国宝のレビュー・感想・評価
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とてもお得で感動的な作品でした!!
全く予備知識ない状態で観ました。
ストーリー自体は複雑でなく良く分かりました。
映像が綺麗で引き込まれるシーンも多かったのですが、3時間はちょっと長かった!
これまで歌舞伎を観たことはほとんどないのですが、この映画では歌舞伎の舞台シーンが結構長く、まるで歌舞伎座で観ているような感覚になりました!!
演じているのは俳優陣ですが、まるで本物の歌舞伎役者みたいに凄くて感動しました!
邦画を映画館で観るのは久しぶりだったのですが、改めて邦画の映画としての質の高さを認識しました!
ハリウッド映画とは全く違う魅力があると思いました!
歌舞伎を間近で観たくなる
近年の邦画あんまり観てないのですが(予告で大体分かっちゃうのが多い&母国語なのに聞き取れないことが多くて)、これは予告編から観たくなりました。
感情的に叫んだりわざとらしい演技やBGMがなかったのがとても良き。
基本音楽も歌舞伎の伴奏だけ、クライマックスは静かに燃え上がるような、映像(これまた撮り方が美しい。)にマッチしていて素晴らしかったです。
代役に抜擢されて「俊介の血が欲しい」と震えるシーンが一番引き込まれた。
その血がまさか父子の役者人生を早くに終わらせることになる因果もすごい。
子役の役者二人もすごく良かったし、時代時代の服装の変化も楽しかったな。
映画の後、近くの駅ビルのトイレに並んでたら、殆どの人が国宝を見た人たちで、個々の感想が聞こえてきて面白かったんだけど、春江は途中から俊介に惹かれていて、喜久雄のことは推し活にシフトチェンジしたのよー、って聞こえてきて(ほう、そうかー)と思いました。確かに俊介の妻になることで特等席で喜久雄を応援できてたな…(原作読んでないので見当違いだったらスミマセン)
歌舞伎は昔、日本を訪れたアメリカ人を連れて末席で観ただけですが、舞台というより、お客さんの合いの手とか黒子の動きとか全体を楽しんだ感じでした。
映画では舞台からの視点はもとより、舞台近くの客席からのカメラワークが迫力があって、これはこんな近い席で見たら絶対印象変わるなぁ!今度観る時はケチらないで良い席で観たいな!
追記:友人おすすめの「僕が住んでる、ふたつの世界」観ました。吉沢亮くん、改めてめちゃ良いですね!
周りの評判が良すぎて…
歌舞伎界の華やかさと悲壮のドラマに果敢に挑戦した日本映画の復活
日本の伝統文化である歌舞伎の世界を舞台にして、任侠出身の主人公花井東一郎と上方歌舞伎の名門の血を引く花井半弥の激動の人生を描いた人間ドラマ。「横道世之介」の吉田修一さんが黒衣(くろご)となり楽屋や舞台裏を身をもって3年間も取材した力作の小説を、「フラガール」の李相日監督が約3時間の大作に仕上げて、見応えのある作品になっています。吉田さんの執筆の動機が、溝口健二の戦前の名作「残菊物語」の作中演目『積恋雪関扉』(つもるこいゆきのせきのと・関の扉)に惹かれたというのが意外でした。多くは世襲によって芸が引き継がれる伝統芸能の閉ざされた歌舞伎界を、部外者の眼を通して鋭く且つ大胆にストーリー展開させているのが、時間を感じさせません。それも男性が女装して演じる女形同士の切磋琢磨と確執の愛憎劇でした。