「梨園の女性はしたたか」国宝 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
梨園の女性はしたたか
公開から一月半ほど経過しましたが、いまだに満席状態が続く超人気作品。
高齢の女性グループが目に付くのは珍しいですね。
ワタシ的には吉田修一さんの作品(原作)は苦手で映画は敬遠しがちなのですが、余りの人気ぶりにその理由を探るべく鑑賞しました。
結果、映像が美しかったですね!最前列で観たからこその白塗りの毛羽立ちや首の皺、そして目頭から湧いてきて今にも零れ落ちそうな涙など、圧巻でした。
主人公たちの中学生時代を演じた二人も良かったですね、大人になってからの吉沢亮&横浜流星はもちろん美形で、その姿を観るだけでも十分な価値を感じました。
ただ、描かれる世界はやはり吉田修一ワールドでドロリとしたもの、そして男どもは大概どこかクズなのに、女性たちはしたたか(途中で姿を消した森七菜さん以外)、特に高畑充希さんの常に微笑を浮かべる姿や、家にしがみ付きながら、きちんと成果を残す寺島しのぶさんの生きざまはあっぱれでした。
さて、歌舞伎絡みでひとつ。歌舞伎役者とは本作のように「家」や「血」が重要とのイメージは多くの方が抱いていると思いますが、歌舞伎にとって欠くことのできない存在である「清元」や「竹本」、知り合いの方の親戚がこの竹本であり、しかも人間国宝!
ただ、竹本に関しては代々その血筋ということではないらしく、この人間国宝の方も若い頃に【ビビビッ!】と来て入門、芸を極めたとのことですから、同じ舞台に立つものではありながらこちらは実力次第の世界なのだなぁと、この作品を観て、教わった話を再度思い出した次第でした。
上映時間は長いですが、ダレることなく一気に観られた佳作でした。
コメントありがとうございます。
長崎時代は原爆に言及とか、時代を感じさせましたが中盤以降はあまり時の流れが感じられなかったですね。劇場こけら落としとか在ったのかもしれませんが・・。
共感ありがとうございます。
こういう長尺で正統大河的な作品がヒットするのは嬉しい事ですが、色々と現在寄せの苦労が見られますね、砂の器を観ると余計そう思います。
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