国宝のレビュー・感想・評価
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「演技に感動しました」
映画は好きでよく観るのですが、こういうのは観たことがなかったです。好きな俳優、評価が良いという単純な理由で見たのですが、初めて主役2人の演技に感動して泣きました。俳優さんの演技に感動して泣いたのは初めてです。3時間は苦ではなかった。ぜひ見てください。
悪魔との契約(加筆修正済)
芸のためなら何でも捨てるという契約を悪魔と交わした主人公が、艱難辛苦遂に人間国宝になるという、50年間にわたる一代記である。ちゃんと伏線回収があるんだよね。
梨園の名門の御曹司(横浜流星)とヤクザの家に生まれた主人公(吉沢亮)が、ライバルとして鎬を削る。
スポーツ界では、エリートと叩き上げのライバル話は、よくある。古くは英国の陸上選手セバスチャン・コーとスティーブ・オベット、米国のフィギュアスケートのナンシー・ケリガンとトーニャ・ハーディング、大相撲の大の里と豊昇龍もそうかな。
大抵は、エリートが勝って、叩き上げが涙を飲むことになるのであるが、この映画は、そこがちょいと捻ってある。
様々なエピソードがあって、展開が早いので退屈しないが、「禍福は糾える縄の如し」そのもののストーリーは、陳腐。もっとピカレスクに徹すればいいのに。
寺島しのぶサンがいい味を出しているのは、さすがである。彼女は歌舞伎役者になりたかったんだよね。
舞台の映像は、まことに幻想的である。バックの伝統的な囃子に、現代のシンセサイザー音楽を被せるのは、趣向であるが、なかなかよかった。
しかしながら。
歌舞伎に関する素養がないと(例えば曽根崎心中のストーリーを知っていないと)、クライマックスシーンの意味がわからないだろう。足フェチじゃないんだからね。
その意味で、外国人には、理解し難い映画だと思う。あ、日本人でも、ミーハーには無理か。
結論:吉沢亮くんと横浜流星くんは、本当によく頑張った。田中泯サンの怪演も見ものである。
美しすぎて
2回鑑賞です。2回観たいと思う映画はなかなかないから本当に素晴らしかったです。
褒め言葉は山のようにあるからちょっと辛口です。少年時代の喜久雄か絶世の美少年ではなくクセのあるお顔。女形も渡辺謙さん扮する歌舞伎の大御所がひと目でこの子は天才!と思うほどの魅了が感じられず。
モヤモヤ。
初めて喜久雄少年と会った時に駿ぼんは
冷ややかな態度だったのに急に仲良しの親友になるのがすっとばかしでモヤモヤ。
渡辺謙さんお着物の前がいつもはだけてて
品がなくガタイがよすぎて女形は無理。
他の俳優さんがよかった。
背中に彫り物までした喜久雄の幼馴染が
駿ぼんと行方をくらまし帰ってきたら
子供まで産んでて。モヤモヤ。
元々好きでない(ごめんなさい)森七菜が歌舞伎名門のお嬢様に見えず
こちらも俳優さんチェンジでお願いしたい。とモヤモヤはあるけど吉沢亮さんは国宝級のイケメンは間違いなく。横浜流星さん共々お稽古を頑張ってちゃんと歌舞伎役者に見えてて感動しました。
ただ悪魔に魂を売っても芸の道を精進するには吉沢亮さん美しすぎでした。
渡辺謙さん…違う
観てから半月経ち、ようやく消化出来てきたような気がする。それほどインパクトのすごい映画だった。感想を言語化するのに半月かかってしまった。
観た直後から、いろんな人のレビューをずっと見続けて、自分の頭を整理してきた。
ホントに素晴らしい映画だったと思う。
田中泯さんは、生前の歌右衛門さんにお会いになったことがある?と思うほど、本当の女方さんだった。
吉沢亮さんも横浜流星さんも踊りのお稽古、歌舞伎のお稽古よく頑張られたと思う。
ここまで頑張れる役者さんはそうそういないんじゃないかな。
欲を言えば、舞台から降りた日常が女方さんになりきれてなかったのがちょっと残念。
で、渡辺謙さん、絶賛する方がほとんどですが、俳優としては素晴らしい方だと思うし、この度も素晴らしい演技でしたが…
だからこそもったいなかった。
どう考えても女方さんには見えなかった。
渡辺謙さんのお初?まるで今は亡き左團次さんがお初を演るかのような…いやいや無いでしょ!となってしまった。
渡辺謙さん
え?お初?
半次郎って女方さんだったの???
ただただもったいなかった。
じゃあ誰に出来る?あの役。
年の頃も同じ。凄味もたおやかさも出せる俳優は?
