劇場公開日 2025年6月6日

「圧倒的熱量〜「歌舞伎の映画」であり「映画が歌舞伎」だった」国宝 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的熱量〜「歌舞伎の映画」であり「映画が歌舞伎」だった

2025年6月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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斬新

2025年公開、配給・東宝。

【監督】:李相日
【脚本】:奥寺佐渡子
【原作】:吉田修一〜『国宝』

主な配役
【立花喜久雄(花井東一郎)】:吉沢亮
【大垣俊介(花井半弥)】:横浜流星
【花井半二郎】:渡辺謙
【大垣幸子】:寺島しのぶ
【福田春江】:高畑充希
【彰子】:森七菜
【藤駒】:見上愛
【小野川万菊】:田中泯
【立花権五郎】:永瀬正敏
【綾乃】:瀧内公美

1.圧倒的な熱量と緻密な脚本

『フラガール』、『悪人(原作:吉田修一)』などで高い評価を受けた李相日監督。

歌舞伎へのリスペクト。
人間という生き物への愛、侮蔑、赦し。

それらを圧倒的な熱量で描ききった。

また、構成、セリフなどに冗長さや贅肉がなく、
175分という3時間に及ぶ上映時間中、
たえず緊迫感と緊張感を維持させられる。

ラスト近く、
人間国宝となった喜久雄(吉沢亮)のインタビューシーン。
ようやく「緩和の時間」かと思ったら、綾乃(瀧内公美)が登場する。そんな具合に、ひとときも観客を休ませないのだ。

歌舞伎という伝統芸能を舞台に、

◆若い役者たちの能力を限界まで引き出し、
◆分かりにくい歌舞伎の舞台を簡明かつ荘厳に描出し、
◆人間とは何か、を観る側に問い掛ける、

そんな作品を製作してみせた。

2.素晴らしいキャスティングと裏切らない演技

吉沢亮と横浜流星は、
以前から良い俳優だと思っていたが、
本作で、その潜在能力の一部がさらに解き放なたれた。

また、脇を固めた俳優たち、特に
寺島しのぶ、田中泯、さすがの存在感だった。

冒頭、
任侠ものと見紛う立ち回りがあるが、
この場面すら、「舞台」のような仕立てになっており、
永瀬正敏が大見得を切る。

歌舞伎の映画であり、
映画が歌舞伎だった。

3.まとめ

荘厳、重厚、熱量、、、
暑苦しい単語が並んでしまうが、
実際にそんな映画だった。

ソファに寝転がって観る作品ではない。
歌舞伎という芸能を舞台にしながらも、

「娯楽」の対極にある映画。
もう一度、通しで観られるか、自信はない。
☆4.0

Haihai
トミーさんのコメント
2025年6月12日

共感ありがとうございます。
アイドル目当てで観てると真っ白なんで拍子抜けかもしれませんが、台詞廻しで更にびっくりでしょうね。

トミー
映画LOVEさんのコメント
2025年6月12日

こんにちは^ ^
本当にその通りでした_| ̄|○
全てにおいて、エンドロールまでしっかり観るべきですね‼︎

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