国宝のレビュー・感想・評価
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命を懸けた舞台の幕が上がる!
やっと鑑賞出来ました!
前回は満員で
チケット購入を断念
今回も満員に近い観客でしたが
何とかチケットゲット出来ました。
本当に良かった~
3時間あっと言う間でした!
息を呑むシーンの連続で
スクリーンに釘付けでした。
人生の
愛や憎しみや喜びや悲しみ
多くを経験するほど
芸が磨かれていく
その身を削りながら
命を懸けて舞台に立つ姿
鬼気迫るものがありました。
美しい映像でありながら
自らの全てを
燃やし尽くすような
真剣勝負の舞台の連続
感想の言葉が見つからないほど
凄かったです。
人は誰でも
何かしらの宿命を背負って
生きています。
登場人物達の
自らの宿命に必死に抗う姿
泣けてきました。
人生の全てが詰まった
最高傑作でした。
改めて
大スクリーンで鑑賞出来て良かったです!
評判以上だった
面白かった。ただ、感動できない事情があった
歌舞伎のことは全くわからないですが、周りの評判がよかったので見にいきました。
◾️全体的な感想
・血を持っている者とそうでない者の物語として、とてもよくまとめられた作品だったと思います。
・極道の出自や、家族を失った過去を抱え、歌舞伎の世界に入った彼は俊介と絆を結ぶが、常に「血のつながり」の壁に阻まれる。途中、大役を得ても結局最後には選ばれず、愛も家族もつかみ損ねる。花江や彰子、藤駒らとの関わりも、途中で手放してしまう。
喜久雄は芸の道でしか存在を証明できず、その生き方が最後の綾乃との再会の言葉に凝縮されていた。
・役者の眼差し、一挙手一投足が緊張感を持って伝わってきた。見ている私も息が切れるような、苦しさや彼らのもがきを体験できる作り方で素晴らしかったように思う。
・歌舞伎のシーンも、(まったく歌舞伎を見たことのない自分から見ればだが)とても完成度が高く、映画とは別に歌舞伎としての面白さを感じられた。
◾️個人的な感想
・物語のテーマ、主人公の設定や、歌舞伎という世界の特殊さから、芸事に飲み込まれた人間の生涯として楽しく見ることができた。
・ただ、これは作品の性格上、必要な描写ではあるしむしろ現実的だなと思うところとして、「喜久雄最悪!」と思ってしまったことなのだが、喜久雄の女の子の扱い(特に藤駒、綾乃、彰子)にムカついてしまった。そのせいで喜久雄のことが好きになれないところがあり、物語に感動しきれないところがあった(とはいえ、物語の流れからしたら不自然な描写ではなかった。むしろそう思わせる構成や演技だったから、すごいなと思った)。
・とはいえ、喜久雄もかわいそうだなと思うことがあった。喜久雄も俊介も、互いに思うところはありながらも、互いを思い遣って接しようとする姿は素敵だった。同じくらいの熱量で芸事を語れるのが、喜久雄にとっては俊介くらいだったし、なにより同じ時間、同じことを同じ厳しさで味わってきた二人だから、深い絆ができたんだと思う。
・一方で、それ以外の絆を喜久雄は築けなかった。血のつながりというのは、この作品において非常に重要なテーマだが、喜久雄は「歌舞伎界に必要な血のつながり」だけでなく、「血を分けた自身の家族」も持っていなかった。仇を討とうとすら思えるほどの大きな愛情を失ってしまった喜久雄は、それゆえに誰かを愛することができなかったように思う。花江、藤駒、彰子という3人の女性との関わりの中で、三者三様の喜久雄との繋がりをもった。喜久雄を利用しようとした藤駒、喜久雄に利用された彰子。花江だけは、どう考えていたのかはわからない。背中の刺青だって喜久雄を思っていれたのだろうし、故郷からいなくなった喜久雄を探してわざわざやってきたし、喜久雄と深い関係にもなるし。喜久雄のことを一途に思っていた彼女は、しかし俊介と共に喜久雄から離れ、結婚した。そこに関する花江の心理描写はほとんどなかったので、想像するしかないのだが。だが、戻ってきた花江と俊介に対し、喜久雄が問い詰めることもなかった。絶望していたようにも見えなかったし、結局喜久雄にはもう芸事しかないのかもしれないとも思った。
