盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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123分という制約の中で原作を破綻なく描ききり、映像ならではの何かをプラスする難しさ🎬
「孤狼の血」で知られる作家・柚月裕子の同名小説を、坂口健太郎と渡辺謙の初共演で実写映画化したヒューマンミステリー。過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇をドラマチックに描いた作品。
ドラマチックな予告編から、これは必ず観る映画リストの1番目に据えたものの、ちらっと覗く皆さまの評価が思わしくない😅
え〜そうなの🤫どうしようかな🫣と思っていましたが、本日初心を信じて鑑賞。
そして率直な感想は、
「うん、観ておいてよかった」です。
またまた恒例の原作未読、他公開作品(2019年NHKBSプレミアムドラマ化)は全く知りません😅
そして類推するに、原作はもっと重く面白かったんだろうな🤫という想像は容易にできました。
昨年、日本アカデミー賞最多受賞を獲得した横浜流星主演、映画「正体」がこの構造に少し似ていると感じました。重めテーマの名作小説の映画化。ラストが原作とは違い希望がありました。また鏑木(横浜流星)を追う刑事・又貫(山田孝之)の物語を加えたことで短い時間の中できちんとテーマが浮き彫りにされました。
今作は、それに比べて…といいたいのではなくて、みなさんがおっしゃるように「砂の器」を思わせるような重厚な名作というのは、造り手の解釈を携えて何度でも新しい姿で呼び出されるということ。その営み自体が映画の面白さだと私は思うのです。「原作をリスペクトしつつ、世界観を壊さないように気を遣いつつ、2時間という短い時間に全てを再構成することの難しさ、そして映像ならではの何かをプラスしてみせる難しさ」
きっとそこが映像化の肝であり、面白さでもあると思うのです。
そういう意味では、本作は存分に挑戦していたと思います。全てがうまくいったかといえば、疑問も残りますが、重苦しいテーマの中でもラストに「生」を選んだ主人公には希望がもてました。自死家系という業(ごう)と向き合うには、2時間という時間は少しショートでしたかね😅賭け将棋という裏社会があることもこの映画で初めて知りました。
元から何の情報もない私には、それなりに見応えある良作映画でした。特に、父親役の音尾琢真さんの演技は秀逸でしたね。クソ親父の中にみせるひと握りの優しさと愛、微妙な役どころを見事に演じていて、助演男優賞🏆をあげたい👏渡辺謙さん、柄本明さんの対決シーンは想像通りのそれ。坂口健太郎さんの子役さんのお上手なこと👏坂口さんのハードボイルドもかっこいいんですね😎確かに盤上の絵面はもう少し見たかったし、象徴だった向日葵の説明も足りなかったかもしれません🤫
しかしながら、映画という器に合わせた取捨選択を考えるとこの再構築も理解できる範囲ではあります。
将棋好きなあなたへ、
“人生を深く考える映画”を好む人へ、おすすめできる一本です🎬
ぜひ映画館でご覧ください♪
毒親すぎる
新聞配達の少年がかわいそうすぎて辛い 毒親に大人になっても依存されるのが辛すぎる そんな親なのに泣かれ縋られ、それでも離れられない なんともやるせない 殺意抱くのは仕方ないと思う えっ?(☉。☉)!と思ったシーンはベランダの手すりに立った時、普通止めるよね?
余裕でパチパチ駒の音?思い詰めてたら聞こえないと思う そこは力ずくで止めるとこだよねー 渡辺謙さん渋くて好き ちょっと悪い役
タバコ吸うシーン 煙に目を細めて ゾクゾクする〜カッコいい(. ❛ ᴗ ❛.)
