「先が読めない3時間の興奮」国宝 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
先が読めない3時間の興奮
主人公の背中の刺青と歌舞伎の血族ではない身分が波乱を起こす事は予想できたが、全く先の読めない結果になる展開は面白かった。
推しの見上愛がきれいな舞妓役で出てきた時は感動ものだった。8年後に娘と共に出てきた時は、このまま幸せな生活を送ることを願ったがそれは叶わぬ夢だった。娘の呼びかけにも全く無視したとき嫌な予感がしたが、案の定彼は2人を見捨てたのだった。映画的にはいろいろな面でよくできた作品と思うが、彼のこのような生き方には全く共感できなかったので高評価にはできなかった。
紆余曲折があって、晩年、彼は人間国宝となるが(神社で悪魔にお願いしたことの成就)、その時に現れた女性カメラマンが見上愛の娘だった。このサプライズは個人的にはこの映画のいちばんのハイライト。彼は見上愛の事は忘れていなかった。娘も彼が神社でお願いしたのが神様ではなく悪魔だったことを覚えていた。しかも人間国宝に登り詰めるまでに周りの人に色々と迷惑かけたことを知っていた。彼を父とは思っていないと言いつつも、舞台で彼の芸を見ると拍手を送りたくなるというくだりは涙ものだった。
ジョニーデブさま、初めまして。
長文レビューを読んでいただき、共感ありがとうございます🙂
喜久雄と藤駒(見上愛)&綾乃(瀧内公美)母娘のエピソードは、この映画の中では印象的に描かれていたので、レビューのタイトルに「悪魔と取引」の台詞を借りました。
「悪魔と取引」という言葉を喜久雄から直接聞いたのも、襲名披露のハレの日に喜久雄から冷たく捨てられる描写も、喜久雄と関わった女性では藤駒と綾乃だけでした。
人間国宝となった喜久雄が、カメラマンの綾乃と34年振りに再会する場面は、映画化するに際してカットされた原作の後半を背負う大切なシーンでした。
しかも瀧内公美さんはシークレット・キャストだったので、プレッシャーは相当だっただろうと思います。
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