篠井 英介さん。どうでしょうか。
海外向けには渡辺謙さんを使いたかったんだろうなというところにおとしどころを見つけた。
国立劇場の楽屋口、小劇場の楽屋や廊下、最盛期の舞台裏の様子が見事に描かれていた。知る人ぞ知る場面は、見る人が見たら懐かしさでいっぱいになったと思う。
なんだかんだ言っても、よくぞこの映画を作ってくれた!大感謝!という気持ちでいっぱいである。
若い俳優さん、これからは、日本舞踊のお稽古をしておくといいかもですね。
志を繋ぐ物語
映画『国宝』は、伝統を守りながらも時代に適応していくことの難しさと尊さを描いた作品だ。経営者としてこの映画を観たとき、「継承」と「変革」という2つのキーワードが心に残った。主人公は国宝級の技術を持つ職人でありながら、その技を次世代にどう引き継ぐか、苦悩と向き合う姿勢が印象的だった。私たち経営者も、会社や組織の理念・文化を守りながら、時代に合った戦略をとらねばならない。この映画では、技術の価値はただ形として残すだけではなく、「なぜ残すのか」「どう活かすのか」という問いを突きつけてくる。特に心を打たれたのは、「伝統は止まった時点で死ぬ。生きている限り、変わり続ける」という台詞。経営もまた同じだ。守りたい本質があるからこそ、変える覚悟が必要。映画を観終えた後、「自分が未来に残せるものは何か」と深く考えさせられた。経営に携わる人間にとって、ただの伝統美ではなく、志を繋ぐ物語として非常に学びのある一本だった。
「言うは易く行うは難し」
粗削り
役者として最高の景色を見るために
人生の終盤にいる僕がこのような人生絵巻を見ると自分の人生と重ね合わせて観てしまう。歌舞伎という超伝統社会の中で、後ろ楯なしのアウトサイダーとして生き抜いた男の人生は感動的である。その激動の人生はヤクザの抗争で大親分である父親を殺されることから始まる。激しい浮き沈み、犠牲にされる女性、というと上昇志向の塊のような灰汁の強い男を想像するが、彼は彼の歌舞伎同様しなやかな男だと僕は思った。
彼の目指したものは富でも名誉でもない。歌舞伎役者として、最高の景色を見たいという一心で生き抜いたのである。
そして節々で彼の人生を導いた田中泯演じる人間国宝小野川万菊、そして歌舞伎という伝統的な社会の在り方にどこか懐疑的で喜久雄を陰から見守り続けた雑誌記者竹野の存在は忘れられない。この記者は在日として日本社会のアウトサイダーとして生きる李相日監督自身なのではないだろうか。
訂正/三浦貴大が演じた竹野は興行会社の社員ですね。
元ネタの「覇王別姫」と比べたら過大評価が過ぎる
決して悪い映画ではないです。
美術や俳優陣の演技に関しては文句なしだと思います。演技派という印象はありませんでしたが、お二人とも素晴らしかったです。
ただね、皆さん大絶賛されてますけど、元ネタの覇王別姫と比べれば過大評価が過ぎるなぁと。あっちは映画史に残る傑作映画ですが、こっちは邦画界で1年に何作かお目にかかるクラスです。
皆さん元ネタの映画観てきてください。まじで。
特に気になったのは登場人物の心情を説明しすぎなところ。特に竹野という登場人物の演技の臭さが目立ちました。
とある登場人物の死の場面にて、彼がポロリと漏らした一言。正直言わんでええやろと思いました。そんなん言わなくても映像で十分伝わります。
かと思えば、女性陣の描写があまりにも簡素だったりして。
余白を大切にしたいのか???観る人みんなが楽しめる分かりやすい映画にしたいのか???
考えれば考えるほどストーリーのチグハグっぷりが目立ちます。
『国宝』というタイトルの強さ
演者も舞台もとても良かったし、熱量も努力もひしひしと伝わってきた。それだけに、タイトルにもなった国宝というものの凄さが、伝わって来なかったのが残念に思う。田中泯さんからは素人目線ながら一端を感じたように思う。
原作が長いようだから、映画の尺に直すのは非常に苦労するだろう。すごく長く感じた。どのシーンも良かったように思うが、物語を再編せずに削れないものを並べたのか、それぞれのシーンの効果がうまく連動してないように感じたのは気のせいか。物語がぶつ切りになっているのを感じた。原作が大作であることの難しさか。
とはいっても、久しぶりに映画館で観た映画は面白かった。興奮して家でたくさん喋ってしまった。一生懸命がすぎる作品は良い。面白かった。
血がものを言う歌舞伎の「特殊な世界」。
伝統芸能である歌舞伎をこんなに臨場感あふれるドラマティックな映像にしたことに称賛を送りたい。中村鴈次郎さんはじめ歌舞伎界の全面的なバックアップがあってこそであろう。出演者の舞台での舞は当然であるが、舞台演出や観客もすべてがそれらしく見える。歌舞伎を「本物」らしく見せることには一切妥協していないと感じられる。歌舞伎の美しさと内容の奥深さを満喫できる映像体験である。