・全編を通して、この人が何を考えているのかわからない、ということもあった。だが、喜久雄の物語として見ると、喜久雄の目を通して世界を見ているのだなと感じると、喜久雄自身にはわからなかったり、興味のないことだったのかもしれない。それでも歌舞伎に関することは鮮明に仔細に描かれていて、それをとても美しく見れたのだから、喜久雄には本当に芸を極める道しか残らなかったのかなと思った。
◾️総評
・主人公が様々なものをないがしろにしているせいで不快に感じる人もいるだろうし、いろんな人の感情がわからないせいでつまらなく感じる人もいるだろうなと思った映画。
・でも、うまく生きられない、生きようと思うことが難しい人の、唯一の優れた一面を極めようとした波瀾万丈な生き様は面白かった。
・こういう人を許す、許せないという心情的な聴者の葛藤はあり、それがその人の映画の評価につながるとは思う。でも、そう思わせる構成と演技だったように感じた。
吉沢!横浜!李!…そして音楽
久しぶりに「痛い」映画に出会いました。
まるで3時間 平手打ちをされているようでした。
ノンフィクションで他人の壮絶人生を見せられた様な気分…というより、自分にはそれ以上のショックだったかもしれません。
いくらここで話しても、私の拙い説明では伝わらないので、映画館で体感していただくと良いかと思います。
演者の演技、監督の演出に関しては他の方々が書かれている通りだと感じますので、私からは特段申し上げませんが、挿入されている楽曲が作品をさらに盛り上げているということは強調してお伝えしたいです。
平穏には流さないが、どん底にも落とさない、絶妙な調子の音楽が要所要所で床下浸水のごとく耳に入り込んできます。
指先の小さな火傷のように、音楽は私の中にヒリヒリと残りました。
そして
観終わって既視感というか、何か再体験した気がしたのですが…
「ああ、鬼龍院花子!」
同じ人、いたら嬉しいです。
普通
昭和の街並みや歌舞伎の扱い(旅館の出し物になるほど身近だったこと等)、ドサ回りでやる場合と本格的な歌舞伎座でやる場合の舞台裏が見れたのは良かった。
ストーリー序盤、観客を引き込むシーンになるはずの、関の扉で主人公が才能があると感じるシーン、人間国宝(おじいちゃん)が演じる鷺娘の凄さを感じるシーンで凄さが感じられず置いてかれる気分になった。
おじいちゃんの鷺娘だけ分かりやすくCG入れてるのも演出感溢れてて若干覚めました。
それよりは二人藤娘の笠の扱い(あんなクルクルクルクルしてて綺麗に収まっててすげえ)、二人道明寺のすり足で歩きながらも全くブレない上体の方が分かりやすく歌舞伎役者すげえになりました。
動き?セリフ?の少ない鷺娘を人間国宝という最高峰の人が演じてくれても一般人は凄さを感じられないんだ…
あと全体的に顔面アップ多いかも。曽根崎心中はどっちもアップだからこそ感情に訴えるものがあってめっちゃ良かったですが、他はそんないるかな…
多分夜景のライトを目指す景色と重ねたかったんだろうけど、きくちゃんがビルでクルクルしてるのとかもうちょい引きの映像あっても良かったと思う。役者の狂気を表すには薄い。もっと前半部から執念を積み上げて欲しかった。学生時代がちょっと爽やか過ぎたのかもしれない。
