国宝のレビュー・感想・評価
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血の世界🩸
主演お二人の、吹き替えなしの舞が本当に素晴らしく、魂を削って演じている感じがよく出ていました。特に最後の場面は圧巻で、ここだけでも観る価値が十分にあります✨✨
それにしても、こんなに長い年月を描く話だったとは🫢
出てくる女性の顔立ちが似ているので、ちょっと判別しにくかったのと、急展開していると感じた箇所が複数あり、原作を読んでからのほうがよくわかるのだろうと思います。
伝統の世界は、芸だけでなく血筋が深く関係していて、だからこそ台頭するのが難しいのだろうと思いました。
そして、お客さんがいてこその芸だ、ということも強く感じました✨✨
主演お二人の代表作になることでしょう✨✨
描ききれないでしょう
ポスターに感涙の文字があるが泣けた人いるのかな?3時間激しくて凄すぎて涙なんか出なかった。
歌舞伎はめちゃ見てる方です。5月の菊五郎襲名公演で菊之助と玉三郎の三人娘道成寺見たばかりですが、吉沢亮も流星もなんて上手いんだ!! 「親がいないのは首が無いのと同じ」中村獅童もそうなって映画のオーディション受けて有名になってから歌舞伎界にやっと役付きで出演出来るようになったんだよね。
香川照之が歌舞伎界に息子連れて入ったきていずれ猿之助襲名かと私は思ってた右近は主役じゃなくなって、、、愛之助はいずれ仁左衛門襲名するだろうし
血と才能 歌舞伎界だけでは無いけどドロドロがワクワクする
。一緒に観た歌舞伎良く行く友人が「渡辺謙は襲名口上で手が揃って無かったわ ありえんわ」と言うので糖尿病末期だから神経障害出てたからだよと私の私見でおしゃべりしたけど 調べたら事故の後遺症で右手が動かなくなってたと言うことでした。そういうセリフは無かったような〜3時間でも描ききれないよなーと思いました
出石の永楽館行ったことが無いので中が見られて嬉しかった
もう一回見に行きます
俺な、一番欲しいのんは、俊ぼんの血やわ
上映初日に観た。この日6/6は芸事初めの日、なんて粋なんだと思ったら初日に見逃してはならない気分になってたまらなかった。
ストーリーはタイトルの通り、1人の歌舞伎役者がのちに国宝になるという話。その男の一筋縄でいかぬ人生を追いかける3時間。たった3時間に詰め込んでいるのに見事に昇華している。そのため、原作にあったエピソードとかは大胆に変更したりカットしたりしているし、急展開しているので乗り遅れそうになりはするのだけど、しっかりと脳内補完すれば問題なし。
生家はヤクザ、同年齢の御曹司、芸者の2号さん、、、まだまだあるひとつひとつの一癖二癖ある設定が現れるたびにその先の展開を心配してしまう。そこに歌舞伎にたいする情熱があるのだが、それは憧れや愛情ではないように思えた。むしろ、歌舞伎に囚われ、歌舞伎でしか生きられない性のように思えた。そのパッションがひしひしと画面からほとばしっていた。なにより、吉沢亮と横浜流星ふたりの質の高さよ。半端な歌舞伎役者の真似事で済ますなんて許せないと言わんばかりの迫真の演技合戦。脇を固める役者陣も錚々たる陣容なのだが、ぜんぜん見劣りなどしない二人の所作。この二人の行く末はいかにとハラハラしているところに、あの舞台だ。徳兵衛がお初の足に縋りつくシーンと見事にリンクさせる演出の妙。痺れた。意地汚いと自覚し、悪魔とも取引し、血が欲しいとまで白状しながらも、認め合った二人の友情。白粉がいくら剝げようが、舞台の上の二人はとても美しかった。
(追記)
原作読了につきメモ。
人間国宝まで上り詰めた、歌舞伎役者三代目花井半二郎(本名立花喜久雄)の一代記。そして彼を取り巻く人々の物語。映画が、映像に重きを置き喜久雄と俊介の美しさを表現したものだとすれば、小説の世界は幾重にも織りなすヒューマンドラマ。show must go on.が芸道の世界、映画は「曽根崎心中」の場が出色だったとすれば小説は「隅田川」こそが鬼気迫る舞台。後半の展開は映画とは趣を異とし、歌舞伎を家業としている家族を浮かび上がらせている。ラスト、喜久雄の描写はまるで神かと見紛うばかりだった。あと、映画では冒頭のみの徳次もしっかりと活躍してるのがうれしい。