ロクでもない人達と関わる
全編を通してイヤな人達との関わりが描かれるのでずっと陰鬱な空気が流れてモヤモヤする。
終わり方もその先が知りたいんだけどってところで終わる。
重いし暗いし救いどころも・・・と、視聴後感はあまり良くないがそういう狙い通りに作られているので良い。
推理物と思って観てしまうと、合わない人も多いと思うが自分は好き。
あと、渡辺謙さんの演技はさすがだなぁと思った。
人生はどこまで「成る」ことが許されるのか
本作は将棋をモチーフにしたミステリーでありながら、実際には「人生の可動域」を描いた作品だ。将棋の駒のようにそれぞれの人間には「決まった動き方」があり、思ったように進めない局面もある。だが、どこで、誰によって、どう配置されるか。その「盤」の方が人生を規定してしまうという冷徹な世界観が本作を貫いている。
そして、この作品の核心は「裏返す」という行為にある。成る、昇格する、一発逆転する。その一手は、必ず“代償”を伴う。東明、上条、幼い頃に駒のように扱われた者たちが、誰のために、何のために「成ろう」としたのか。映画はこの問いを静かに置いていく。
しかし本作の最大の弱点は心理描写の掘り下げ不足だ。特に、余命わずかな東明が「なぜ自ら殺される道を選んだのか」という重要な感情線が曖昧なまま終わる。
結果、「彼は救われたのか?」「それとも投げ出したのか?」の判断が難しいままエンディングを迎える。
さらに、説明的すぎる回想シーンのインサートは演出として後ろ向きで、テーマの余韻を効果的に減じてしまう。ここは明らかに監督の力量が試される部分であり、彼の“観客を信じきれない姿勢”が露呈してしまっている。
そして、おそらく多くの方がこの映画で「向日葵=希望」「母親の愛情」といった読存在だと感じると思う。確かにそう見えるし、そう読める。
ただ、私にはこの映画の向日葵はもっと残酷な意味を持つように感じた。
向日葵は太陽に向かう。だが、将棋の世界には「太陽」は存在しない。
光の方向がわからない世界で、ただ“向かされる”花であるという意味合い。
つまり向日葵は、
「主体的に生きることを許されない者の象徴」
と感じてしまった。
東明も上条も、光ではなく、光“らしきもの”に向かうしかなかった人生。
その象徴としての向日葵が、物語全体に冷たい反照を与えている気がしてならない。
本作はひまわりが向く光ではなく、影のかたちを描く。
ミステリー映画としての完成度は十分とは言い難い。
人物の内面への踏み込み不足、説明に頼る演出は明確な弱点だ。
だが、映画が投げかける「人生という盤の上でどこまで“成る”ことが許されるのか」という問いは鋭い。
ラストの曖昧ささえ、
“詰みの瞬間は、当事者にさえ分からない”
という将棋的な真理に回収されていく。
作品の完成度に揺らぎはあるが、
人生の不自由さと、そこに残るわずかな「成る」可能性を描いた希少な映画である。
結末はみんなで想像してね(想像つくと思うけど)的終わり方。
時間が空いて、その間に見れる作品で気になるものをチョイス、でこれを。
生い立ちと稀なる才能とすごい学力、周りに翻弄されるなかでケイスケ、翻弄すると東明と育ての父親。それが錯綜していく。
一番つらかったのは育ての父親ではなかっただろうか。血縁ないけど不器用な接し方しかできないが、いなくなるのはつらいことを真正面からできない。
でもやっぱり駒を入れるべきではなかったと思うな。そこを言ってしまうとこの作品が根底から崩れてしまうが。。。
運命を塗り替えた約束
原作未読。
既読だったならきっと評価は下がるだろうけれど(これは原作のある作品すべてに言える)個人的には楽しめました。
昭和感を出すためか、やや大袈裟な演技や演出は気になったものの、それ以上に主演と脇を固める俳優陣の演技が素晴らしかったです。
ラストシーン。
幻の向日葵に惹き込まれた彼がそのまま消えてしまうのかと思ったけれど、ポケットから取り出した血の付いた歩がそれを思い留まらせてくれたのがとてもよかった。
己の生まれ持った血の運命よりも、辛い過去を生きてきた先で出会った血と交わした約束が、この先の彼の運命を決めたというのがなんとも言えず泣けました。
原作もぜひ読みたいと思います。
桑田節が沁みます。
どなたか指摘されているように構成が映画「砂の器」に似ていますね。
でも別物としても十分見ることができます。
上条(坂口健太郎)は特別弱みを握られていたわけでもないので父親から逃げる必要もなければ、まして殺しを頼む必要もなかったのではと思われてなりません。そこは「砂の器」より弱い部分でしょう。