歌舞伎単独だと盛り上がりを示すの難しいのは分かるけど、盛り上げたいシーンでとりあえずオーケストラ入れて音量上げて直後無音にすれば良いやろ感も感じた。もうちょいアングルとか魅せ方にこだわって頂きたかった…
しゅん坊ときくちゃんの関係性はとても良かった。認め合って支え合って尊敬しつつでもお互いに欲しいものを持ってて憎みこそしないけど羨ましさと悔しさが滲む、みたいな。
あきちゃんの献身と虚無も良かった。
きくちゃんが丹波家を出てく時の女将さんの居ないもの扱いするムーブも良かった。鳥肌立ちますね。
本筋とは関係ない部分のストーリーの投げっぱなし感は気になる。関の扉を一緒に演じて一緒に復讐に行った兄ちゃんどうなったとか、一緒にドサ回りして支えてたあきちゃん何処行ったとか、花井半次郎(渡辺謙)にデカイ借金ってなんや?とか、瞬く間に丹波家没落してたけどどういうこと?とか、竹野いつの間にそんなきくちゃん気にかけるようになった?とか、人間国宝(おじいちゃん)寝たきりなのにどうやってきくちゃん戻した?あの状態で発言力あるのか?とか、芸事でトップになるのが復讐になる話どこいった?とか……思いのほか気になる点多いな
あとは初期の組長亡くなる時の殺陣、どうにかなりませんでしたか…歌舞伎に力入れてるのはわかるけどドス持って囲みながら1人ずつ突撃は流石に笑ってしまう
実写で役者の凄さを表す難しさを感じた。漫画1話だけ読んだけど2次元は凄さが盛りやすくて分かりやすいなあ。という感想です
彼の痛み
周囲の評判が高く、「映像が美しいから絶対映画館で観た方がいい」と勧められ、足を運びました。
演技力に対しての評価は★5です。
ただし、作品そのものに対しては、正直★1をつけようかと悩んだほどです。
物語の中盤、あまりのしんどさに途中退室を考えた瞬間もありました。
一番深く傷ついていたのは、喜久雄のはずなのに。
なぜか周囲の人々のほうが、彼以上に「傷ついた表情」を浮かべ、「怒り」を向けてくる。
誰も、彼の痛みに触れようとしない。
誰一人として、「どうしてそんな選択をしたのか」を見ようとしない。
傷つける側だったのではなく、ずっと“傷つき続けてきた人間”だったのに。
喜久雄が口にした「悪魔との契約」という言葉は、
彼の覚悟の言葉のように感じました。
悪人になりたかったわけじゃない。
狂人になりたかったわけでもない。
ただ、
純粋に歌舞伎を愛せる自分がいて、
どんな自分でも無条件に支えてくれる人がいて、
つらいことがあっても乗り越える度に笑い合える日常が欲しかっただけ。
でも現実は絶望の果てに立っていて、悪魔と契約するしかなかった。
結果だけを見れば、「映像が素晴らしい作品だった」「喜久雄が世界一になってよかった」と言う人も多いでしょう。
でも、この作品に刻まれていた
孤独と痛みの深さを、
一体どれだけの人が本当に感じ取っているのでしょうか。
面白かった
マンガで少し読んでいたがそれはイマイチでやめてしまったが、ヤクザの息子が何故か歌舞伎の世界に入りそこの息子と歌舞伎の世界で生きていくという何となくのストーリーは理解していた。
鑑賞の結果、これはホントに面白かった!1人の歌舞伎役者の人生を俯瞰で見させてもらった満足感はある。歌舞伎に成功するのに悪魔と契約したと娘に語ったシーンあったがまさにその通りの人生なんだろうな。
幼馴染の女の子、芸者の結婚した女性、その女性との間の女の子、先輩歌舞伎役者の娘、色んな人たちに迷惑かけて人生狂わせてまで生きてきた、最後は人間国宝までなった人生を体験させてもらった。
吉沢亮は顔立ちが綺麗なせいか歌舞伎の女がたには向いていたが、空手やってたせいか横浜流星は顔立ちがゴツゴツで少し違うかなーってのは感じた。
ずーっと緊張
悪魔との契約?
