「吉沢亮・・・天性の歌舞伎の女形」国宝 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
吉沢亮・・・天性の歌舞伎の女形
藤娘の扮装をした吉沢亮のあまりの美しさと日本舞踊の上手さ。
16歳時には仮面ライダーだったのに、その変身(ヘンシーン)が、
歌舞伎の役者で、しかも大成功の変身でした。
吉沢亮の、
女形の声音の美しさ、張りは10年鍛錬した本物の歌舞伎の女形を
軽々と超えて見えます。
(恥ずかしながら、銀座の歌舞伎座にはたつたの一回行きました。
(滞在は6時間ですから、全くの素人ですが、
(たまにテレビの中継を見るる程度です)
でもですが、吉沢亮さんの、なりきり振り、その上手さは素人目に
完璧に見えます。
3時間の上映時間もまったく緩みがなくて、あれよあよの瞬く間。
喜久雄(15歳は黒川想矢)が、藤娘を新年会の余興で踊るのを
見ていたのが、歌舞伎の大御所・花井半二郎(渡辺謙)。
半二郎は一目で喜久雄の日舞に圧倒されるのですが、
ヤクザが押し入ってきて、父親(任侠の親分=永瀬正敏)は、
その場で殺されてしまうのです。
そして一年後。
半二郎に引き取られて実子の御曹司の俊介(横浜流星)と、相弟子のように
半二郎の厳しい稽古を受ける事に。
めきめき力をつける喜久雄。
運悪く半二郎が交通事故で大怪我をします。
その代役に半二郎が指名したのは、なんと喜久雄だったのです。
そして30歳の時、3代目花井半二郎の襲名をしたのは、
実子の俊介ではなくて、喜久雄だったのです。
(ここに因縁の喜久雄と俊介の確執が生まれるのです)
★★一説には喜久雄のモデルは坂東玉三郎、ではないか?
とも言われていますが、もちろんフィクションで、原作者の
吉田修一さんが、
「歌舞伎役者で人間国宝」に上り詰める
血筋のない人物・・・というコンセプトのもとに
描かれた小説と推測します。
近年、片岡愛之助さんは実家が工場だと聞きますし、香川照之も
離婚して女優の母に育てられ40歳過ぎから実の父親の
超有名歌舞伎役者に弟子入り歌舞伎界に入られています。
中村獅童なども実の父親が歌舞伎役者を嫌い廃業したので、
正統的な世襲とは言えないかもしれません。
歌舞伎役者が、ミュージカルに出る、
アニメの声優をする、映画では異彩を放ち、
演劇(芝居)に出る・・・などなどクロスオーバーの活躍が目立ちます。
音羽屋(尾上菊五郎など)の娘である寺島しのぶは、
半次郎の妻を演じていますが、
近年、女性ですが、歌舞伎座に出演しています。
新しい波は確実に押し寄せていますね。
父親・半二郎の代役を立派に務め上げる喜久雄の凄さに、
ショックを受けた俊介は、そのまま舞台の座席から去り、
姿を隠してしまいます。後を追う喜久雄の恋人の春江の姿が。
しかし父・半二郎の死後、俊介も歌舞伎の世界に戻ってくるのです。
横浜流星も良いです。
ちょっと驚くようなショッキングな見せ場があり、歌舞伎役者に
適正の薄いようでやる気のない俊介も、晩年で
凄い執着心を見せてくれます。
横浜流星もさすがの花形役者!!
「曽根崎心中」のお初は鬼気迫る圧巻の演技でした。
ファンを楽しませてくれます。
芸を極める、
(私生活を犠牲にしても、
(悪魔に魂を売っても、
などの台詞が出てきますが、
花井半次郎は、凡人には見ることのできない景色を見る
稀有の天才、
努力の人でした。
一芸を極めた人は、やはり感動的で
ラストは込み上げるものがありました。
共感ありがとうございます。
「吉沢亮の、女形の声音の美しさ、張り」
そうでした。所作だけでなく、声も張りがあって艶やかさがありました。曽根崎心中を演じる場面を観て、驚きました。
琥珀糖さま
共感ありがとうございます🙂
劇中に登場する歌舞伎の演目は、パンフレットを買わなくても公式サイトで紹介されています🤔
試写会で観てから公式サイトで演目をチェックして、初日にもう一度観に行きました🧐
公開前には「何故本物の歌舞伎役者を使わないのか」、という声もありました😗
映画を観た後なら「何故吉沢亮と横浜流星だったのか」、説明は要らないと思います😙
映画の撮影にエキストラ参加しました。歌舞伎のミリ単位の型を、数センチずつ角度を変えたりしながらテイクを繰り返し、数秒・数分のシーンを1日かけて撮影していました🥲
琥珀糖さん
共感、コメント、ありがとうございました。
子役時代に枝を持って2人が舞うのは「藤娘」であっています。
田中民さん扮する万菊が演じていたのが「鷺娘」となります。
仰る通り、後半の流星さんは危機迫る迫力ががありました。
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