境遇の似た東明と出会わなければこんな結果にはならなっかたでしょうし、プロ棋士にもなっていなかったかも知れません。不幸は連鎖する。そこから脱するのは人間にとって難しいことなのでしょうか。そう感じずにはいられませんでした。
桑田節が沁みます。
生ききれ、最後まで
『Miss King』を観終わったので、将棋つながりで観ることにした、坂口健太郎主演の映画ですが、完全に渡辺謙の映画でした。
佐々木蔵之介、音尾琢真、柄本明、渡辺いっけいといった、芸達者がそろって出演しているとこともあり、映画としてはとても面白く見ることができました。また、上条桂介(小野桜介→坂口健太郎)が将棋の道に進めるように献身的な支援をした、唐沢光一朗役の小日向文世には泣かされました。この人、やはりいいですね。
ただ、東北一の真剣師兼崎元治(柄本明)が今にも死にそうで「ゴホゴホ」咳をしているのに、その対局中にスパスパたばこを吸うのは、いただけないです。また、東明重慶(渡辺謙)には最後まで勝てなかったのがなんか変とか、上条庸一(音尾琢真)が言うのがどうもうさんくさいとか、いろいろ疑問が残りました。
ところで、刑事役の佐々木蔵之介は、いい声していますね。サザンの主題歌とともに、耳に残りました。
役者さんたちの演技力のすごさが物語をカバーしている作品
予告で見てなんとなく気になったので見てみたら思っていたのと違って、
予告のイメージで殺人犯とか逃亡犯的なものの作品なのかなと思ってたらちょっと違ってて、いろいろとある意味ぶっとんでいて
ぶっちゃけ物語自体は「なんじゃこりゃ?」って感じでした(笑)
なんで将棋にそこまで取り憑かれて最終的に将棋やって殺して山に埋めるとかよくわかりませんでした。ま、とりあえずは将棋というものに魅せられた2人の人生の物語といったところでしょうかね。
渡辺謙がクズすぎてイライラしますし
とりあえず音尾君演じるクズクソ親父をぶっ殺してくれて良かったと思います。
出てくるたびにムカつくことしかしないので早く殺されればいいのにとイライラしながら見てました笑
ま、それだけ音尾君の演技がすごいってことですがね!渡辺謙や柄本明の演技もとんでもなくやばいです、あの山形での勝負!
とにかくこの作品は役者さんたちの演技力がものすごいのでそれがあのヘンテコなストーリーを硬派な作品かのように見せることができているのかなと思います。
しかしサブスクで見るくらいでちょうどいいくらいの作品かと思います。
感動もへったくれもない作品です。
が、役者さんの演技がとにかくすごいんでそれはマジでオススメです!
あと特撮ファン以外はどうでもいいですが土屋太鳳ちゃんのお父さん役でジライヤが出てきます(笑)
今はもう消滅した将棋真剣師の世界をたっぷりと見せてくれて感激だが、将棋ファンとしては不満も
熊澤尚人 監督による2025年製作(123分/G)の日本映画。配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、松竹、劇場公開日:2025年10月31日。
柚月裕子による原作は未読も、将棋、特に真剣師の世界を映画にしてくれたのは将棋ファンとしては大感激。実在の真剣師・小池重明をモデルにしたと思われる東明重慶(渡辺謙)が何といってもやはり魅力的。金にだらしなく酒浸りで破滅的でありながら物凄く将棋に強いキャラクターは、今は存在しないだけに、良い映像になっていたと思えた。
女性と駆け落ちとかもあり存在自体が破天荒で、一方将棋はトッププロに勝利するほど強いという小池重明の実録物を映画にしたらとても面白いのではと、改めて思った。
アマチュアから奨励会を経ず将棋のトッププロになろうという上条桂介を演じた坂口健太郎も、知性に恵まれた様に見える爽やかなイケメン振りで、かなり好印象。こんな良い俳優だったんだと。あと、主人公の少年時代に将棋を教え込んだ元校長先生役の小日向文世、子供を大切にする優しい教育者としての彼の演技が実に素晴らしくて、涙ものであった。
ただ、プロの飯島栄治八段及び上村亘五段が将棋監修を担当し、盤上の局面もしっかりと構築していたはずなのに、それを観客に殆ど見せなかったのには、ガッカリ。どうせ見せても観客は分からないだろうという熊澤尚人監督の思い込みが、あらわに見えた気がした。藤井聡太のタイトル戦ともなると、盤面の映った映像を、400万人以上が同時視聴しているのを知らないのだろうか?
