「恐ろしいほどの凄みがあり、奥深く、美しい映画」国宝 k kさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしいほどの凄みがあり、奥深く、美しい映画
歌舞伎の世界とは縁遠い生活の私。
子供の時に狂言の教室に参加したり、お正月にNHKの番組で見るくらい。
でも、初めにでてくる舞台が連獅子だったので
これ、見たことある!と物語にスッと入ることができました。
目は口ほどにものを言う。
の言葉、思いだしました。
セリフにのせずに役者の目に語らせる。
父親が殺される瞬間を見つめる喜久雄の眼差し。
喜久雄を迎えた時の俊介の目つき、万菊さんの刺すような視線、神社で悪魔と取り引きして芸以外は全てを捨てると語る父親に幼い娘は何を思ったのか。
寺島しのぶさんは気持ちを表に出す役回りでしたが、昭和のこの時代の日本人、口数が少なめ。
だから、目で語るんですね。
女形演じる喜久雄の目の表情は千変万化。
妖艶、色艶、凄みを感じました。
吉沢亮くん、凄い、凄い!
横浜流星くんと2人、歌舞伎の所作を稽古したんですね。
しゃがみながら滑らかに歩く姿。
見事でした!
歌舞伎では代々受け継がれてきた型があり、それを完璧に表現する為の厳しい稽古。
華やかな歌舞伎の舞台、それを支える人達のなんと多いこと。
大掛かりな舞台装置、衣装、音楽、多くの黒子さん達に支えられて主役が引き立つのですね。
浴びる光が強いほど濃い影ができる。
華やかな表舞台の裏でドロドロの人間模様が繰り広げられる。
喜久雄、なかなかに嫌な奴に仕上がっていた。道を極めるには何かを捨て去らなければならないのか。
人としての矜持さえ。
緩く生きている私にはあちらの世界には入れないな。
しんどそうだな。
最後、映画館の階段を降りながら改めて吉沢亮くん凄いと思いました。
演技が上手いと思っていたが、凄まじい演技力を感じました。
予告で見たバンパイアの映画も見に行きたくなりました。
kkさん、コメントありがとうございました🙂
>本番舞台の前に俊介に化粧をしてもらいながら恐れ震える表情、上手いでは足りない、何か凄かったです。
撮影の時に、喜久雄は本当に震えていて、紅筆を持つ手が硬くなっていたそうです🧐
このシーンの他にも、予告編やTVスポットでネタバレのように軽く切り取られて登場する場面や台詞が、映画館で本編を観ると想像できなかった重みで伝わってきました🫢
この映画、どこまで凄いんだろう、といつまでも余韻が醒めません🫡
kkさま
共感ありがとうございます🙂
寺島しのぶさんが、李相日監督の喜久雄と俊介の撮影を、「えげつない(笑)」と暴露していました🫢
吉沢亮さんが、「流星の“負けたくない”という思いに、“負けられない”と思って頑張れた」と振り返っていました😗
瀧内公美さんの、予想のナナメ上を行く「悪魔の取引」の伏線回収に、泣いてしまいました🥲
共感いただいた後で、今日レビューに追記したので、こちらのコメント欄でもお伝えします🫡
【6/20追記】
「屋上」のシーンで、喜久雄の舞いとつぶやく台詞が、吉沢亮さんのアドリブだと知りました。もう一度映画館に行って、喜久雄が芸に生きたように吉沢亮が役を生きていることを、目に焼き付けてきました。
映画館で驚いたのは、2週間前の初日には予想できなかった若い年齢層と、「歌舞伎」というワードからは想像できない観客層でした。映画が大ヒットすると、良い意味で作品が一人歩きすることを、映画館で再確認してきました。
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