「非常に質の高い人間劇」国宝 ぽりおさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に質の高い人間劇
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素晴らしいの一言。
題材の歌舞伎にまつわるシーンも素晴らしいが、人間劇の見せ方演技から役者の空気感から何もかも素晴らしかった。シーンの構成も冗長にならず、次次進んで視聴者に想像の余地を与えており、長時間の映画にも関わらず間延びは殆ど感じさせなかった。
主人公喜久雄の華やかな部分も暗い部分もそこに集積するいいことも悪いことも離れていくことも全てが喜久雄という人を魅せている。
また演者が完璧にセリフにコメられた感情、意図をこちらの想像を上回る演技の巧さで表現してきて、過剰さや作り物感がない。
一番心に残ったのは、途中曽根崎心中の代役を任され、本番前、眉を引くのに手が震えてうまく引けない後のシーン。複雑な立ち位置で切羽詰まった喜久雄の溢れ出た感情から出る台詞を見事に表現できていたと思う。このシーンは下手な役者が演じていたら絶対うまくいかなかっただろうと思う。
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