「映画ではない、一人の人間国宝の生き様を観た」国宝 なさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ではない、一人の人間国宝の生き様を観た
良かった、というか、映画というカテゴライズで「良かった」と安直に言いたくない素晴らしさ。一人の男、人間国宝になる男の生涯を知った3時間だった。呼吸を忘れるほど集中した後、酸欠で頭痛が止まらないなか、気づけば施設内の書店で原作を買っていた。顔が綺麗すぎて怖いという理由で苦手だった吉沢亮のファンになった。
父の仇取りだの血縁だの、吉沢亮が持つ「み(恨み辛み妬み)の感情」はとてつもなく大きいもの。自分が魅せられた歌舞伎、かつ、自分にはこれしかないと信じ込んだ歌舞伎を駆使して、感情を晴らすように私には見えたな。
吉沢亮と横浜流星が若き頃、比較みたいに描かれていたのも印象的。血筋を引いているがゆえにお高くとまる、若き日の酒に女に現を抜かす横浜流星とは異なり、ひたすらスレずに芸に励んでは認められる吉沢亮。ただ、中盤、血筋やスキャンダルに翻弄されて迷走する黒いシーンがあるからこそ最後の人間国宝まで辿り着くんだろうな。
個人的には、黒いシーンの最中に酔っ払って狂ったように踊るシーンと、最後のインタビューが好き。単純に順風満帆だったわけではもちろんないし、何なら犠牲になった存在を慮って(?)の、最後圧巻の演技だったんじゃないのかな〜と。確かにいろんな女を犠牲にしたよな(笑)
演技については、最後の演技もだけど、横浜流星との演技が好きだな〜。命懸けの演技に対し、自分にはできないとつぶやく男性(名前わからん)、確かに、あの人にはわからないだろうな。そして、あの人みたいに何かに全力で取り組んだことない人、人生で失敗経験などがない人にはこの映画って刺さらない気がするなとも思ったり。
ぐちゃぐちゃになったけど、とにかく良かった!ところどころ抜けてる?ところあったから、原作読んで補おうと思う。あの長編を3時間にまとめるんだからそうなるだろうし。
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