この将棋の局面を殆ど見せないことで、渡辺謙 vs 榎本明の大物真剣師同士の死闘が顔芸だけになってたのはとても残念。局面を見せてギャラリー等に解説させる等、別のやり方も考えて欲しかった。あと、主人公の元婚約者(土屋太鳳)のキャラが通り一遍でつまらないと思ってしまったが、柚月原作にはない登場人物らしく、なるほど熊澤脚本の弱さと思ってしまった。
映画を見た後、真剣師・小池重明の指した棋譜をAIも用いて解説しているYutube動画があったので見てみた。最初の方は全く強さを見せずむしろ少し弱そうに見えるのだが、それが後半に豹変し僅差で勝利をもぎ取る。真剣師たるもの、勝てそうと思わせて何度も戦ってもらわないといけない訳で、なるほどと思わされた。風貌もとても優しそうだし。ということで、映画における渡辺謙のいかにも強そうな設定は、リアル路線からは外れていそうではあった。ただ、お前も俺も結局同じ将棋に取り憑かれた人間だ!と言っていたのは、みじかにそういう人間が実際いたので、実感として凄く分かる部分はあった。
監督熊澤尚人、原作柚月裕子、脚本熊澤尚人、製作代表髙𣘺敏弘 門屋大輔 野村英章 堤天心 舛田淳 佐々木利正 坂本裕寿 安部順一 奥村景二 井田寛、エグゼクティブプロデューサー吉田繁暁、企画新垣弘隆 矢島孝、プロデュース矢島孝、プロデューサー石田聡子、アソシエイトプロデューサー佐原沙知、撮影江原祥二、照明杉本崇、録音田中博信、美術西村貴志、装飾
湯澤幸夫、衣装宮本まさ江、ヘアメイク持丸あかね、ヘアメイク(坂口健太郎担当)、廣瀬瑠美、VFXスーパーバイザー村上優悦、VFXプロデューサー赤羽智史、音響効果柴崎憲治、
編集熊澤尚人 杉本博史、音楽富貴晴美、主題歌サザンオールスターズ、音楽プロデューサー
高石真美、助監督石川勝己、スクリプター松村陽子、制作担当堀岡健太 村上俊輔
プロデューサー補安藤央、プロダクションマネージャー小松次郎、ラインプロデューサー
山田彰久
出演
上条桂介坂口健太郎、石破剛志佐々木蔵之介、奈津子土屋太鳳、佐野直也高杉真宙、上条庸一音尾琢真、上条桂介(幼少期)小野桜介、ジエン・マンシュー高川裕也、永岡佑、片岡礼子、橋本淳、吉澤健、吉見一豊、平埜生成、兼埼元治柄本明、角舘銀次郎渡辺いっけい、
壬生芳樹尾上右近、唐沢美子木村多江、唐沢光一朗小日向文世、東明重慶渡辺謙。
将棋のルールを知らなくとも、ついて行ける
盤上の形勢は、ふたりの表情で分かりやすくなってる。実際の棋士たちはこんなに顔に出ないだろうから、これは映画用の演出だろうか。
渡辺謙は何をやっても品が出てしまうのか。最悪な迷惑野郎とわたしは思うのだが…でも憎めない。この人なりの芯はあるんだよな。
しかし愛弟子(?)に、少なくとも自殺幇助と死体遺棄罪負わせてますから。自分は好きに生きて、病気で死ぬより前に自分のタイミングで看取られて逝けて良かったけど。
最後は、対戦前に逮捕されて良かったのか。
勝ってから逮捕されて引退じゃあ、対戦相手の立場が無いもの。
主人公は魅力的なキャラで、役者はピッタリ。逮捕されても、辛くても、生きてゆく人だと最後のシーンで分かった。
美少年小野桜介くん堪能
2025年映画館鑑賞110作品目
11月17日(月)イオンシネマ新利府
ハッピーマンデー1100円
原作は『孤狼の血』『朽ちないサクラ』の柚月裕子
監督と脚本は『君に届け』『ユリゴコロ』『ごっこ』『おもいで写眞』『隣人X 疑惑の彼女』の熊澤尚人
粗筋
上条桂介少年は幼い頃に母の春子を亡くしギャンブル中毒の父庸一から虐待を受けていた
新聞配達のバイトをしていた桂介は将棋が好きでゴミとして置かれていた将棋の本をこっそり読んでいた
元校長で将棋好きの唐沢光一朗は桂介を気に入り将棋仲間になった
桂介が父から虐待を受けていることを知り光一朗は援助するからと奨励会に入ることを薦める
光一朗同伴で桂介は父に許しを乞うが猛反対される
泣き出す父を見捨てることができず奨励会を諦める桂介
東大生になった桂介はバイトで予備校の講師
バイトが忙しく部に所属していなかったが名門将棋部の猛者を破る腕前になっていた
