「芸に"愛されてしまった"者の生涯」国宝 しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
芸に"愛されてしまった"者の生涯
歌舞伎含めた「伝統芸能」は門外漢です。
軽く紹介されてるあらすじと「評判良い」くらいの事前知識で鑑賞しました。
映画ど素人ですが、結論から言うと
評判に違わぬ傑作ヒューマンドラマの一つとして数えても良いでしょう。
「才能と嫉妬」
「『持たざる者』が成り上がった結果失ったもの」
「芸能界という血と欲に塗れた世界の恐ろしさ」
という使い古された要素を高水準で織り交ぜていてとても引き込まれました。
結構言われていますがホアキンフェニックス主演の「ジョーカー」を彷彿とさせる中盤と終盤の間の演技や、
(あとで調べて合点がいったのですが)「ファウスト」を想起させる物語運びもなかなか見応えがありました。
最後の「失って、失って、また失って……最後に彼が得たもの、観たものとは?」という少し破滅的にも見える終わり方や、
決して主人公を「単純な可哀想な人」として終始描かなかった点も個人的にプラスポイントですね。
何より主演のお二人から脇役に至るまで印象に残る役者さんばかりでした。
演技に関しては子役含めて殆ど言う事無しです。
(強いて言えば中盤に出てくる「あの子」とその子が成長した姿の演技は微妙だったかも。「そこだけ説明的」ってのもあるかもしれませんが…)
「今年度暫定ベスト」と呼ぶ方も多いのも納得の一本です。
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