「これやでって言う映画」国宝 こんさんの映画レビュー(感想・評価)
これやでって言う映画
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ものづくりも、コンプライアンスに左右される時代。それは大事ではあるが、ものづくりと両立しない局面もある。ものづくりは狂気の世界。それがめちゃくちゃよく描かれていて驚いた。李相日ってそんな絵撮ってたっけ。いや、好きでだいたい観るけど、こんな狂気を描いてたかな。フラガールではそんな側面もあったけど、まだ穏当だった。今回は突き抜けてた。吉沢亮がそれに応えて突き抜けていた。それがもう心地良い。うわーっ行ってもうたって感じ。特に、場末のヘルスセンターみたいなところで客とトラブって殴られた後、屋上で踊ってるところ。あれは美しかった。一緒に駆け落ちした女性はもうつきあい切れんって感じでいなくなった。そこで一層輝いた。あのシーン以降、映画は本当に素晴らしくなる。アカデミー賞をとってほしい。創る人、すべてに捧げられている映画だと思った。ただ、一点、は?と思ったのが、吉沢亮の隠し子がカメラマンになって登場するシーン。「あんたのためにどれだけの人が犠牲になってるん??」と問うシーン。お母さんは自ら進んで吉沢亮に賭けたんやで。そのこと、聞いてるやろ? 自分が犠牲になったと思ってるんやったら、そう言えば良い。他の人を巻き込まなくてもいい。自分もわりと同じように、頭のおかしい人を支える立場で創って来たが、犠牲になったとは思っていない。そんな風に思われたくもない。支える立場は立場で創ってるねん。そこは誤解せんといてほしい。李相日はわかってるやろ? 誰がわかってなかったんかな。でも、いい映画。素晴らしい。
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