国宝のレビュー・感想・評価
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これぞ絶対に映画館で観るべき映画作品。
久しぶりに良い意味で予告編で想像した通り!の
素晴らしい逸品!秀逸な3時間の大作でした。
余計な説明台詞も無し。
ただ作品に抑揚を付ける為だけのいざこざや、
安っぽい人間模様も全く無し。
美しい歌舞伎の映像美と、
出演俳優による鬼気迫る演技で
歌舞伎の裏も表も脳の髄まで
堪能させてくれました。
ただ作品の上映時間は3時間なのですが、
Netflixシリーズのように、1シーズン10話くらいあれば、もっと各々の栄枯盛衰をもっとより深く掘り下げられたのかな?とも思い、せめて前後編の6時間くらいは欲しかった所です。というか、それくらいずっと観ていられる濃密な内容でした。
しかし!とにかくこれは絶対に映画館の大画面で観るべき映画です。歌舞伎に興味が無くても、歌舞伎に、役者に生きる者のの凄みを魂に叩き込まれるような衝撃があり、魂が震わされるような、ナチュラル4D体験が出来る作品です。
絶対に!映画館で!なるべく大画面を選んで!今日明日にでも!観て下さい!!大傑作!オススメです!!!
帰ってきた王道日本映画。大画面から溢れる吉沢亮の圧巻の演技に心震える!
日本の伝統芸能歌舞伎の世界を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。閉鎖的な世界と言いながら、繰り広げられるのは、才能、血統への劣等感と親子愛、師弟愛、現代社会に共通する人間の本能に迫るものがあります。しかし歌舞伎独自の素晴らしさを見事な映像美で見せてくれ、また演じる吉沢亮、横浜流星の歌舞伎、演技がすばらしく、170分画面から目が離せません。李監督、ドラマ部分は、歌舞伎関連に集中しているところもありますが、その分歌舞伎世界をしっかりと描かれていて、この映画の完成度の高さに酔いしれました。撮影はソフィアン・エル・ファニ。まるで外国映画を見ているようなカメラワークが素晴らしいです。劇場はほぼ満員。私の見た回は、中年以上が多く、嬉しかったですね。
虚構の一瞬の煌めきを彩る者たちの儚さと美しさ。
上半期1位
凄み。
見応え充分な、映画館で観るべき映画。
凄いものを観た。出演者それぞれの存在感がすごい。吉沢亮と横浜流星はもちろん、渡辺謙もちろんだが、田中泯がすごかったなあ。
怪我をした半二郎が代役を息子の俊介ではなく、才能で喜久雄を選ぶのはすごい。そのことで俊介が家を飛び出し、喜久雄に後継ぎに決めての襲名披露での場面。印象深い場面だった。血を吐き倒れながら叫んだ名前は息子の名前。やはり父親なんだな。家を飛び出し8年。もう喜久雄に継がせるしか無い。才能もある。でも半弥がやはり気がかり。そんな半二郎を呆然と支える喜久雄の表情が、、、とても迫力のある場面だった。
俊介と春江が2人できえてからの8年。どんな風に過ごしたのか、そんな場面も観たかった。でも約3時間の長い映画、これ以上はねえ、いっそこんな大作、2本に分けてもう少し飛ばした所をやって欲しかった。
吉沢亮も横浜流星も、これまで闘う映画が多い気がするが、今作ではあんなにしっとりと色っぽく女形を演じて、どんだけ練習したんだ。ほんとに2人の根性はアッパレ。なんかこれで終わっちゃうのは勿体無いね。本当にすごい。もちろん吉沢亮が主演で満足だが、2人が逆のバージョンでも観て見たいわぁ。
歌舞伎は一度観に行ったことがあるが、機会があれば是非また観たいものだ。
必要なものは、血筋か、才能か
任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、
天涯孤独となってしまう。
喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は
彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。
喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、
親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。
そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく
喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
といったあらすじ。
正直、歌舞伎のうまい、へたはわからない私ですが、
血筋、世襲の世界ということぐらいは知っている。
冒頭は任侠もの?見るんじゃなかったか?と思ったけど、
喜久雄が半二郎に引き取られ、厳しいけいこをつけられ、
俊坊と切磋琢磨し、互いに成長していくところから、
ぐいぐい引き込まれていく。
吉沢亮さんが喜久雄、横浜流星さんが俊坊を演じた。
どちらも好きな俳優さんなので、出演映画はほとんど見ているのだが、
今回の映画も素晴らしかった。
お二人の女形の美しさ、歌舞伎を知らない私でも凄さに驚いた。
この二人の人生、芸に生き、芸から逃げ、芸に再び戻り、
と決して順風満帆とはいえない、むしろ波乱万丈の人生。
互いに足りないもの、それは血筋であり、才能であり。。。
そして最後、喜久雄は人間国宝にのぼりつめる。
3時間近くの壮大なストーリーであったが、あっという間であった。
心が揺さぶれる素晴らしい映画でした。
一つことに身を捧げるということ
東一郎と半弥、喜久雄と俊介。今だったらDVレベルのシゴキだが、本気で教え込もうとしたら、こうならざるを得ない面はあるのだろうな。言葉も柔らかく、小突くことも許されない中で、厳しい芸事の世界観をどう伝えていくのか、本当に今の世の中は難しいよな。
それより何より、吉沢亮と横浜流星、二人の芝居に釘付け。子役も良かったけれど、やはり東一郎と半弥、芸そのものと血筋と。この対立軸、振り子が左右に振れる中で、ドン底に叩き落とされ、泥水を啜り、一度は腐ってしまったとしても。それでも、這いつくばって前へ進み、もう一度立ち上がる。陽の光を浴びる。芸人の性、一つ事に心血を注ぐ、その有り様に心奪われた。神様、悪魔との取引、我々は差し出せるものを持っているのか。全て差し出して手に入れたいものが明確にあるだろうか。
曽根崎心中、半弥の手足、もう先がないことを察してから終幕まで、人間の儚さ、それ故の美しさ、搾り出し表現する力強さ。魂が震えて止まらない。
ラスト国宝となり挑む鷺娘。東一郎は何を思い舞ったのだろう。
そして劇場を出た今。観客たちは何を思い、それぞれの人生を舞うのだろうか。
凄いものを観たとは思うけど、面白いとか好きとは思えなかったのは、己...