歌舞伎と人間の業を垣間見たい人におすすめ
「垣間見る」のですが、「食らい」ます。
役者・映像・音響の凄さと人の意地汚さが直撃してきます。
400年の伝統を持つ歌舞伎を、1年半の新聞の連載後に加筆修正されできた原作小説。これを1本の映画にするのだから全ては描ききれない、と。
吉沢亮の喜久雄と横浜流星の俊介の藤娘のポスターを見たときは二人の区別がつかなかったけど、映像で踊る姿はまるで別の雰囲気でした。田中泯や渡辺謙もその内面を踊りでみせてくれます。
パンフレットの俳優・スタッフのコメントが充実しており余韻に浸れます。
見る人により評価が分かれそうですが、私は大満足しました。他の人物のストーリーも観てみたい作品です。歌舞伎も観たくなります。
上映前の予告に「ババンバ〜」が流れて、吉沢亮の振り幅の広さにくらっとしました。
美しい映画、キャストの本気が伝わる
期待しすぎたかも
あっという間の3時間体験だった〜☺
既に観てた方々からの反応を受けてどうにも音にこだわって観たかったけど同日公開のリロ・アンド・スティッチに押され、なかなか良シアターでの上映が見つからず……109シネマズプレ新行くことに(ちょいお高いけど)。でも結果それが良かったなー。包み込まれた音響体験での没入感がマジで凄かった!!平日限定クラスA500円OFFキャンペーンに感謝感謝💜
さて、本編。
原作は未読。でもストーリーとしてはトレイラーで観てたものがほぼ全て。どちらかと言うとDon't Think, Feel.的な作風。
その感じまくってた中での雑感やえを以下に箇条書き👇️
(雑感)
◎喜久雄の少年時代を演じた男の子の色気凄い
→怪物に出てた子なんだ。是枝さん苦手だけど観てみるかな。
◎永瀬正敏が見せたかった父の姿は何だったのか…
→すんでのところで殺られちまったけど、本来喜久雄に何を見せようとしていたの??
◎宮澤エマ、極妻決定✨
→元から上手いけど色気も増してきて最高かよっ!
◎吉沢亮は上手いけど流星の方が心に残ったなー
→複雑な感情のバリエーションはしゅん坊のが多かった気がするな
◎森七菜、ただただ可哀想
→好きだからという理由だけでお嬢さんの立場を捨てて駆け落ち。喜久雄と一緒にはなれたものの、結局喜久雄の大切な後ろ盾にもなれなきゃ芸の肥やしにもなれてない。ただただ可哀想。ってか、そもそも喜久雄の何が好きだったの??
◎藤駒はわきまえてるイイオンナ!
→この映画の中で一番漢らしい🌀美しく慎ましやかでいて、なおかつカッコイイ!藤駒万歳🙌
◎田中泯さん演じる万菊さん、とにかくスゲーです
→声だけ聞いてたときは美輪明宏かと思ってましたww
◎春江、なぜ梨園に受け入れられた?(最大の謎)
→任侠出身の喜久雄が紋々背負ってるのとは訳が違う、好きな男に合わせてタトゥー感覚で入墨彫っちゃう痛女。それでも献身的に支えるのであればまだ分かるけど、自分が必要とされたら男を乗り換える承認欲求強女。同じ部屋で御曹司と部屋子の2人喰い。御曹司の逃亡の片棒担ぐ。マジで何してんの?
シレッと戻って『梨園の妻』の座にちゃっかり収まったのは跡取り息子を産んだから。寺島しのぶ女将さんも喜久雄で入れ墨耐性できちゃったから息子の嫁が背中におっきな入れ墨あっても気にならなくなってんのかなw
ま、そんなイカれ女でも受け入れざるを得ないほど『歌舞伎の血』は絶対ってことなのねー、きっと。(半弥の死後は絶対にお姑さんとぶつかるだろーな)
あれこれ好き勝手に書いたけど、素敵な映画だったなー。
芸の道を突き進むとこうなるのね、とザワつきました。
ちょっと残念だったのはあれだけ本編中でしっかりと歌舞伎の演目をタイトル表示してた割にパンフにその説明がなかったこと……。ネット時代だから自分で調べろってことかな?一方でパンフはインタビュー記事とかめちゃんこ充実してて読み応えあり!