将棋喫茶で伝説の賭け将棋指しの東明重慶と出会い親しくなる
大学卒業後外資系に就職したがすぐに退職
たびたび庸一がカネをせびるのだ
長野に引っ越し宮田農園で働き始める桂介は農園の娘の奈津子と婚約するなかに
しかし突然桂介は農園を辞め奈津子とは婚約を破棄し東京に戻りプロ棋士になった
桂介の本当の父親は庸一ではなく春子の兄だと庸一本人から聞かされる
春子も春子の兄も自殺していた
春子の一族は自殺で亡くなることが多い家系だった
そんな矢先に東明重慶の死体が発見される
さらに上条庸一の死体も発見される
警察は死体遺棄殺人教唆の容疑で上条桂介を逮捕することに
過去に何度も書いたが将棋は全くわからない
それでも役者とBGMの雰囲気で十分楽しめる
娯楽映画として十分に及第点は間違いない
アウトローの東明の最期は迫力がある
あの表情は世界の渡辺謙
気仙沼で若干高めな飲食店を経営しているちょっと剽軽なおじさんと同一人物である
桂介の少年時代を演じた小野桜介くんが素晴らしい
ショタコンではないが中性的な彼の魅力に一目惚れ
彼こそ令和の光源氏最有力候補
桂介少年と銭湯に入る光一朗
桂介の背中には複数の痣
驚く光一朗
涙を流しながら桂介の背中を洗ってあげる光一朗に貰い泣きしそうになった
ジーンときた
大人では小日向文世の芝居が1番良かった
片岡礼子はオッパイを出さなくなって久しい
オッパイを出すのが当たり前だった頃は気づかなかったが彼女は耳は明らかに大きい
春子役は台湾人
エンドロールでジエン・マンシューという名前に本来の意味で失笑
自分が無知だったのかもしれないがいくら外国人とはいえこんな面白い名前の美女が埋もれていたとは
配役
奨励会を経ずにプロになった天才棋士の上条桂介に坂口健太郎
幼少期に小野桜介
「プロは遊び」「賭け将棋こそ真剣勝負」と豪語する伝説の賭け将棋指しの東明重慶に渡辺謙
佐野と共に事件を追う刑事の石破剛志に佐々木蔵之介
奨励会に入っていたが26歳までにプロになれず退会し夢を諦め警察官になり今は石破と共に事件を追う刑事の佐野直也に高杉真宙
桂介の元婚約者で実家の宮田農園で両親を手伝う宮田奈津子に土屋太鳳
ギャンブルにハマり息子に度々カネをせびる桂介の父の上条庸一に音尾琢真
自殺した桂介の母の上条春子にジエン・マンシュー
東明と対局する東北一の真剣師の兼埼元治に柄本明
病気の父に付き添う元治の娘に片岡礼子
山形の愛棋家で旅館経営者の角舘銀次郎に渡辺いっけい
竜昇戦で桂介が対局する予定の天才プロ棋士の壬生芳樹に尾上右近
芳樹の幼少期に井上涼太
光一朗の妻の唐沢美子に木村多江
元校長で桂介の恩師の唐沢光一朗に小日向文世
桂介の新人戦の決勝戦の相手に橋本淳
バーの店主に吉澤健
賭け将棋の対戦相手のマムシの米内に吉見一豊
奈津子の父に筒井巧
奈津子の母に宮田早苗
桂介が働いていた予備校の校長に春海四方
予備校の女子生徒に火ノ口紗彩
テレビのインタビュアーに登坂淳一
将棋喫茶の対戦相手にテイ龍進
将棋喫茶の対戦相手に五頭岳夫
将棋喫茶の対戦相手に針原滋
将棋喫茶のサラリーマンに渡部遼介
桂介の賭け将棋の対戦相手の須藤に吉家章人
菊水月の所有者の娘に早織
プロ棋士におむすび
プロ棋士に吉村賢人
プロ棋士に鳥居功太郎
雀荘の店主に藤夏子
桂介親子を知るオバサンに田根楽子
新聞配達店の店主に清水伸
大学の将棋部の顧問に大西武志
大学の将棋部部員に八代崇司
新人戦の対戦相手にニクまろ
新人戦の対戦相手に金野美穂
新人戦の対戦相手に村松和輝
旅館の対戦相手に長岩健人
旅館の見物客に西郷豊
捜査員に原田大輔
捜査員に友岡靖雄
対戦相手に花ヶ前浩一
対戦相手に佐野啓
見物人に水野直
アナウンサーに宮瀬茉祐子
捜査一課の課長に高川裕也
刑事に永岡佑
刑事に平埜生成
似てる
砂の器に似てます。
刑事が特急電車で地方に向かった辺りで既に感じていましたが、捜査状況と主人公の過去が交互に流れ始めて、砂の器を見たことあるかどうかで見方が変わるなと思いました。
砂の器を見たことない人であれば割と楽しめる気がします。
ただ、主人公の出生の秘密、向日葵、将棋がバラバラに存在していて、それなら、いっそ実は渡辺謙が父親だったくらいの方が良かったように感じました。