歌舞伎の舞台の再現であるとともに、特殊な歌舞伎界を舞台にした「人間ドラマ」である。部外者からは、何となく世襲制でやっているなというくらいの認識しかない歌舞伎の世界だが、「血」のつながりがある種絶対的であることが良く描かれている。歌舞伎の中の人間だけでなく、応援する人たちも同じ意識である。喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)は、そんな歌舞伎界に翻弄されながらも、芸の道をひたすら究めようとする。名門の家に生まれた「血」の俊介と、部外者ながら圧倒的な「才能」の喜久雄の対比がとても分かりやすくて面白い。俊介にとって喜久雄は、当然自分が占めるべき場所を奪った憎っくき相手であり、喜久雄にとって俊介は、一度逃げ出したくせに戻ってきたら自分を(間接的にではあるが)追い出した恨みの相手である。しかし二人とも歌舞伎が大好きであり、本当はお互いが大好きである。二人で演じた「曾根崎心中」には、そんな心情があふれ出ていて涙せずにはいられない。
そんな二人を見続ける重鎮(半次郎と万菊)の厳しさと優しさが、この物語をより深みのあるものにしている。特に半二郎が喜久雄の身の上を案じて「芸で復讐してやれ」みたいなことを言うのにはグッときた。万菊は喜久雄にも俊介にも的確な指摘をします。さすが人間国宝です。
歌舞伎の世界だから起きた「血」と「才能」をめぐるドラマである。喜久雄が悪魔と取引してまで追い求めたものを果たして得たのかよく分からないが、その一つの結果が「(人間)国宝」であるのは間違いない。上映時間の長さを感じさせない上質のエンターテインメントでした。
ヒトの顔が美しかった
凄みの緊張感が終始続く名作
他の映画での予告を見て、この作品を知りました。ネットとラジオで「凄い」とだけ聞いて、どう凄いかの情報を聞かずに観賞。
あっという間の3時間だった。。。。
一分の隙がなく、終始緊張感を感じるけど、嫌な緊張感ではない。でもその緊張感のことを言語化出来ない。
歌舞伎は一度だけ観劇したけど、歌舞伎を知らなくも楽しめる。でも、知っているとより一層楽しめるだろうと思う反面、歌舞伎関係者やコアなファンがどこまで納得出来るか。。。。
一番印象的なのは「小野川万菊」役の田中泯さん、化け物ですね。演技・・・なのに演技ではない・・・化け物。全てを見透かしたような表情、手招き本当に恐ろしいです。
でも、一点だけ疑問なのが、万菊は人間国宝なのに何故最期がひなびた旅館なのか???
「Perfect Days」でも存在感有りすぎるくらいの出演をされていたのが印象に残っているので、凄い方です。
次に印象的なのは「花井半二郎」約渡辺健さんとその妻寺島しのぶさん。もう、文句無し貫禄十分な重厚な演技です。
そして、その次に吉沢亮と横浜流星が自分的には凄いと思ったのですが、彼らのキャリアから、ここまで素晴しい演技と存在感を示すということは、相当な努力と思考と葛藤の積み重ねがあったのだろうと想像できます。役柄と全く同様に、もの凄い重責ですよね。引き受けきったと思います。
そして・・・ビックリしたのが永瀬正敏さん、エンドロールで「え???いたの???何役??」と調べたらヤクザの親分さんでしたか・・・・いやぁ~~それほど判らないほど役になりきっていたと思いました。
この作品で「歌舞伎を見に行こう」と思う方が沢山増えるような気がします。でも「芸事に全てを捧げる」役者さんが存在しても、物語のような波瀾万丈なシチュエーションはまぁないでしょうから、理想と現実のギャップに戸惑う弊害も出てきそうな気がします。(実際の観劇ではカメラークもBGMもないので)
「原作を読んでみたい」人も増えるでしょうね。私も原作小説買いました。
この作品を見ていて、モーツァルトとサリエリの「アマデウス」とJAZZを極めるため狂気のステージに没入していく「セッション」が思い浮かびました。あとは「JOKER」かな・・・犯罪は犯さないけれど、どん底を味わった感情が弾けて、覚醒する様がオーバラップしました。
李監督の手腕でしょうね。彼の描くイメージを周りのスタッフとキャストがちゃんと受け取り形にしていくチームワークの勝利ですね。
最後に、3時間の大作ですが全くダレないどころか、もう一度スクリーンで見てみたい(派手なアクションなど無いけれど、スクリーンで見た方が世界観にグっと引き込まれます)し、この先何年経っても色褪せることのない、名作であり大作だと思います。
国宝
主軸のお2人を始め豪華な俳優、制作陣の情熱が伝わってくる熱い映画でありました。歌舞伎が世の中の出来事を舞台の上に傾(かぶ)いてきたことを思えば、いろいろなことのありすぎる歌舞伎の世界をみごとに傾いたといえ、そこに生きる人の心情を描き尽くした心打たれる映画です。でも、そこに匂わされているほんとうの歌舞伎界の名優と映画の中の人を一緒に語るのはいただけません。全然、まったく、別物で、歌舞伎は素晴らしいのですから。凄い映画なのはわかりますが、いろいろあり得ない設定も多すぎて、折節興をそがれました。歌舞伎の所作は当然、全然及ばず、歌舞伎の舞台を見ている目には歌舞伎の場面が退屈で、ラスト気がつくと寝ていました。玉三郎さんの本物の国宝の「鷺娘」で毒消しですね。タイトルがフェイク過ぎ、よくも悪くもいろいろこの上なくあざとい映画でした。それが超国宝級でした。
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