「拍子木の音」国宝 ニモさんの映画レビュー(感想・評価)
拍子木の音
クリックして本文を読む
血脈の苦しみと天涯孤独の苦しみ。
狭い歌舞伎界の中でふたつの星が才能をぶつけ合って戦い、そして心を寄せ合う。
今をときめく吉沢亮と横浜流星の演技が圧巻。
これだけの女形を演じる為にどれほどの努力を重ねたのだろうか。
これでもかとふたりに苦難が降り注ぎ翻弄される。当方としては横浜流星の宿命がより辛く感じた。
見どころは娘道明寺などの舞台本番シーン。
舞台上で通い合う目線、衣ずれの音、舞台上から見た客席。幕前の表情や本番前の通路を早足で歩くシーンなど舞台裏を覗いている気分も味わえる。
映画としてはやや長尺か。
冒頭の抗争シーンは迫力満点で、古き日本映画を思い起こさせられた。
ふたりが大人になってからは表情のアップのシーンが多く、少し表現の繊細さが欲しいかと思った。
観劇はその場の臨場感や役者の迫力を間近に感じそれは良いものだが、日本の歌舞伎はその中でも独特の光を放つ。見ている間は歌舞伎の格調高い日本文化をとても誇らしく思った。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。