劇場公開日 2025年6月6日

「「国宝」と言う大きなタイトルの上を行く見応え有る一本」国宝 しのぶさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「国宝」と言う大きなタイトルの上を行く見応え有る一本

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

連日の客入りと歌舞伎への注目度・・とニュースで取り上げられてから全然、観る気も無かった作品だけど、ミーハー心に火が着いて出かけた。2カ月近くたってもまだお客さまが切れないでいた。全然内容も確認しないで行ったせいか、思い込みなしで見たことがかえって良かったように思えた。始まりの新年会の宴会会場に漂う緊張感と違和感。任侠の世界だったんだ、永瀬正敏演じる言葉少なな父親の威圧感に、流石と感心した。主人公の踊りを舞う喜久雄の無邪気さと父を殺された時を目撃していた時の表情(目)の違いにこれからのストーリーの面白さを感じた。
歌舞伎の知識は全く持ち合わせないけれど、伝統の深さと美しさと伝承の厳しさ、複雑な家柄血筋関係、人間関係が入り混じっている事だけはわかった。
御曹司:俊介とヤクザの息子:喜久雄の複雑に入り組む歌舞伎役者としての浮き沈みの苦悩の長い時間と、この2人と彼らを支える女性たちの愛憎の様子にも目が離せない。
序盤の喜久雄が娘に「悪魔に願い事をした」と語った時から最後の国宝には上り詰めた時のインタビュー時の「おめでとう」と口にする女性カメラマンが同一と言う話にも作品の深さを感じた。
3時間余の長い作品だったが全く飽きる間が無くエンドとなった。
やっぱり、観て良かった!の作品だった。そして、趣味の全く違う夫を誘ったが「今までで、一緒に行って一番面白かったと思う」と言う言葉をもらった作品でも有った。

しのぶ
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