劇場公開日 2025年6月6日

「無理やり惹き込まれた感」国宝 petaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 無理やり惹き込まれた感

2025年7月28日
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純粋に面白かった。

出演している俳優が好きなわけでも
歌舞伎が好きなわけでもないので、
正直寝ないかが1番心配だった。

が、全く退屈せず3時間が経過した。

映像作品としてそれ自体が凄いな、
というのが第一の感想。

ただ人間ドラマというのも個人的には正直ハマらないジャンルで、
物語を通して自分になにかが刺さったものや、共感したものがあるわけでもない。

つまり裏を返すと、その中でもこの長時間退屈させなかったナニカがあるわけで、
思い返してみて感じるソレは、(月並みだが)「役者の演技力」、それに尽きる気がする。

歌舞伎役者という難易度が高いある種「高度な縛り」があるなかで、よくもまぁここまで表現できるなと。それも謂わば即席で。

具体的には歌舞伎演技中の目線、顔の角度、声色、手の角度や、そうでないときの演技の特性など、
ただ感心しながら映画を見ていた。
(いや、「演技」を見ていたという表現のほうが正しい?)

ただ実際は物語に引き込まれていたと思う側面もある。

というのも物語の序盤の田中泯や渡辺謙による歌舞伎稽古のシーンにより、
やたら「歌舞伎の演技」自体に惹き込まれる″鑑賞者の自分″が造られてしまったから。

そういう意味では俳優陣の演技力もさながらに、うまく作られた映画だなと。

物語のタイトル「国宝」の意味を思料して楽しめる部分もあるとは思うし、
なんだかメタ的な感想になってしまったけれども、とにかく自分の趣味とはかなり異なるのに、不思議な満足感を与えてくれた作品。

唯一、変なところでの映像画角のブレが気になったのと、個人的に物語に″創作感″を若干強く感じたので、それで-0.5。

peta
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