そして思い出した落語の演目『中村仲蔵』。
久々に歌舞伎にも行きたいし、立川志の輔さんの中村仲蔵聴きたくなったー。
見応えはあった。 そらそやろと言われたらそれまでだが何か予定調和感...
圧巻でした!
主役の吉沢亮さん、共演の横浜流星さん、
お二人とも、もちろん美しいのですが
それに劣らずの映像美。
冒頭のシーンから一気に飲み込まれ
最後の最後まで目が離せませんでした
SNSから「凄い!」の情報が絶え間なく
これは早く観に行かないと、
と思い朝一番の上演に向かいました
平日なのに結構な入り
人がまばらな前方席を選んだのがことを奏し
シネコンでも大きめスクリーンだったので
その迫力は何たるものや!
2人の少年時代を演じていた役者さんも
素晴らしかった!
2人の少年の歌舞伎に対する真摯な想いが
日常の全てのような生活、
そしてお坊ちゃんである「俊ボン」も
意地悪なセリフは初対面の時だけで
それからは一緒に切磋琢磨する姿が
とても微笑ましかったです
だからこその
その後の対比に引き込まれました。
また
最初に喜久ちゃんが胸ぐら掴んで
罵声を浴びせた相手とその後も長いお付き合いに
本音でぶつかり合えるって言うのは
いいなぁ、その後も嘘なく付き合える。
そう言う相手ってリアルに大切だと思った。
その役者さんも好きなんですよね〜
上演時間3時間と
かなりの長編でしたがあっという間でした
原作は読んでいませんが、
映画が先でも楽しめるとのSNS情報。
ただ、後半はスイスイ話が進むので
もしかしたら原作を先に読んでいたら
ちょっと物足りなさを感じるのでは?
と思いました
映画を先に鑑賞するのは
正解なのかも
原作、ぜひ読みたい
そして歌舞伎、観に行きたい!
そしてそして
もう一回映画館で観たいなぁ〜、と。
ぜひ今から観る方は
できるだけ大スクリーンで観て!
また、前方席がお勧めです!
聞こえてくる音がいい
歌舞伎役者に傾倒していく二人の若者を半世紀に渡って描いていくのですが、二人の情念が歌舞伎座という舞台と稽古場と家族の間で綴れ合って行く姿が良く描かれていると思いました。
脚本も影像もしっかりしていますが、今回劇場に居て思ったのは「音」の凄さ。音響美学のすばらしさ。あらゆる場面で、音楽としての音響だけを言っているのではなく、風景、役者、モノの醸し出す音、まるで聞こえない音まで含めて琴線に触れてくるような。ここまで繊細な音に気付かされた作品はあまり記憶にないような。是非、劇場のドルビーサラウンドで観たい映画ですね。
最後に、吉沢亮といえばアイリスオーヤマ。の、備蓄米が当選したメールを受け取ったままお金の振り込みがまだなことを想い出した。
文字通り国宝級
数多くの作品を鑑賞させて戴いてきましたが
私の見てきた邦画作品の中でベスト3に
入る作品になると思います
今はまだ興奮している状態ですので
今はナンバー1作品になると思います
静かな大興奮 3時間背筋に力が入りっぱなしでした
会場はエンドロール終了後も直ぐに立ち上がる
お客さんも無く少し間があいてから全ての
お客様が動き出しました 私も感動のあまり
会場が明るくなってからも余韻を感じるまま
席に着いたままでした
ネタバレを避けますが 「娘は父親の努力や苦労を感じていて応援していた」このシーンには離れた娘を持つ父親の私には涙してしまいました
今回の作品は流石に期待しない訳には
いきませんでしたが とんでもとんでもありません
まさに国宝級 超超大作 そして
こんなに静かに大興奮した作品初めてでした
これを機会に歌舞伎の世界に興味をもちました
日本人として 歌舞伎見ていこうと思いました
素晴らしい作品 ありがとうございました。
期待しすぎたかな
前評判が良すぎて。吉沢亮と横浜流星がこんなに歌舞伎の稽古をしました、すごいですよね、圧巻!!というのはとても伝わるし実際すごい。渡辺謙も田中泯も素晴らしかったしキャストに文句はない。
ただストーリーはなんの意外性もないというか、まあそれをすればそうなるでしょうねの連続でラストに向けての展開のカタルシス的な物は何も無く。
「そもそもそういう映画じゃないから」と言われればそうなのかもしれないけど、じゃあ映画として観る意味は?
