「原作とは違う。でも満足度はかなり高い」国宝 ルミオさんの映画レビュー(感想・評価)
原作とは違う。でも満足度はかなり高い
評判通り、劇場で観て本当に良かった。上下巻の原作、歌舞伎役者の50年の歴史を3時間におさめると、省略される部分は仕方ないと思う。
それでも、昭和の西日本の、重くて濃密すぎる家族の雰囲気が、リアルに伝わってきた。
柄物いっぱいの洋服も、一昔前のクローゼットが再現されているようで楽しい。
芸だけを求め、最後はたった1人、別の世界に立っている喜久雄の空気を、美しいと思うことが不思議だった。
吉沢亮の、孤独であること自体にも興味がなさそうな、虚無の表情は良かった。
冷んやりキリッとした清潔感と、角がない柔らかさが同居している存在が、国宝なんだなと感じる。
小説を読むのとは別の、映像で体験するいろいろな感情が十分に味わえて、本当に良い作品だと思った。
私たちの世代が生きている中で、1番有名な日本映画になるような気がする。
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