「無意識に涙が零れた」国宝 ゆらさんの映画レビュー(感想・評価)
無意識に涙が零れた
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歌舞伎というものは何も知らずに観ましたが、圧倒的な演技力、映像美に魅了されました。
特に感動シーンがあった訳では無かったはずなのに、鬼気迫る演技に自然と涙が溢れました。この映画の良いところは、死別や喧嘩別れの仲直りなど、そういう以下にも泣けるシーンを作らず敢えてカットされていることでした。「ここ感動するでしょ?」みたいなのではなく、ほんとに歌舞伎役者としての人生を描いていることにとても好感的に感じました。部屋子である喜久雄に役を取られた俊介の悔しさ、登りつめてもまた地に落とされる喜久雄の虚しさ。そして堕落しても歌舞伎を続けるしかないという無力さ。屋上での舞は圧倒的でした。終盤、俊介が自分を守ってくれる血によって命を落とすのもまたえも言われぬ哀しさがありました。最後の最後の求めていた景色を見た喜久雄の「綺麗や…」がとてもストンと心に落ちました。映画が終わる頃には顔も涙でびしょびしょでした。
今まで見た中で最も凄い映画でした。表す語彙力が無いのが悔しいくらいです。
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