ただ、銭湯で小日向さんが泣きながら背中を洗ってくれたシーン、父親に奨励会に入りたいと言ったら「お前も置いていくのか」と縋られたシーンは3人ともかなり良かったです。
坂口健太郎さんの演技を拝見するのはヘルドッグス以来でしたが、父親が死んだあとの泣きの演技が良かったです。
宿命
山中で見つかった白骨死体には、この世に7組しか存在しない貴重な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は将棋界に突如彗星のごとく現れた天才棋士・上条桂介のものと判明。捜査が進む中で上条の隠された過去が明らかになっていくという物語であり、彼の悲劇的な運命を軸に、人間の業や才能の残酷さを描いた話でもある。
この作品を貫くのは、「お前には将棋しかない」というフレーズだ。それは単なる台詞ではなく、桂介の人生そのものを表す呪いであり、また唯一の光でもあったと感じた。
絶望的な境遇と「将棋」という才能。自身の過去を容易に語れるような人生でないことは、物語を追うことで次第に分かってくる。
桂介の境遇はあまりにも過酷だ。近親相姦という出生の秘密、酒に溺れネグレクトと暴力を繰り返す義父。
さらには彼はその才能ゆえに重慶から利用され、将棋の試合のたびに連れ出され、あげくの果てには大切な将棋の駒を売られてしまうなど、将棋がなければ受けなかったであろう苦難をも引き寄せてしまう。才能を持つ人間ゆえの苦痛を描いていて見応えがある。
桂介の人生を形作った「3人の父親」という視点で見ることによって、桂介の人間像に新しいページを加えて解釈することもできる。
桂介の複雑な人格は、彼が出会った3人の象徴的な「父親」との関係によって形成されている。
1.上条庸一(血の繋がりのない父) 粗暴で虐待を繰り返す「父」だが、パインアメや忘年会の景品の将棋駒といった「ほんの一滴の愛情」も確かに存在した。彼にとってもまた、歪んだ形であれ「桂介しかいなかった」のかもしれない。
2.唐沢光一郎(将棋の師) 桂介を「まるで息子のように」扱い、将棋の技術と楽しさ、そして「道」を教えた、桂介にとっての光とも言える存在。
3.東明重慶(影であり、反面の師) 「鬼殺し」の異名を持つ天才的な技術を持ちながら、正規の道から逸れ、裏社会で生きる男。彼は桂介の才能を利用し、賭け将棋の旅に連れ回す悪魔(メフィストフェレス)的な側面を持つ。しかし、自らの死を悟ると、桂介につきっきりで「鬼殺し」の技を遺そうとする。それは、彼なりの「贖罪」だったのだろう。
本作において、将棋は単なるゲームではない。それは「生ききる術」でもあるし、「命のやりとり」であり「賭博」そのものだ。
康一に自らの出生の過去を明らかにされ、全てに絶望し、彼はマンションから身を投げようとした。その瞬間、彼を引き戻したのもまた「将棋の駒の音」だった。彼の人生は、良くも悪くも将棋から逃れることはできないことを示唆しているように感じる。
そして、将棋の駒に「表と裏」があるように、登場人物たちも強烈な二面性を持っている。
・庸一: 粗暴な「表」と、わずかな愛情の「裏」。
・重慶: 桂介を利用する「表」と、技を遺す「表と裏」の対比が、物語に深い奥行きを与えている。
桂介が自殺しようとするシーンでは、重慶は桂介の後ろ姿を見ても、「死ぬな」と安易に言葉をかけない。彼はただ、黙って「将棋の駒を指す音」を響かせる。
あの音で、桂介は我に返った。将棋はまさに彼の生き様そのものだ。数え切れないほどの人間と勝負してきたと思うし、重慶との賭け将棋の旅の病床から咳き込みながら死に物狂いで勝負に臨む男、命を懸けて一局に臨む「漢たち」の血と汗が、そこには詰まっている。
言葉ではなく、桂介の「生き様」そのものとなった「将棋」によって、重慶は桂介の命をつなぎとめたのだ。
「お前には将棋しかない」——。その言葉通り、桂介は将棋によって絶望の淵に立たされ、同時に将棋によって生かされ続ける。その逃れられない運命の軌跡を描き切った作品だった。
なかなかすごい過去
予告で気になって鑑賞しました!
