劇場公開日 2025年6月6日

「壮絶な映画」国宝 エルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 壮絶な映画

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

驚く

歌舞伎の世界に生きる二人の若者が才能と血筋、そして数奇な運命に翻弄される映画。
タイトルにもあるが面白いつまらないより「壮絶な映画」だという感想を持った。
それだけ人の苦難と努力と感情を描ききった作品なのだと思う。

感情を描いたと言ってもただ「私はこう思っています」と言うのではなく、
表現方法として大人向け作品によくある
役者の表情だけジッと映して何考えてるかは台詞にしない、
視聴者に読み取らせる演出が多いので見る人の年齢によっては退屈に感じるかも知れない。

その辺り(この人は今なにを考えているのかな)を推察しながら見ると
とにかくテンポがいい映画でキャラの感情なりがギュッと詰められた
「何も起きてないけど情報量の多い数分のカット」が
矢継ぎ早に出てくるから3時間でも退屈せずに見られてしまう。
練りに練られている作品なのだと思う。

何か一つのことに取り憑かれてそれに邁進して悲喜こもごもが人生で起きる……
これは「ボヘミアン・ラプソディー」や「風立ちぬ」にも通じるものがあり、
これらが好きな人はこれにもハマるんじゃないかな。
ただ個人的に自分はこういうテーマの作品が少々ピンと来ないので好みではなかったり…
同監督の「怒り」の方が悲惨な状況に翻弄される人達に感動出来て好きだった。

ただテーマ的にあんまり好きじゃない自分でも「これはすごい」とうんうん頷ける作品なので
誰しも一度は見てみるのをお勧めしたい名作映画だと言いたい。
あ、もちろん歌舞伎に興味がある人にもお勧め。自分もこれでちょっと興味を持った。
それと役者に興味のない自分でも主演二人の演技力には感嘆の息を漏らした。
今後この二人が主演の作品と聞いたらそれだけで注目したくなるくらい。

エル
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