「映像美は圧巻。プロットはやや雑」国宝 ペーニャさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美は圧巻。プロットはやや雑
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映像がとにかく繊細で素晴らしい。
撮影がアデルブルーは熱い色のソフィアン・エル・ファニというのを見て納得。
歌舞伎という扱い辛い伝統芸能を題材によくぞここまでの映画を作り上げたなと感心した。
問題のプロットだが、話の焦点が芸事への執念なのか、キクオとシュンスケとの因縁や友情の物語なのかがやや散漫になった印象。
少し欲張り過ぎて色々な要素を詰め込み過ぎた印象はある。
シュンスケの足の件や師匠半次郎の死もやけにアッサリと消化してしまったなと感じた。
また、キクオとシュンスケが過去の軋轢を超えて、再び舞台で共演するに至るまでの流れがバッサリカットされているので、1番見たかった美味しいシーンが見れなかった印象。
あとは主人公キクオの何を犠牲にしても芸事にかける執念のような部分もあまり強くは描かれておらず、娘を蔑ろにするシーンもパレードのシーンだけなので、最後の娘の言葉もあまり効いてない感がある。
もう少し色んな要素を交通整理してまとめてシナリオを練り直したら更に良くなったと思う。
「国宝」というタイトルも話の真芯に合っているかと言われたら合っていない気もする。最後に人間国宝になりましたという展開があるだけで、あくまでも記号。キーワードとして出てくるだけなので、
「国宝」という題にするならば、国宝というものが何なのか、映画としてもう一段深く掘り下げて見せて欲しかった。
それこそ歌舞伎なだけに話の筋にビシッと一本筋を通して欲しかった。
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