懐石料理をいただいた後のような満足感
意外な「発見」があって驚き。
内容は前評判のごとく最高だった。近年見た映画の中では私としては最高傑作。
で、私が感じた意外な「発見」は次の通り。
田中泯さんが小野川万菊を演じているときの顔の表情、特に舞台化粧をした顔を見た時にぞっとした。悪い意味の「ぞっ」ではなく、六代目 中村 歌右衛門丈の姿がかぶって見えたこと。残念ながら六代目 中村 歌右衛門丈が健在の頃の私は小学生で、舞台を見たことがないが写真だけは数多く見ていた。また、私が幼い頃にいたご近所のお婆さんが六代目 中村 歌右衛門丈にそっくりだったので、そのお婆さんの姿もかぶって見えた。
もう一つの「発見」は横浜流星クンが演じた俊坊の舞台化粧をした顔。特に前半の藤娘や二人道成寺の時の顔。中村七之助丈の姿を彷彿とさせた。お二人とも花が高くて細面なので似て見えたのかも?
しかし、歌舞伎指導を受けたとはいえ、歌舞伎役者としての演技をよくもまあこれだけできたものだと感心した。
原作をかなり以前に読んでいたが、もう一度読んでみようと思う。
こんな役者さんがもっと増えてくれたら
長時間映画なのに疲れない
邦画ってのはイマイチお金を払って劇場に行く気にならんのですが国宝は予告から気になっていたので思わず劇場に行ってしまいました。
小さい劇場がパンパンの入り。こんなに映画館がパンパンで観たのは何時ぶりでしょうと期待も高まりました。
映像、音楽、役者全てに魅せられました。3時間なのに疲れないとはコレ不思議。
歌舞伎ってTVで特集してますねぇ〜へぇ〜世襲でしょう。大変だねぇ、産まれた時から将来決まってて。ぐらいの認知しかないので外からの人間がいかに歌舞伎で生きていくのが難しいかを見せられた気持ちです。「才能」ではなく「血」の重要性。
そのコネだと血だのに潰される才能が現代と噛み合わないなぁと少し不快さも感じるがコレが「世襲」なのでしょう。それで守られてきた「芸事」なのだろう。だから役と芸事が噛み合うまで時間がかかる。時間をかけて何度も何度も演じてやっと「〇〇の代表演目!」と言われる様になるんだね、と納得したり。
そんな中に「才能」が飛び込んできてしまったら…?
喜久雄という「才能」と俊介という「血」。それぞれの葛藤も苦しいんだけど最後に勝るのは「血」、
どんなに「才能」があってもコネと血。それがなければ生きていけない。キツイ世界で常人には無理。そんな世界に取り憑かれた喜久雄の足掻きと苦しみが大きくではない、静かに広がる水波紋のように心を揺さぶってくる。
映画館でこそ活かされるような音楽と演出は恐らくTVで放映しても迫力としてはイマイチでしょう。是非、劇場で観て欲しい。
劇中の時の流れと女心というのは早いものでついていくのも理解するのも難しいモノですが、畜生、春江嫌いだわぁと思うくらいです(笑)
喜久雄も俊介も人間としてクズはクズ。ただ芸事の面で彼等は誰よりも互いを理解し高め合い支え合うことの出来る唯一無二のパートナーだったでしょう。
そう、彼等は人間として生きるには向かないのです。役者ですからね、芸事で人に魅せるのです。恐らくリアルの歌舞伎だとあり得ないのかも知れない喜久雄の人生は私として良かったです。役者さん方の演技も凄い。久しぶりに邦画でパンフレット買いました。
喜久雄の娘の言葉が、親として認められなくとも仕事の面でリスペクトされたら下手すりゃ何より嬉しいかもしれないなぁと思ってしまいました。
俳優陣の頑張りに刺激を受ける
映画館で観るべき映画「国宝」
歌舞伎の新たな見方を教えられました
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