「国宝級の評価を受けるべき映画」国宝 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
国宝級の評価を受けるべき映画
全てに圧巻の日本映画です。李相日監督はもはや巨匠の域に達したと言える程である。
日本はこのような作品で米アカデミー賞やカンヌのパルムドールを獲るようにすべきだと思う。
歌舞伎については全く無知識なので、歌舞伎on the webで調べると重要無形文化財各個指定(人間国宝)の歌舞伎俳優は物故者含め過去28人(重複も含め)いた。女方では5人しか到達していない。生きている間が指定されてるので現在、女方では坂東玉三郎のみ1人である。人間国宝はとにかく凄いのだと思う、。又多くの歌舞伎俳優が現代劇の映画やテレビで素晴らしい演技をされている。なので、歌舞伎は伝統文化を継承しながら日本のエンターテイメントをも下支えしていると言える。
映画は吉沢亮と横浜流星の歌舞伎俳優になりきった舞台での演技がとにかく素晴らしい。映画館の大画面でさまざまな演目を観れたが歌舞伎をちゃんと観たことがない私からすれば本物としか思えなかった。特に2人がそれぞれお初を演じた「曽根崎心中」ラストに吉沢亮が演じた「鷺娘」には目を奪われた。稽古は1年程度だったそうだが、役者としての魂を感じます。昨年は吉沢亮は「ぼくが生きてる、ふたつの世界」横浜流星は「正体」で高い評価を得たが、この「国宝」はその評価を超えるものと思います。
又少年時代を演じた黒川想矢と越山敬達はそれぞれ近年の重要作品である「怪物」「ぼくのお日さま」で主演し評価を受けたがこの大作で更に注目を集めたので5-10年先には今をときめく映画俳優になってるであろう。更に田中泯、渡辺謙、永瀬正敏、寺島しのぶら重鎮の演技が映画を重厚なものにしたし、高畑充希、森七菜、見上愛の存在も欠かせなかった。
そして、瀧内公美がカメラマン役で数分だけ国宝となった吉沢亮と言葉を交わしたが、悪魔との取引を知る唯一の存在の言葉は、この壮大な物語の本質を示していたのかもしれない。
もう一回、いや何度も観たい。と思える素晴らしい作品でした。
ひなさま。コメントありがとうございます。レビュー内容を褒めて頂くことはないのでとても嬉しいです。
瀧内公美さんはシークレットだったんですね。だからパンフレットにも紹介がないのですね。
でも僅かの時間の出演で、しかも横顔だけで観客にインパクトを与えられる。凄い女優さんですね。
アベちゃんさま、初めまして
共感と、背景を綿密に網羅した渾身のレビューを、ありがとうございました🙂
>瀧内公美がカメラマン役で数分だけ国宝となった吉沢亮と言葉を交わしたが、悪魔との取引を知る唯一の存在の言葉は、この壮大な物語の本質を示していたのかもしれない。
同感です。悪魔との取引の台詞は、ずっと心に刺さって残っていたので、迷わずレビュータイトルに使いました🫢
瀧内公美さんは、映画化するに際してカットされた長い原作の後半を背負う、大事なワンシーンのシークレット・キャストだったので、かなりのプレッシャーだっただろうと思いました🤔
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。