「気の遠くなるような紆余曲折を」国宝 野菜のおじさんさんの映画レビュー(感想・評価)
気の遠くなるような紆余曲折を
「順風満帆」の一言で世間がまとめてしまえるようになるほどの時間を経て、追い求めた目標だけが達成される物語。
「国宝」というタイトルはそうやって他の全てを失い続けてたどり着いた場所の名だと思う。
純化された強い意志をもって突き進むスタイルは当作品そのもののあり方と同じで、近年あまり見なくなった(それが悪いとは思わない)演者と制作側の強烈な熱量というものを感じられる傑作。
※気になった点
〇吉沢くんと横浜くん、メイン2人のビジュをもう少しはっきり差別化してほしかった……。一瞬「これどっちや?」となる場面があまりにも多かった。
〇身も蓋もないけどドラマ尺で見たかった。一つ一つのイベントについてこちらが引きずったまま話が進んでしまうし、通しで見せられると「この辺でまたトラブル起こるやろなあ」とパターン読みしてしまう場面が出てくる。
〇一つ一つの演目に意味を持たせるなら、演目を実際に字幕で出してしまうんなら(カットの中で自然にポスターや看板を見せることは可能だったはず)その概要も書いてしまった方が良かった気がする。
当方歌舞伎についてほとんど無知なので申し訳ない。
〇「いい演技」の説得力は正直ない。ぶっちゃけ「これちゃんと詳しい人が見たらめっちゃ不評なんじゃ?」という不安が常に付きまとう。
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uzさんのコメント
2025年6月12日
青年期以降も髪型が似てましたが、少年期は更に性格も似たりよったりで勿体なかったです。
脇の描き方も薄かったので、相乗効果によるメイン2人の厚みも出なかった印象。
それでも、仰られてるような「強烈な熱量」は十分に感じさせられましたので、余計惜しいな、と。
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