芸に生きる対照的な2人の男性の物語りで、3時間があっという間に過ぎて飽きないストーリー展開です。体感60分位に感じる作品でした。
映像も衝撃的で糖尿病の怖さが脳裏に焼き付きました。映画を見終わったその時から甘いものを食べるのがちょっと恐ろしくなりました。
ただ、お話の途中唐突に挿入された悪魔との契約の話で、荒井由実さんがラジオで話されたらしい逸話を知り、こちらもちょっと怖くなりました。ジュゼッペ・タルティーニの「悪魔のトリル」がバックで流れればもっと印象深い作品に成ったかもしれませんね。
メガネマンの国宝級変貌ぶりキックが印象に残るなんて
あまりにもつまらなくて合わな過ぎてビックリした。
落ちぶれ描写すら金持ち道楽の世界で、まずそれが嫌。
あの宿の食堂の小さいステージとかさ。「歌舞伎座の立派な舞台に立っていたきくおは今やこんな小さい舞台、お客もまばらでちゃんと見てくれないような舞台にしか立てないのです」の意味であの演出なんだろうが、いやすごいだろ。あそこが旅館だとして小ステージ付き食事付きとして一泊いくらするんだよ。金持ちじゃなきゃあんな場所に行けねえだろ!そこに立てるだけで、役者として仕事があるだけで超すげえだろうが!
続いて同じく落ちぶれ描写のなんかざわざわしたパーティ会場みたいな場所も、あんなに客がいて、あんな小綺麗なホールで。あんな場所で食事できるのもある程度以上の収入がなきゃ無理だろ。ステージに近づく変態メガネマンにすらなれねえんだよ、こっちはよ!
本当に、平気で金持ち道楽の世界を描いてるんだよな。そこに自覚もないと思う。
そして。とにかく遅い。序盤からこれみよがしにゆっくりゆっくり演技を見せてクソみたいに無駄な間が多い。
「この間がポイントなんだよ。舞台の空気と役者の演技をじっくり感じるんだ!これが格調高い映画のあかし!」とでも言うかのように序盤からとにかくおっせー!早くしろクソバカ野郎!と何度も心の中でとなえた。
俺は子供の頃から何をやるにも遅くて頑張って急いで急いでなんとか周りに合わせてきたから。フィクション内でノロノロされると許せないのよ。
あんなにノロノロするなら全画面に字幕や解説を文字情報としてびっしり入れて欲しかったぐらい。よく分からねー金持ちの舞台ゲームに対する金持ちどもの大げさなリアクションを見せられている感じがしてすげえ嫌だった。
俺にとっては昭和のクソ文化のフルコース、日本映画の悪いところの詰め合わせの極悪映画だったわ。
嫌なところ、合わなかったところ
- とにかく間が長い。あと5日で本番というタイミングでパパが事故で入院!代役どうする?ってタイミングでもノロノロしてて「あと5日しかねえんだからもっとあせろや、クソ野郎ども!」と俺が心の中で映画内の渡辺謙以上にキレていた
- きくおが小さい頃からヤクザの親分の息子で大事にされてて、復讐を手伝ってくれるよき友人もいて、一緒に背中に刺青入れてくれる彼女までいて、さらに演技の才能まであって歌舞伎の家に住めるようになって、さらに吉沢亮の顔までついてて!「持たざる者」ポジションに見せかけて序盤から色々持ちすぎなんだ、この野郎!
