「歌舞伎版明日のジョー、ゴッドファーザーもしくは」国宝 ヒロキさんの映画レビュー(感想・評価)
歌舞伎版明日のジョー、ゴッドファーザーもしくは
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素晴らしい大力作で、絢爛豪華。誰かの投稿にもあったが、確かに2時間×2の前後編にしたら、もっと分かり易く観客に納得感のある作品になったかもしれないが、3時間弱全く飽きさせず、歌舞伎役者の数奇な一代記を一気に完結させたのは大変立派だと思う。おそらく来年初めの映画賞も数多く受賞するであろう大作と思います。また、何よりもロングランヒットし、多くの方が映画館を訪れるだろうことは何よりも喜ばしい限りです。ただ、この作品に勝手に100点満点で点数をつけるなら89点です。80点でキネ旬ベストテンに入るかも、85点でベストテン確実、90点でトップかも、95点で自分がトップと考える作品と勝手に考えています。
足りないとしたら、何となく、本作は明日のジョーのような感じしたからかも。キクオがジョーで、トシオが力石(根性のない力石ですが)、二代半二郎が段平(端正なおじさんですが)の感じがしてしょうがなかったからかも。挫折するとドサ回りに落ちるところも何となく。幼い娘に芸のために悪魔に魂を売ったと語るが、その内面には深くは入らない。勿論それでも良いが、もっとあそこから、もう一段恐ろしい芸の闇を描いても良かったのでは。原作未読のため、ないものねだりかもしれません。最後のインタビューで順風満帆と問われ笑ったが。
でもゴッドファーザー的な家族の愛憎劇でもあり、タイガー&ドラゴンの様に歌舞伎演目と話の内容が、かなりシンクロしつつ、でも下品にはならず、堂々たる大河作品に良くまとめたと思います。
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