これは勿論『関の扉』『連獅子』『二人藤娘』『二人道成寺』『曽根崎心中』『鷺娘』の舞台を再現した演目シーンの充実度と役者の熱演があって、舞台裏の私生活が紆余曲折を経る、華やかさと悲壮を併せ持った醍醐味によるものと印象を持ちました。若い頃にNHK教育テレビの古典芸能番組を僅かに観たくらいの、素養の無い私でも充分楽しめました。その反面、1964年から始まり50年もの長い時間経過の展開の過激性と唐突感がドラマとしての重量感を薄めているのが、贅沢な不満として残ります。脚本と演出に映画としての魅力、それは緩急の差であり、映像の間の扱い、ショットの集中度などがもっと欲しかった。
印象に残ったシーンは、交通事故に遭った父半次郎が代役に御曹司の半弥を選ばず、部屋子(芸養子)の東一郎が大役を務めるエピソードで、初日の楽屋で身体の震えが止まらない東一郎に化粧を施す半弥。才能を見極める半次郎の冷静な判断と実子半弥に掛ける思い、その期待に応えようとする東一郎の責任感から来る精神的重圧に身体が反応するところがいい。半弥の挫折感も丁寧に描かれています。そしてクライマックスの『鷺娘』の舞台シーンは圧巻でした。不自然な演出のシーンでは、襲名披露のお練りの列に芸妓藤駒との子綾乃が駆け寄るところです。藤駒が後を追ってたしなめますが、無反応な新半次郎の割り切った父親像を印象付ける意図が強く、登場人物の情感が弱い。また、主人公喜久雄の落ちぶれた地方巡業もリアリティ薄く、地元の不良青年からリンチされる暴力シーンが定型的すぎます。それと春江と半弥が劇場を後にして駆け落ちする場面の前にある、半弥が春江のアパートを訪ね待ちわびるシーンが曖昧でした。映画的な表現なのに活かされていません。
しかし、1年以上かけて女形の演技を磨いた主演吉沢亮の熱演は称賛に値しますし、敵役半弥の横浜流星の、この個性と容貌が対比されるキャスティングもいい。あまりに整った容姿の男性の演技は実力以下に観られ易いですが、吉沢亮の求道的な姿勢には心打たれるものがあります。横浜流星の演技はまだ完成形ではないものの、誠実な俳優の資質に好感を持ちました。これで吉沢演じる東一郎の女形の柔らかさとしなやかさの色気がもっと溢れ出ていたら文句なしの境地にあったと思います。このふたりの踊りを観ていて、歌舞伎の舞いの厳しさを改めて強く感じました。それは西洋のバレエに通じる肉体の絶え間ない鍛錬と、古典的女性美追求の芸の深さです。現代の人間国宝坂東玉三郎の映像を観て圧倒された経験を持つ素人の感想でした。半弥の父花井半次郎を演じた渡辺謙の不動の存在感は、この作品に安定感を持たせて、尚且つ俳優としての色気を保持しているのには、別の意味で感心しました。ただ襲名披露の舞台で吐血するシーンの是非は拭えません。役者にとっての神聖な場所を汚すような印象を与えます。小説では表現可能でも、映像イメージとしては過剰表現になってしまいます。また糖尿病で片足を失い、それでも舞台に立つ半弥の運命も映画としてはリアリティに欠け、その悲壮感の演出が見せ場となっていても説得力がありません。俳優の中で最も作品の内容に合っていたのは、世界的ダンサーの田中泯80歳の演技でした。手招き一つだけでも圧巻ですし、初めて女形の踊りを観れる贅沢さです。冒頭の抗争シーンだけの永瀬正敏は、「息子」「カツベン!」しか観ていませんが、演技に貫禄が付いていい俳優になっていると確認できました。四代目中村鴈治郎を映画で観られるのは素直に嬉しく、原作者吉田修一と歌舞伎の橋渡しを務めた縁からの特別出演のようです。最近「炎上」でも感服した日本映画の黄金期に活躍した二代目中村鴈治郎のお孫さん。歌舞伎界からは、女優陣で寺島しのぶが大垣幸子役を好演するも役柄がステレオタイプで一寸勿体ないと思いました。高畑充希始め若手女優の和服姿も美しく目の保養になり、喜久雄と俊介の少年期を演じた子役もいい。近年の映画や舞台を観て感じるのは、若い世代の演技のレベルが安定して高いことです。
