「吉沢亮と横浜流星はどれだけ練習したのだろうか?」国宝 ライブラさんの映画レビュー(感想・評価)
吉沢亮と横浜流星はどれだけ練習したのだろうか?
主演の吉沢亮と横浜流星、どんだけ練習したんだろう?凄ご過ぎる。圧巻。多分、多くの人が歌舞伎を観た人はそんなに多くないと思うけど、素人でも良い悪いは判ると思う。
私の姉は5歳からピアノを始めて毎日練習をして音大に進んだが、姉は色々言っているが、姉のピアノを一度も上手いと思った事はない。
ピアノに詳しくなくてもプロで活躍している人のピアノは上手いと思うし、上手い下手は素人でも判ると思う。
歌舞伎役者から見たら彼等の演技はどう写るのたろうか。聞きたいくらいだ。
主人公の喜久雄は子供の頃に歌舞伎役者半二郎から認められる程の天才。
それは交通事故で代役を実子の俊介より喜久雄を任命する位に。
以前に歌舞伎役者が学生の時の良かった事は?「将来が決まっている事」悪かった事は?「将来が決まっている事」と書いたと聞いた事がある。歌舞伎では家業を継ぐのが当然。世襲の世界。
映画で心に残った台詞は俊介が稽古中、「貴方、芝居が好きじゃないでしょう」と言う台詞。自分の生まれだけで歌舞伎の道を歩ませられた俊介。本当はそんな考えがあったかもしれない。「嫌いでも演じ続けなければならない」と言う台詞にも考えさせられてしまった。
代役に抜擢された喜久雄は俊介に血が欲しいと言う。自分に足りない家系という血が。
しかし、喜久雄の演技の素晴らしさに逃げ出してしまう俊介。それを追う喜久雄のガールフレンド春江。やはり喜久雄は天才なのだ。
世界一の演者になれる様に悪魔と契約する喜久雄。全てを犠牲にしても。
半二郎の死で3代目を就任していた喜久雄は何年も帰って来なかった俊介の帰還と共に後ろ盾を無くして転落する。
歌舞伎役者の重鎮の娘と放浪をするが、人間国宝の万菊の呼びかけで、また歌舞伎の舞台に復帰する事が出来る。
観ていて、何故、人間国宝の人の前で踊って復帰に繋がるかよく解らなかった。口添えがあって後ろ盾が出来たって事だろうか?この人間国宝の万菊は初対面の時からも喜久雄の才能を見抜いていた。その位、喜久雄は才能がある。
舞台に復帰して俊介と二人で歌舞伎を盛り上げるが、俊介が糖尿病で足を切る事になる。
片足になった俊介は「曽根崎心中」で喜久雄との共演を申し出る。ここの俊介の流星は凄い。舞台で倒れても演技を続ける。涙の中で演技を続ける喜久雄と俊介。
数年が経ち俊介が亡くなった事が判り、喜久雄が人間国宝に選ばれる。その取材の中、カメラマンをしている女性が芸妓の間で出来た娘だと判る。娘は悪魔の契約の通りになった事と喜久雄の舞台を観る度に正月が来た様な別の所へ連れて行ってくれる楽しさを感じていたとも。
舞台で踊る喜久雄は降る紙吹雪を見て「綺麗やわ」と呟く。
ともかく映像が綺麗。
何度も言うが吉沢亮と横浜流星の演技が素晴らしい。
3時間を感じさせない。
今年の日本アカデミー賞の多くを獲ると思う。
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