山中で謎の白骨死体が発見される。
事件解明の手掛かりは、遺体とともに発見されたこの世に7組しか現存しない希少な将棋駒。
容疑をかけられたのは、突如将棋界に現れ、一躍時の人となっていた天才棋士〈上条桂介〉だった。
さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で裏社会に生きた男〈東明重慶〉の存在が浮かび上がる。
桂介と東明のあいだに何があったのか?
謎に包まれた桂介の生い立ちが明らかになっていく。それは、想像を絶する過酷なものだった……。
というのがあらすじ!
時代は1981〜1994年までのお話
上条の過去はなかなかすごかったですね
父親だと思ってたら違ったしほんとの父親は母親の実兄
しかも妊娠を知って自殺してるし…
血が繋がってないのにお金をせびりにくるしその理由も自分勝手でしたよね
あと音尾さんのクズ役がうますぎる!笑
ほんと憎たらしい!笑
そして重慶が農園に来てさらに物語が動き出します
よく会いに来たなと思います笑
そんなに将棋をしたかったのか自分には気持ち理解できませんが…笑
上条は最後まで重慶に勝てませんでしたね
「やるな」と言ったときにてっきり勝ってるかと思ってました
最後は向日葵畑が出てきて自殺しそうな雰囲気が出たけど重慶の言葉で踏みとどまってよかった…
そのあとはやっぱり捕まったんだよね?
竜昇戦でしたっけ?それが終わったあとに来てほしかったけど難しいですよね〜
対局シーンはどれも迫力があってすごかった!
それにみなさんの演技もよかった
将棋がわからない人も楽しめると思います!
面白い映画をありがとうございました😊
薄っぺらい松本清張作品‼️
身元不明の遺体、執拗に捜査を進める二人の刑事、捜査線上に浮かび上がる有名棋士‼️こう書くと松本清張の「砂の器」が思い出されます‼️ただイマイチ詰めが甘いですね‼️物語は4つの軸からなる‼️主人公の忌まわしい出生、主人公と酒浸りの父の関係、そんな父から主人公を導いてくれる恩人である元校長、そして主人公に多大な影響を与えるアマチュア棋士‼️それぞれがドラマティックに絡む展開かと思いきや、元校長は中盤以降全く物語に登場せず、とってつけたような近親相姦による出生、父を憎んでいるのか愛してるのか曖昧な主人公、アマチュア棋士との絆もイマイチ胸に響かない‼️主人公の郷愁の象徴であるひまわりもまったく印象に残らない‼️そしてラスト、主人公は逮捕される直前で幕となるわけですが、結局主人公の容疑は死体遺棄⁉️殺人⁉️刑事二人の考えは全く違ってたみたいだけど⁉️なんかスッキリしないラストですね‼️
刑事目線の謎解きは良い ○◎◎◎○
謎解きが良かった
色々な要素がありながら、ストーリーとしてはしっかりとまとまっていて良いし、スッキリ終わる
ただ全体的に暗い話が多く、明るい話が全く無いのが個人的には好きじゃない、これが好きな人は良いのだが
見やすさ○
ストーリー◎
キャラクター◎
没入感◎
個人的好み○
原作ファンだと物足りない。役者に助けられている映画のように感じました。
元々柚月裕子先生の作品ファンです。
こちらの原作も読了済み、ドラマは観ていないのですが映画になりましたので観てきました。
原作は文庫上下巻になるほどの量を、2時間に収めるにはどこをカットしてどこをクローズアップしているのか気になるところでしたが、原作未読の方にも流れが分かるようになっていたのは見事でした。
タイトルが「向日葵」ということで向日葵農園、原作にはない奈津子の存在は視覚や感覚に訴えるには確かに直接的で分かりやすいのですが、原作を読んでしまうとちょっと浅はかな気がしました。
自らの業を受け入れ、「生ききる」ことの意味を見いだしていく物語なので余計な配役は要らないと感じたのは私が原作ファンだからでしょうか。