- しゅんすけの方もしゅんぼうと言われて可愛がられてるし、そもそもこっちも演技が上手いのでなんできくおが選ばれたのかが分からない。素行の悪さ的なところか?こっちは少なくともパパ入院時点ではもっと下手な方が対比できたんじゃないの。
- 舞台上で渡辺謙が吐血したり、しゅんぼうの足が糖尿病で壊死して足切断で義足になったり、結局病気でストーリーを盛り上げようとする姿勢が嫌
- 昭和の大人キャラがどいつもこいつも偉そうで不快すぎる、渡辺謙も寺島しのぶも田中国宝もぶん殴りたくなるほど偉そうで不快過ぎ、クソ嫌な昭和の再現がうますぎた。「俺の娘を」デブ親父もひたすら嫌、キレ芸だけは面白かったけど
- タバコを吸いまくるのもきちんと昭和を再現してるからこそ不快で嫌過ぎた。役者のいい演技がかすむレベルで不快
いいところもあげる。心の中で笑ったポイントな。
- 序盤のこれみよがしに少年の汗ばんだ肌をアップで映す、一部の層にウケそうな執拗なカット
- 春江が大きくなって高畑充希にメタモルフォーゼするすごい成長具合。骨格から変わってない?似てないよな。国宝級の成長ってこと?
- きくおが代役に選ばれた時のしゅんぼうとの橋の上のやり取りで後方で安定した走りを見せる自転車
- 8年ぶりにきくおとしゅんぼうが再会する場面で無駄に豪華そうな部屋で会うところ。高そうな壺を3つくらいテーブルに並べて!そんなに高級な工芸品をアピールしてえのかよ、クソバカ野郎!
- 日本映画、ドラマの悪いくせ、役者のアップが多すぎる。身体全体の演技がものをいうこの題材ですら顔芸祭りにするその面白さ
- 大事なことは白塗りで言うよ!な姿勢をつらぬいてる。田中国宝が初対面きくおに「その美しい顔にくわれる」的なことを言うホラー演出
- 渡辺謙パパが吐血した後に白塗りのまま息子の名前呼んでショックを受ける白塗り吉沢亮
- 屋上で失意のダンスをする際も粗い崩れた白塗りを忘れない
- 役者の後ろについてぬいだ履き物まで向きをなおしてくれる後ろの人、着物早替えもこの後ろの人の力が大きく、この後ろの人達の動きを映したところにこの映画の意義があるとすら思った
- 襲名のパレードの金満ぶり。あんなことやってたの?本当、金持ちの世界の楽しみなんだな
- 終盤に2014年に人間国宝になったきくおがインタビューの後に車に乗る場面の無音時間。隣にいたポップコーン食いニキも音をたてることが出来なかったぞ!意味深な無音を作って緊張感演出する、この無駄な緊張感たまらねー!
- 渡辺謙の扇子で子供を叩きながらキレ指導する昭和稽古に笑う
- 病室で代役のきくおの演技にキレて食器を床にぶちまける渡辺謙の面白キレ具合
- デブ親父の「俺の娘を!」と言いながらきくおを襲撃するキレ具合
- 序盤でヤクザの殴り込みにあいテーブルの盾である程度応戦するも、「きくお、よく見ておけ」とカッコつけて刺青アピールする割に速攻で撃たれて死ぬ永瀬パパ
- 舞台近づきすぎ変態メガネマンがきくおの刺青を見た瞬間にキレて「この偽物が!」と言いながら蹴りを入れる豹変ぶり。あれは国宝級の変貌ぶりだった。女に見えた役者が実は男で刺青まで入っていたらむしろ怖いと思うのだがあの変態メガネマンは謎に強気だった。やっぱりあいつにはなれねえわ。
俺は歌舞伎を実際に観に行ったこともあるんだよ。一番安い席で、色々解説がつく初心者向けの公演だった。色々解説がないと何がすごいのか分からねーんだよな。動きのひとつひとつにどういう意味があるのか分からない。理解したいという気持ちはあるんだよ。
吉沢亮は仮面ライダーメテオの頃から知ってたから。なんなら舞台『プロデューサーズ』まで観に行ったことがある。今回も、大ヒットやったじゃん!おめでとう!な気持ちでわざわざ混んでる映画館に来たところがあるのよ。
まさかここまで合わないとは思わなかった。残念過ぎる。役者の演技の素晴らしさをもってしても俺には合わなかった。せめてもう1時間短かったらまだ印象は良かったと思う。
みんなはこんな俺のクソ感想を無視して映画館に足を運んでアニメ以外の実写映画も盛り上げて欲しい。
でもこういう映画がヒットすると「格調高く見せたくてひたすらノロノロ意味深な間でつなぐクソつまらねえ邦画」がまた増えそうで、それはそれで嫌。
みなさんは、どう思いましたか?