ただただ「吉沢亮と横浜流星が歌舞伎に挑戦!」っていうドキュメントを見せられて終わったみたいだった。
SNSではこの映画褒めないと今後文化人を名乗れないのか?と思うくらい褒めちぎりポストだけが流れてくるのも若干白けてしまう理由かも。
こんな生き方はできない。それで良いわ!!
演技力、映像、本当に素敵でした。
彼らの演じる歌舞伎を、この作品の知識をゼロにして観に行きたい。
以下は誠に勝手な感想です。
伝統芸能と人生と人間関係の絡みは、観ている側の精神力も削いでいきますね。関係ないですが、『昭和元禄落語心中』を一気見した感じの疲労感です。人生にフォーカスするから男女のあれそれが差し込まれるのでしょうが、もうちょい省いて欲しい。映画を見慣れてると良いけど、「ヒットしてるから観に行こうかな〜」のライト層はちょっと引きそう。ノリで観に行くと気まずくなりそう。
女たちは強かだ〜。売れそうな方の妻になれば安泰だけれど、没落したら人生無駄にする。生存戦略だアレは。
まあ置いといて。
演目の表示と、役者の演技がとても良いので見入ります!歌舞伎に興味があって、三時間位を集中して観れるなら大丈夫だと思いますが…。
女形をやっていると、あれは吉沢亮・横浜流星なの??と分からなくなるほど上手い。序盤の若手くんたちも凄く上手。どれくらい稽古したのか。それを考えると更に観ていて体力が削れる思いです!
無骨ワイルドな横浜流星と、面白兄さん(最近特に)の吉沢亮はどこかに消えてる。(演出なのは承知の上ですが音楽がちょっと要らないかも。囃子が聞こえん…。)亮、流星がそれぞれ同じ演目をやっても、時代とか年齢とか、色んな背景を重ねた上で演じるので、意味合いが大きく変わるんですね。作中で「兄弟/コンビ」、現実では同じイニシャルなのはキャスティングが憎い!
歳をとっていく二人を早回しで観て、芸の道で生きるって大変だなと、平凡が何よりだと思います。
元々の演技力も必須だけれど、色んなものを利用して犠牲にした上で地位を手に入れ、とんでもないプレッシャーを何十年も耐えて、引退してからは超簡素な(粗末とも言える)所で安らかに過ごす。「人間国宝」との対面シーンは私には激重でした。芸しかないから普通の生き方が出来ない…生き方はそれしかない、みたいな。令和キッズならきっと地方巡業からの屋上で舞うシーンの後でこの世を去ってる…。某ピエロに見えた…泣
鑑賞後の気持ちは、ヤク中の出てこない「ベターマン」みたいな感じ。
あとは、普段無い画角で女形を撮りたかったんだな?と解釈してます。女性が演じていようと、男性が女形で演じていようと、あれだけ色気があれば風紀が乱れる(と当時国のトップが思う)はず。本当に綺麗。
ただ、綺麗の裏のドロドロがね…。
以下は更にどうでもいい感想
バンパイアの方の番宣見てから今作を見ると動揺します笑吉沢亮は、良い意味で場を乱す人だなぁ。酒の件は、なんとなく心情を察してしまう。プレッシャー半端ないだろうな、と。頑張って…。
平日の一発目で観ましたが、割と人が入っていて、年齢層高め。どうしてわざわざ人が座っている側から座席を目指すのか(エンドロール中もなぜそちら側から出ていく)?井口歌唱が印象に残らない!主演目当てのようなタイプは少なく感じました。歌舞伎が題材だからでしょうか。週末は多いのかも?