タイトルの意味が分からない、回収できない、というご意見もあるようですが、原作のタイトルを視覚に訴えてしまう構成にしてしまったので、モヤモヤ感があるのは仕方がないような気がします。
とはいえ役者陣は見事としか言いようがなく、ただ佐野役の高杉真宙くんが現代っ子ぽくてちょっと浮いてましたがまあそれも愛嬌かな。
音尾さんのクズ親父っぷりが秀逸すぎて、まだ脳裏に焼きついてるほど。
坂口さんの子役をされた小野桜介さんの演技には震えました・・・
将棋部分は盤面が映るシーンは少なく顔芸対決になっておりましたので、「将棋」を目当てに観ると物足りないのではないかとも思いますが、あの顔芸対決だけでも一見の価値ありです。
(余談)
過去シーン街中の将棋クラブがあった地域、1980年代後半の設定ですよね、もっと垢抜けていたと思います。昭和の臭い満載過ぎでちょっと笑ってしまいましたw
暮れゆく街のふたり
将棋とミステリーがどう繋がるのかというところが気になり鑑賞。
荒削りなところはありつつも、しっかり将棋要素を疎かにせずストーリーに組み込んでおり、男たちの生き様をたくさん見せられる良い意味でヘビーな作品でした。
てっきり棋士としての現代パートで推理が進んでいくと思ったら、ガンガン過去に遡っていき、主人公・上条桂介の幼少期から青年期、そして大人と紡がれていく時間の中で将棋と事件が結びついていくという構成は中々面白かったと思います。
少年パートでは将棋にハマるきっかけをくれた近所のおじさんとの交流から奨励会へと進もうとするきっかけを作る道筋が描かれ、中々に重い話でありながら、嬉々として将棋を指す様子は年頃の男の子で良かったなと思いました。
青年パートでは苦労してアルバイトをしている中で、鬼殺しの異名を持つ東明と出会い、賭け将棋の世界での真剣を目の当たりにするという桂介の人生観を変えていくような話になっていたなと思いました。
大人になってから一度将棋に離れながらも、再び将棋の世界に戻ってきた桂介という邪道な快進撃はめっちゃ好みだったので、この大人パートで将棋の世界に舞い戻るスピンオフも見てみたいところです。
事件の原因でもある佳介のクズっぷりは中々なもので、幼少期から虐待をしており、借金まみれでダラダラしながら、大人になった桂介にもお金をせびりにいき、何度も何度も逃げようとするどうしようもないクズで、そのくせ不利になると泣きに逃げようとする様子は、側から見たらそんなもん知らんがなって感じですが、育てられた子からするとどこか情が湧いてしまうのかなとモヤモヤさせられました。
桂介の出生が中々に衝撃的なもので、そんな種明かしがあるのか!と驚かされ、邦画でこのテイストを使ってきた作品は見た事ないな〜と素直に感心してしまいました。
将棋をメインとして観にいくと指す様子が淡々としており、尚且つ決め手もはっきり見せられず、東明の奇襲戦法も観てる側からするとはて?となってしまうところも含めて微妙だったかなと思いました。
奨励会周りの設定もかなりおざなりでしたし、凄さが俳優陣の演技メインで、盤上での出来事は弱かったなと思いました。
役者陣の演技は超高水準で、特に画面に出てきた時の圧や迫力含め渡辺謙が圧巻すぎて、少々クズめいたキャラクターであるはずなのに、タバコを構え酒を飲む姿はいかついですし、だらけていても風格のある漢の中の漢のようで痺れました。
オチの余韻の残し方はかなり好みで、バッドエンドに突き進んではいってますが、覚悟を持って足を踏み出しているのでどこかスッキリしているなと思いました。
かなりクセはありますが嫌いではない作品でした。
にしても将棋をやる人の頭の回転力は異常だなと思いましたし、一回でいいから思考を読んでみたいです。
鑑賞日 11/11
鑑賞時間 14:20〜16:30
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