劇場公開日 2025年6月6日

「文句なしに「凄い映画」だが…」国宝 ORANGEさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 文句なしに「凄い映画」だが…

2025年7月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

難しい

俳優陣の鬼気迫る熱演や、計算し尽くされたカメラワークや画づくりなど、見応えは十分な作品。

特に主演の吉沢亮は、その整った顔貌と、どこか感情が読みにくい瞳の印象も相まって、キャリア最大の当たり役と言えるであろう主人公の喜久雄を見事に演じ切っていた。

一方で、物語としては非常に類型的な成功譚の形をとっているためか新鮮味に欠け、終盤の挫折から再起への流れにはかなり唐突感がある(人智を超えた力が働いた、という表現なのかもしれないが)など、正直あまり面白みを感じられないものだった。

また、話の軸の一つとなっている血筋にまつわる葛藤と軋轢についても、人物と舞台設定が整った時点で想像できる範疇のもので、特に意外性はなかった。

3時間ほどの作品を飽きずに最後まで見せきるだけの熱量と力をもった「凄い映画」ではあるのだが、個人的には傑作には一歩及ばない良作に留まってしまったというのが正直な印象。

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