「文芸大作のふりした青春大作映画」国宝 MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
文芸大作のふりした青春大作映画
俺がレビューするような映画じゃ無いよねコレ。
兄弟同然に育った2人がある件を切っ掛けに反目しあうのだが、やがて共に大舞台に挑む事になる。
とても大雑把にこんな話だが、このプロットには覚えが有る。
そう「男たちの挽歌」だ。あちらは実際の兄弟だが。
「男たちの挽歌」に限らず、こんなあらすじの映画は古今東西沢山有ると思う。
いや決してこの作品をサゲてるわけじゃない。むしろこの伝わり易いプロットのおかげで老若男女問わず大ヒットしているわけで、自分の様な普段アクションやホラーしか観ない中二脳の映画バカでもとても楽しんで鑑賞する事が出来た。
実際体感の上映時間は「男たちの挽歌」と大差なかったし。
主演の2人である吉沢亮も横浜流星も圧巻の演技だった。「ババンババンバンバンバンパイア」との振れ幅の広さには舌を巻くほどだし、「春に散る」で見せたボクサー役からも1つの役に入れ込む姿勢が半端では無いのが伝わってくる。
やっぱり顔の良さに胡座をかく様なトップ俳優なんて居ないのだな。
歌舞伎の世界を描いた文芸大作映画なんて本来の自分なら触れもしなかったし、ぶっちゃけここ迄のヒットもしなかったと思う。この2人の熱演あればこそ作品に深く引き込まれて、普段全く馴染みの無い歌舞伎という文化の中に入り込む事が出来たのだと思う。
無論この2人を演出した李相日監督の手腕の高さは過去作からも疑いようが無いし、まるで本当に歌舞伎座に居るように錯覚させた撮影監督のソフィアン・エル・ファニ氏のカメラも見事だった。(過去作は知りません、すまぬ。)
目が眩む様な美術背景を演出した種田陽平監督についてはここで記すまでも無いでしょう。今や世界で活躍する " アーティスト " で、この方の起用はちょっと卑怯だと感じるくらいです。(笑)
作中にマスコミのいい加減さを差し込むのも李監督らしさだったと思う。
ほぼ不満点の無いこの映画だが、小さな不満が1つ有る。
女性陣の掘り下げが全く無い事だ。
これは監督が2人の物語には不要と判断した為だと思うが、3時間も有るんだし、ねぇ。
そんな中でも寺島しのぶ氏の安定の存在感はさすがでしたけどね。
馴染みの薄い歌舞伎の世界を描いた文芸大作映画ですが、中身は同じ夢を追う若者2人の青春映画です。
こんな自分でも大いに楽しむ事が出来たのですから、まだの方は是非。
自白
この作品をチョイスしたのは自分では無い。
夏休みに帰省した際に甥っ子がコレ観たいと言い出した。(自分じゃ絶対観ないよコレ)
どんな映画の出会い型が有ってもいいじゃない。てことで、レビューじゃなくて夏休みの日記です。
おはようございます。
MAKOさんが「国宝」?!?!
え。意外!!!
と思ったら、甥っ子ちゃんのお供だったのですねw
でもでも、これも出会いです♪
観て良かったでしょ?w
MAKOさんらしい切り口のレビューでした流石!
MAKO様
共感とコメント、ありがとうございます。
素晴らしい作品でしたねー。
鑑賞後、文庫本を購入しました。
強い者順で妻が読んでいますが、上巻に苦戦しているようです💦
「イオンシネマは月曜日1100円」の情報もありがとうございます。
ただし、生活圏内にイオン自体がないです💦
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