このお話は、人間国宝小野川万菊が、自らと同じ境地の人間(次の「国宝」)を生み出すまでの話だったのではないでしょうか?
映画のはじめの方で喜久雄少年が、万菊の歌舞伎を見て「怪物(だか化け物だか)」と言っていた。その怪物万菊に憧れた喜久雄が、万菊と同じ「怪物(だか化け物)」になっていくまでの物語に見えました。
そして、俊介と喜久雄の人生に要所で手を差し伸べ(いや、いたずらに狂わせ)、両者を追い込み、突き放し、切磋琢磨させ、次の怪物(「国宝」)を生み出そうとした万菊が影の主役だったのではないでしょうか?
万菊にとっては、俊介でも喜久雄でもどちらでもよかったのではないか?自身と同じ境地に立つ人間(「怪物」=「国宝」)が育ちさえすれば。
二人に対して残酷な手引をした万菊の人生も、映画の中では語られていなかった(と思う?)が、相当なものだったのだろうと推察されます。
それぞれの生い立ちや才能の違い、人生の流れ(や万菊の手引に)翻弄され、清濁を併せのみ到達された境地、自分を恨んでいるであろう娘にさえ拍手を送らせるほど圧倒的高みにのぼった芸の力、を「国宝」という言葉で表現しているのだと感じました。
一点の曇も許さいない風潮がある現代社会に対するアンチテーゼにも思えました。
「好きだから続ける」だけで極めたらどうなるの?という疑問に答えてくれる
ドキュメンタリーのように見えてぜんぜん堅苦しくない。
何を見せられるかというと「役者とはどういう生き物なのか?」という業の話。
稽古熱心な主人公で、才能を開花させ努力もして認められてもいるが、お家の血筋が通っていないという理由から様々な苦難を強いられる。
育った環境のせいか人付き合いも下手みたいで、純粋に歌舞伎が好きでそれだけやっていたいんだろうな、と。
歌舞伎についてのウンチクを学ぶようなシーンはゼロ。映像と心理描写だけで魅せてくる凄み。
そして普段見られない舞台裏が映っていて「簡単に良いもの見られた感」がある。
間口が広い。
あとカメラが良かった。なぜか飽きのこないカメラワーク。
この角度で撮ったら新鮮だろうとか、
ここは皺が見えるくらいズームしても見ていられるだろう、といった巧さを感じる。
おじいさんの皺がずっと映っていても「すごい人の皺だからいいか」と納得させられてしまう。
バッドエンドではないが「怒り」と同じ監督で心を抉りにくるのでそこは要注意。報われなかった人もいる。自殺や他殺は無いが出血はある。
少なくとも主人公は報われて良かったねと思える最後だった。
ダメなところじゃないが「やりすぎでは?」を取り上げると、
太宰治の「人間失格」的な空気がずっと漂うので映像の9割くらいが不穏。この人次の瞬間には死ぬんじゃないのか…?というくらいに不穏。
技術だけが高みに至ったがゆえ、耐え難い孤独がつきまとう。
それが「国宝」の道の謂われなら、ただ納得できるのみで後は目を伏せたい領域である。
伝統芸能の美しさと狂気さに魅了されたあっという間の3時間
歌舞伎シーンがすごい。
歌舞伎を見るのは初めてでしたが、指先まで細部にこだわる美しさに魅了されました。
吉沢亮さん、横浜流星さんをはじめとする、出演者が稽古に費やすことができた準備期間はわずか1年半です。
本来なら幼少期から数十年に渡り習得する歌舞伎を、1年半でここまで仕上げたのは、圧巻です。
本当に幼少期から歌舞伎をやっていたのではと、疑ってしまうレベル。気迫と努力が滲み出る歌舞伎シーンでした。
全2344件中、421~440件目を表示
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