「15歳から国宝になるまでの波乱万丈の人生に凱歌あり!」国宝 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
15歳から国宝になるまでの波乱万丈の人生に凱歌あり!
極道の息子として生まれた喜久雄(吉沢亮)、歌舞伎役者の息子として生まれた俊介(横浜流星)の見事な演技のハーモニーに酔いしれました。15歳から吉沢が国宝に登り詰めるまで(横浜は途中で糖尿病で亡くなる)を描いた波乱万丈の人生は、実に見応えがありました(この世に生きる全ての人は、波乱万丈の人生であるはずですが?)。二人は厳しい修行の人生を歩んでいますが、二人は実に楽しみながら芸を磨いている姿にリスペクトしかありません。歌舞伎は17世紀の江戸時代に誕生。その中でも歌舞伎の舞台で女性が演ずることは風紀を乱すということで、男性が女形を演じました(1629年に女性の出演が禁止されています)。この成立の不思議さに当時を調べてみたくなりました笑。個人的には歌舞伎にはほとんど興味がなかったのですが、この映画を通して、大衆芸術の奥深さを感じることができたので感謝です!(まだ初級です笑)。素人の私でも「見得を切る」という歌舞伎役者の重要な演技の面白さはよくわかる気がします。観客を魅了するクライマックスシーンだと理解していますが、映画で言えばラストシーンのようなもので、歌舞伎の新骨頂なのかもしれません(随所でその演技が見られますので、もう痺れまくりです笑)。二人が稽古中に天を仰いで「誰かに見られている」というシーンがありましたが、おそらくそれは芸の神様に見られているということを示唆しているのかもしれません!?
追記 この作品を通して、歌舞伎の世界のみならず、私たちの人生は誰一人平凡な人はいないのだと確信しました。一人一人が山坂を乗り越えて前を向いて歩んでいるに違いないし、そんな姿が本当の幸せなのだと思わせてくれる傑作でした!
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