「歴史美術館と思ったら滝沢歌舞伎だった件」国宝 辛口くんさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史美術館と思ったら滝沢歌舞伎だった件
タイトルとポスターのビジュに見事に騙された。
下調べしなかった自分の完敗。簡単に言うと、演技がそこそこ上手いトレンディドラマ俳優による何千回とコスられてきた世襲テーマの物語歌舞伎ビジュバージョン。
歌舞伎や国宝について何の説明もなく、会社の御曹司とできる社員の後継騒動の話。よくスパムのように出現する中国スマホ向けドラマでよくこういうの出てくる。
前情報無しで行ってしまったので冒頭の永瀬正敏と子役の下りはこれぞ邦画という迫力満点さで期待させられたが、後半になればなるほどキラキラ俳優2人の歌舞伎演技チャレンジを見せられている感じで、推しが居ない滝沢歌舞伎を観させられている感覚がかなりキツかった。やたら歌舞伎シーンが続くが本人たちの頑張りは認めるけど、本物でない限りこれ何タイム..?感。
映像美や2人の俳優推し時間とか原作無理やり拾ったであろう意味不明シーンなど、全方面無理やりカバーしようとしたのが違和感に繋がる。2人の歌舞伎のステージシーンが素晴らしいと言うのなら、何年も練習している本家を否定することになる。歌舞伎がどんなものなのかの説明がないのでそもそも凄みも伝わらない。コンテンポラリーダンサーおじの凄みのある演技ではあるが、あれが国宝の演技だ!と言われてもピンとこないし本物でもないものを長回しで見せられても、またもやこれは何タイム?となる。
競技人口が鬼少ない世界でトップを勝ち取った人間が国宝?だったら、国宝=絶滅危惧種なのか?と思う。競技人口が修羅レベルの分野でトップになっている選手の方が国宝に値すると思う。そう言う意味であの爺さんが国宝と言われても説得力ゼロ。絶滅危惧種=国宝=爺さんならわかる。国宝じゃなくて歌舞伎界のレジェンドなんでしょと思う。
大衆向けビジネス映画なので、監督もその辺全部わかってて1番違和感を感じていると思うけど、ギャラも良かったしOKという感じじゃないかな。
国宝という反則タイトルx中身は滝沢歌舞伎。イケメン推しタレントの頑張りとそれを超えてくるクオリティを楽しむ3時間、以上。観る側のスタンスをどこに置いて良いか非常に混乱する映画。
そんな自分に2000円払わせて最後まで観させた国宝のプロモーション勝ち。
海老蔵の感想動画が、これまた内容空っぽでクソ。それを観ると歌舞伎業界の人間性レベルを誤解してしまう(本当は奥ゆかしい人が多いと思うが)
善と悪だとかジョーカーがどうのとか、小学生でも書ける感想文レベル。海老蔵を歌舞伎のフロントとして出さない方が良いと思う。見てて恥ずかしい。
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