本物の歌舞伎俳優たちが絶賛してるのは、特にどの点なんだろう。
女方歌舞伎役者
「国宝」こそは生きる力を伝える国民へのメッセージ
劇場で観たほうが良いという意見がネット上でかなり多かったので、ちょっとそれに乗せられて映画館へ……。
……結果、「確かにこれは劇場で観たほうがいい」「ここの皆さんが、映画館で観ることを強くおすすめしているのも、間違いではなかった」と、心から思った。だから皆さんにも感謝!
僕は歌舞伎についても詳しくなく、原作も未読。まっさらな状態でこの作品を観た。
しかし、ただ「舞台が美しい」とか「踊りが素晴らしい」とか、そういうレベルの映画ではないと認識した。
この映画が描いていたのは、「情念」でした……。
単に舞台を撮っているわけではなく、登場人物たちの内側から溢れ出る「情念」が、なぜかスクリーン越しにこちらへ迫ってくる。
その圧に、僕ら観客も息を呑んでしまう。
静かな場面では、映画館の劇場全体が凍りついたかのように静まり返ってしまった。
客席の一人ひとりがその張り詰めた空気に呑まれているのがわかる。
それだけ、俳優たちの魂が確かに映画の中に込められている。
吉沢亮氏と横浜流星氏……すごい役者に育っていると思う。彼らの血の滲むような努力が、映画の中で役として熟成され、完全に息づいており、舞台上での緊張感もそのまま、僕たち観客に伝えてくるといった凄味を伴った映画なのである。
気づけば、約3時間という上映時間があっという間に過ぎていた。
そしてエンドロールが終わったあと、自分の魂がどこかへ連れていかれたような、そんなぼんやりとした感覚だけが残っていた……。
僕は力を振り絞って、ゆらりと立ち上がり、劇場の外へ少しよろめきつつも歩いて行った……。
すごい映画を観たあとは、必ずこうなってしまう……。
ネタバレを避けつつ感想を語るのは難しいのだけど、前半は二人の主人公による、嫉妬と友情が入り混じった心のシーソーゲーム。
中盤からは、「舞台に生きるとはどういうことか?」という問いかけが、じわじわと浮かび上がってくる。
役者という生き方は、ときにその者の人生そのものを壊してしまう。
まるで悪魔と契約したかのように、その世界に取り憑かれ、他のすべてが見えなくなっていく。
人生、いい時もあれば……悪い時もあるさ。
言葉にすれば簡単だけど、本人が目の前にした時の辛さ、じっと耐え抜く生き方。
実際に目の前にすると耐え難い現実となる。
映画はその見せ方が上手い。切り取り方がうまい。人生における緊張感が、ぶつ切りで連続してくる。だから瞬きすら忘れるほどだ。
あるものを失って底辺に落ちれば、人から見下され、罵られ、そんな状況に耐えきれなくなった女からはあっさり見放され……惨めな状態。
自分もまさにそんな状態にあるから、すごく感情移入してしまった……。
特に印象に残ったのは、物語の初めに殴り合った相手が、親友になるわけでもなく、ただ見捨てず手を差し伸べる場面。
そこに乱暴だけど偽りのない人間らしさがあって、思わず涙が……。
さらに、ある因縁の再会の場面にも泣かされた。
カメラを向けるとある女性から投げかけられた言葉が、胸に深く刺さってくる。
そのときの主人公は、人生の荒波を越え、もはや神々しさすら纏ったような存在になっていて――そこでも人生を感じて涙がこぼれてしまった。
……他にも心を打たれる場面はいくつもあったのですが、ネタバレになるので控えておきます。
「人には夢がある」「やりたいことがある」と、そう簡単に言うけれど、実際はそんなに甘いものじゃない。
ときには人生を壊すほどの覚悟を持って、それでもなお進まなければならない。
誰かに「たとえ憎しみを持っても、舞台に立ってしまうもの」と言われて、舞台に立ち続けた先に見える景色は、言葉では言い表せない何かであり、それは極めた者だけに見える世界なのだと、深く感じさせられた。
この作品は、人生に迷っている人や、何かに傷ついて希望を見失っている人にこそ観てほしい映画。
観た人の心に、きっと何かを響かせてくれる。
そんな、神々しさすら感じる映画でした。
全728件中、361~380件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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