるゆえ、エンターテインメント性においては限界に達しているのではないかとも感じた。無論これほど没入感のある作品性そのものが至極のエンターテインメントであるのだが、脚本のカタルシスであるとか読後感という観点においては高尚な「芸術作品」という印象が強いと感じてしまう。
映画とは芸術とエンターテインメントの両面を持ち合わせている。小生ごときが限界を決められるわけはなく、李相日監督の想像を絶する映画にまた会えるのを楽しみにしている。
全1787件中、801~820件目を表示
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