溝口健二の古典「残菊物語」から生まれた、古典伝統の美を再現した日本映画として貴重な新作でした。映画としてもっと極めて欲しかった心残りがありながら、この映画化には素直に敬服します。田舎の映画館は、平日でありながら多くの人たちで埋められて久し振りに活気を感じ嬉しい劇場鑑賞になりました。
日本映画のその美しさと厳しさの本質に果敢に挑戦した作品。
感情移入しすぎてしまった
【映画『国宝』は、やっぱり良かった!見ごたえが有った!】
コロナ禍前までは「映画館で年間120本以上観ていた」私ですが、コロナが治まっても「視力聴力の低下と頻尿」で映画館に全く行かなくなっていましたが、ラジオの色々な番組でこの映画を激賞しているので、やっと昨日(7/23)奥さんと地元のユナイテッド入間で観てきました。
❶その日3回目の上映の12:55からの回で席は9割埋まっていました。字幕版ではなかったのでセリフの1割程がよく聴き取れませんでしたが、それでも175分惹き込まれっぱなしの展開で大満足の映画でした。トイレは1回も行かずに済みました。
❷50年前の若い頃、大人気の若い女形俳優の歌舞伎地方巡業を大道具のバイトとして経験していた私は、歌舞伎の大劇場・中劇場の舞台裏の造りや人の動きが見みられる場面が多かったのも楽しめました。歌舞伎界を題材にした「業界モノ」として観るのも面白いでしょうね。
❸この作品がサブスクで観られるようになるのはかなり先になると思うので日本語字幕付きの上映館を探してもう1回観たい!
一度は見ておく映画です
静かな時間の中にある、心を揺さぶる物語
映画『国宝』を観てきました。
派手な演出はないけど、終わったあとの余韻がすごかった。
観ながら、自然と背筋が伸びるような感覚になりました。
伝統芸能・歌舞伎の世界を通して描かれているのは、
人と人との関係、受け継ぐことの重さ、そして“自分を生きる”ということ。
うまくいかない時期も、悩んで葛藤する姿も、とてもリアルで共感できた。
僕自身も、tailor Oというオーダースーツのブランドをやっていて、
日々「かっこよさとは?美しさとは?」を考えることが多いんですが、
この映画を観て、「本物って、やっぱり覚悟がにじみ出てるんだな」と感じました。
派手じゃないけど、じわっと染みてくる作品です。
静かな気持ちになりたい時、ふと自分を見つめ直したい時におすすめ。
吉沢亮くんの演技にも注目です!
圧倒的な「凄み」と「貫禄」
とにかく圧倒的な「凄み」と「貫禄」に満ち溢れた壮絶な逸品であり、吉沢亮さんに関しては、間違いなく今年の映画賞を総なめするだろうなと想えるほど、渾身かつ絶品の演技でした。
と同時に、相手役に関しては、「もし横浜さんじゃなかったら、ここまで絶妙なバランスはとれなかっただろう」と思えるほど、こちらもまた、安定の味わい深さが滲み出ていました。
とりわけ「曾根崎心中」では、徳兵衛とお初、喜久雄と俊介が絶妙に交差し、「圧巻」の一言に尽きます!
