「芸の悪魔と契約したものにだけ、芸の神様が見せる景色」国宝 くまくまさんの映画レビュー(感想・評価)
芸の悪魔と契約したものにだけ、芸の神様が見せる景色
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歌舞伎という芸にかける喜久雄(吉沢亮)の情熱が凄まじい。
世襲という歌舞伎の世界で、血を渇望する喜久雄と、逆に血に縛られる俊介(横浜流星)の、どうしようもない宿敵であると同時にお互いにしかわからない芸の辛さや少年期から共に励んできたという友情が痛々しく、苦しい。
二人とも底辺まで落ちても、芸でしか生きて行けず、芸を極めることしか考えていない。
曽根崎心中で自分の身が危ないと分かりながらも、歌舞伎役者としても、これで終わることを知って演じ切る半也の壮絶な演技。
悪魔との契約通り、家族も恋人も全てを失っても、捨てた娘にさえ「お父ちゃんの舞台を見ているとお正月みたいな、何か良いことがありそうな気持ちになる。日本一の役者だ」と言わしめる半次郎の圧巻の鷺娘。吉沢亮が、終始恐ろしいほどに美しく、目線、手先、一挙手一投足が艶かしく、「国宝」としての貫禄と神がかった雰囲気を全身で発して踊る鷺娘に感動して泣いてしまった。
吉沢亮、横浜流星はもちろん、少年時代の喜久雄(黒川想矢)、万菊(田中泯)、竹野(三浦貴大)も、とても良かったです。
原作も是非読もうと思う。
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ひなさんのコメント
2025年6月29日
くまくまさま
『国宝』『M:Iファイナル』『教皇選挙』に共感をありがとうございます🙂
お名前に記憶があったのですが、『ファーストキス』でコメントもいただいてました😙
追記追記でどんどん長くなってしまうレビューを、いつも読んでいただいてうれしいです🤭
『国宝』の原作は、Wカバーの文庫上下巻を購入しておいて、映画を観てから読み始めました🫡
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