「悪くはない」国宝 ウサギさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くはない
クリックして本文を読む
吉沢亮の頑張りはすごく伝わって来た。
キングダムの時よりこちらの役柄が合っている気がする。
それより、万菊を演じた白塗りの田中泯。
美しい化け物?だっけ、この人の演技が無ければあの重くドロッとした雰囲気が出なかっただろう。
この映画の重鎮ですわ。
以下、物足りない?と気になったところ。
墓参りで跡目を継がせない事に母親役寺島しのぶが怒りを吐くシーン。
あれは喜久雄を叩くほどにもっと怒り狂う演出をしても良かった気がするなぁ。
他がボヤけるから、演出を抑えめにまとめたのかな?
他にもこの名門家の取り巻き関係者の、血縁以外の者に対するイジメとか、よそ者扱いなんかももう少し壮絶に描いて欲しかったかな。
当たり前にあるはずだし、そういう物に苦労させらせる。
半弥が糖尿病で足を切らねば、の場面。
その状況でなぜにバナナを食べているのか?よくわからなかった。
が、舞台での拍手喝采は光であり何物にも変えがたい魔物であり、それに振り回される役者の執着心は伝わってきた。
それ程でないと芸の道は進めないんだろう。
血筋も、持って生まれた芸の才能も、どうあがいても手に入らない。
そのあたりもよく描かれていた。
この映画からまた再熱している、覇王別姫を観ても思うが、何にせよ、芸能に人権無し、と勝手に思っている。
歌舞伎は世襲。
今回のように、芸に秀でてなくても血筋(ブランド)があればもてはやされるのか。
ならば、歌舞伎通の人達は歌舞伎の芸そのものよりもブランドを観ているのか??
そんな疑問が残りつつ、映画館を後にした。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。