あと、二人の間を交差する高畑充希さんについても、特にこれといった派手な見せ場があるわけではなく、それほど大きな役でもないのに、相変わらず奥深い雰囲気を醸し出していて印象的。
そういえば幼少期の役の男の子。「どこかで見たなぁ」と思ってたら「怪物」の男の子だったんですね。恥ずかしながら、あとでキャストを見返すまで気がつきませんでした
ちなみに、吉沢さんについては「バンパイヤ」との大きな落差が話題ですが、計算だけでは弾き出せない「憑依感」という点では、ある意味共通してといるのかもしれません。
ストーリーよりも俳優の役者魂にただただ感心させられる作品。
ストーリーはまあ、あらすじにある通りヤクザの息子が歌舞伎の世界に入って才能はあるけどいろいろ苦労していく話。正直ストーリーはそんなに面白くはないです。なんせフィクションなもんで。
ただ、ただただ俳優さんの演技というかこの映画にかける熱量に感嘆させられます。
すごいと。映画のためにここまでやるのかと。この映画のドキュメンタリーを映画で上映してもいいんじゃないかと思うくらい。
吉沢亮、すごいですよね。最近の若手俳優さんの中では演技力は頭三つくらいとびぬけてると思います。
しかも本作のあとが『ババンババンバンバンパイア』ですよ。嬉しいですねえ。
吉沢亮さんには、本作のせいで大物役者扱いされちゃうかもだけど、これからもおバカ作品に出続けてほしいです。
芸に"愛されてしまった"者の生涯
歌舞伎含めた「伝統芸能」は門外漢です。
軽く紹介されてるあらすじと「評判良い」くらいの事前知識で鑑賞しました。
映画ど素人ですが、結論から言うと
評判に違わぬ傑作ヒューマンドラマの一つとして数えても良いでしょう。
「才能と嫉妬」
「『持たざる者』が成り上がった結果失ったもの」
「芸能界という血と欲に塗れた世界の恐ろしさ」
という使い古された要素を高水準で織り交ぜていてとても引き込まれました。
結構言われていますがホアキンフェニックス主演の「ジョーカー」を彷彿とさせる中盤と終盤の間の演技や、
(あとで調べて合点がいったのですが)「ファウスト」を想起させる物語運びもなかなか見応えがありました。
最後の「失って、失って、また失って……最後に彼が得たもの、観たものとは?」という少し破滅的にも見える終わり方や、
決して主人公を「単純な可哀想な人」として終始描かなかった点も個人的にプラスポイントですね。
何より主演のお二人から脇役に至るまで印象に残る役者さんばかりでした。
演技に関しては子役含めて殆ど言う事無しです。
(強いて言えば中盤に出てくる「あの子」とその子が成長した姿の演技は微妙だったかも。「そこだけ説明的」ってのもあるかもしれませんが…)
「今年度暫定ベスト」と呼ぶ方も多いのも納得の一本です。
歌舞伎役者の人生を間近で垣間見る。
絹ずれの音が聞こえるほど間近に迫る映像で、歌舞伎役者を見つめ、舞台で舞う美しい姿を眺め、生き様を見せつけられました。
一度目は、映像に魅了され、筋書きに圧倒され、怒涛の人生が晩年を迎える頃には、もう終わってしまう寂しい感情が湧きました。
観終わってからも、浅い知識の中から思い浮かぶ歌舞伎役者さんのこと、歌舞伎の決まりごとなどや、演じた役者さん達のことで、暫く抜け出せない感覚でした。
一緒に映画鑑賞した友達と話が尽きないまま、シネマ歌舞伎を鑑賞する約束をして、観終わったら再度「国宝」を観たいとなり梯子しました。
二度目は、話の展開は記憶にあるので、任侠の世界から歌舞伎の世界へ、少年から大人へと成長する姿が、本当に美しくて見惚れました。
少年時代の二人、喜久雄(黒川想矢)、俊介(越山敬達)、瑞々しく輝いていた。
大人になり、花井東一郎・きくちゃん(吉沢亮)、花井半弥・俊ぼん(横浜流星)、それぞれに美しかった。
吉沢亮さんの左右対称に整った顔が本当に美しく、端正な顔立ちに改めて驚きました。
キレて怒るところ、好きでした。
横浜流星さんが共に居たからこそ、素晴らしい映画になり、全て役者さん達が皆さん欠く事が出来ない重要な配役だったと、原作が凄いのだと、未読ですが感じました。
原作は、映画と少し違うようで、興味を引かれました。
美術・衣装は目が離せないほど美しく作り込まれていて感動。
時代を感じる小物から背景や舞台、エキストラさんの衣装まで、凄かった。
この映画を撮ろうと決め完成させた全ての方々に感謝です。
歌舞伎に興味が増し、多くの美しい作品を観たいと思いました。
映画の魅力を改めて感じ、沢山の作品を出来る限り観たいと思い直す、素晴らしい映画でした。
2025/6/28 映画館ミッドランドシネマ2
2025/7/6 映画館MOVIX三好
劇中劇に泣かされた。大変な稽古と撮影をよくぞ乗り越えてくれた。
一流食材で作られた三流料理
全1785件中、681~700件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










