「なぜ松竹が歌舞伎役者の人間ドラマをテーマにした映画を製作配給しなかったのか?」国宝 月光仮面さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ松竹が歌舞伎役者の人間ドラマをテーマにした映画を製作配給しなかったのか?
前置ですが、歌舞伎と言えば松竹。この作品は、東宝が製作配給した映画です。なぜ松竹は、こういう作品を製作配給しなかったのでしょうか?実在の歌舞伎役者さんたちに配慮したのかしら?(人間国宝の五代目坂東玉三郎さんなど)
実際の歌舞伎を観たことのない人たちが、この作品を観て「歌舞伎って観たことなかったけど、本物の歌舞伎を観てみよう」と思う人が少なからず出てくるかもしれません。そうなれば歌舞伎ファンの裾野も広がるわけだし、松竹としても歌舞伎の興行成績が今以上にアップする可能性があると思うけど。同じ吉沢亮さんの「バババン~バンパイア」を製作配給するのもなんだかな……
横浜流星、吉沢亮の歌舞伎の演技が凄かった。よくあそこまで演じたものだと思う。実際に血のにじむような練習をしただろう。役者根性に頭が下がりました。圧巻は曽根崎心中のシーン。鑑賞していて胸が熱くなりました。感動というか言葉に表すことができませんね。
歌舞伎役者の血を受け継ぐという宿命的なテーマもありましたが、この作品で出演している役者さんの中で、実際に血を受け継いでいるのは寺島しのぶさん(父が七代目尾上菊五郎さん)と中村鴈治郎さん(父が人間国宝の四代目坂田藤十郎さん)だと思いますが、2人がどのような思いで作品に携わったのか知りたくなりました。
また田中泯さんの女方の仕草には、目からウロコでした😲。
上映時間は3時間ありますが、長さは全く苦になりませんでした。
歌舞伎はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。映画「国宝」を鑑賞されて歌舞伎に興味もたれた方は、是非とも人生一度は歌舞伎を観て頂きたいです。(私は、昔いたザ・グレート・カブキというプロレスラーは何度も見ましたが…😅)
共感ありがとうございました。
松竹ではなく別の映画会社が撮った―というところも第三者の観客に観やすくなった要因なのかも知れませんね。
娯楽映画としては大成功だったと思いますねー
こんにちは、共感をありがとうございます。
松竹が製作配給だと、喜久雄、俊介などの主要人物を、歌舞伎役者に演じさせたんじゃないでしょうか。歌舞伎の芸を見せるというより、人間ドラマがメインの作品だったと思うので、これで良かったと思っています。
月光仮面さま
『国宝』と、以前『教皇選挙』『侍タイムスリッパー』にも共感いただいていました。とても丁寧なコメント返信も、ありがとうございました🫡
松竹が『国宝』の映画化を断った理由は、作品で反社との関わりが描かれていること、実際の歌舞伎役者のお家騒動やスキャンダルなどが生々しいこと、配役の難しさなどが報道されていました。
東宝×吉田修一×李相日監督の過去の実績で決定したと言われていますが、東宝×アニプレックスの製作委員会は、現在の日本では最強のタッグだと思いました。
NHK-Eテレ「スイッチインタビュー」で、中村鴈治郎さんと吉沢亮さんの対談が、6月に30分番組が2回放送されました。NHKプラスの無料配信は終わりましたが、NHKオンデマンドに入られているなら、是非オススメの番組です。
YouTubeの東宝MOVIEチャンネルでも、初日舞台挨拶40分と、公開前にローカル枠で放送された公開記念特番30分が、公開されています。
月光仮面さま、初めまして🙂
『国宝』の映画化発表から公開、映画の大ヒット受けて、松竹の広報は様々なコメントを出しています。
配給をお断りしたこと、他社の映画企画についてコメントする立場にないこと、映画の大ヒットは喜ばしいこと、作品の主題である歌舞伎に注目と関心が集まっていること…。
実際の映画制作では、松竹は衣装と美術で協力しています。(映画のエンディングロールとパンフレットにクレジットあり)
冒頭の殺陣には東映の、歌舞伎の演目などには松竹の俳優さん達が、エキストラとして撮影に参加もしています。
歌舞伎俳優さんも何人も、Xで『国宝』の感想を投稿されて高い評価をしています。
寺島しのぶさんは映画の完成披露会見で、中村鴈治郎さんもNHKの対談番組で、それぞれの想いを語られています。
何故本物の歌舞伎役者を使わなかったのか、その理由は李相日監督の「歌舞伎を見せる以上に”歌舞伎役者の生き様”を撮りたかった」、という言葉が答えだと思います。
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