盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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「生ききれ」の前に息切れ
主題歌が昭和くさいと思ったら昭和の話でした。
冒頭、一手ごとに相手の顔をジロジロ見る桂介がイマイチ天才っぽくない。
白骨化してて「鋭利な刃物で刺殺」って分かるもん?
桂介が菊水月の持ち主っぽいとなってるのに、ここにきて何故か一向に確認に行かない。
白骨死体が同時期に見つかるのもご都合的。
父親の桂介に対する態度もコロコロ変わりすぎで理解不能。
東明さん、「埋めてくれ」はいいけど死ぬのは自分でやってくれませんかね。(穴掘る道具も用意して)
行間についても疑問符が浮かんだ。
奨励会入りを断ってまで父の元に残ったのに、いつの間にか絶縁して小日向さんを父と呼ぶ。
東大時代に将棋を避けていた理由も不明。
一緒に指してた時期にはうつらなかった耳を触る癖が、ブランク明けに出るのも謎。
手切れ金の一千万はどうやって工面したの?
というか、わざわざ出向いてまで渡す意味が分からんし、迷惑行為の段階で通報しよう。
芝居は全体的によかったが、やはり渡辺謙と柄本明が圧巻で、この2人を観る作品と言ってもいい。
真相に捻りはゼロだし、動機への共感もできず、あまり乗り切れなかったのが残念。
タイトルの意味もよく分からず。
ミステリ的でもなく、刑事が調べたこと以外の回想がほとんどなので、桂介視点の方がいいのでは。
“真剣師”についての説明もゼロで、自分からすればただのギャンブル狂。
令状出したけど物的証拠ゼロですよね。
最後の桂介のスーツはじめ、ちょこちょこ時代にそぐわないものが映るのも気になる。
絶対あの人がモデルの壬生は笑えた。
桂介のドラマとしては弱い
渡辺謙、顔面による将棋解説
途中までは何がどう凄い将棋になってるのか
将棋解説して欲しいなあ、、、
って思いながら見ていたわけです。
将棋にそこまで詳しくない者としては
「そこに置かれて、げげげっってなっている意味よくわからん、、、」
「これが野球とかバレーボールとかだと詳しい解説が入って、今の一手の価値がわかってぐっと盛り上がるんだろうなあ!」
とか、消化不良な感じで、、、
将棋の内容の解説は、潔いくらい一切ない。
むしろ、オセロやチェスに変わっていても気が付かなかったんじゃないかっつーくらい、ない!
ところが、途中からは
俳優さんたちの顔、仕草に釘付けになってました。
もう、完全に顔面による将棋解説よ!
こんな顔面だけ見ていて、将棋が伝わってくることってある???
そうだよね、将棋の映画じゃないんだよ、これ。
将棋の解説みせたいんじゃない。
人間の業をみせたい映画だもんね。
潔く、バッサリ将棋の解説は捨てたわけだ。
でも凄いね、役者さんって。
完全に顔面で将棋を解説なさってました。
人間の業を表現なさってました。
もう、本当に痺れる。
おしいのは、やっぱり「砂の器」とどうしてもオーバーラップしてしまうところ。
設定や背景は違うとして
作品の本質である骨格はとても近い。
デジャヴというか、あれ?
観たことある映画だぞ?と感じてしまった、、、
これ、同じこと感じた人は多かったのでは、、、
亀髙っていう地名がどこがでネタで出てくるんじゃないかと思ってしまいました。
今ひとつ
話は、スムーズに流れる。よくできてるとは思う。でも途中で正直飽きた。
★筋が先に大方見える
冒頭で主人公が犯人、何かしらしたのだろうと直ぐわかってしまう。登場人物は少ないし2人分の遺体も予想つく。ミステリー要素がなく、話しを次に次にと追う気持ちに乏しい。
★良い場面
彼の幼少期、近くの校長先生により救いがあったこと。愛を感じ感動する。
★悲しい場面
育ての父。そして酷い親でも親ということ。少年は無邪気に慕っていた。虐待されようとも、ネグレクトされようとも。大人になっても無心する父。それでも死んだとわかると良い場面だけを思い出して悲しむ息子。優しい主人公なのに、犯罪者になる悲しみ。
★設定で嫌いな点
なんか余計な話だなと思うのは、ホントは俺の子じゃない。。。はいいとして、、実は、母と母の兄の近親相姦の子という設定。そして自殺するイカれた血とか。。奇をてらう設定きらい。
でも、最後にわかるけど、はっきり殺意を持って主人公は誰かをひとりも殺していないんだよね。それは良かった。だって優しい主人公に人なんか殺せるわけないじゃん。それは筋は通っていた。
★最後のシーンが腑に落ちない。
東明は、主人公にプロになれって言うけど、自分を殺させたら主人公は犯罪者になるよな。東明が主人公に殺人の罪を背負わせる意味って、何なの?
東明は、仮を返すといって主人公の父を勝手に殺してあげた。(実際はっきり頼まれてないから依頼殺人じゃない)→そして病気で、いずれ死ぬから自殺した。それで良かったんじゃない?そしたら主人公は複雑な気持ちを背負いながらも、プロになり生きていける。
東明は、主人公の才能に惚れていたんでしょ。だからプロになれってわざわざ言いに来たし、指南もしたしね。じゃ、なぜ自分を殺させる?変よなあ〜。
うーむ
好きな俳優も多く、素敵な演技と思う。
でもなんだろう。
リアリティは求めちゃいけない時もあるけど
なかなかその点で乗れなかったかも。
もう少し昔の時代設定なら良かったかな。
血の話という点では
国宝と同じと感じた。
乗り越えなければならない。
手堅い演出
クリント・イーストウッドの演出を思わせる、無駄がなく、ケレンがなく、派手さがない、渋い、良い演出でした。原作小説はだいぶ前に読んでましたが、文庫で上下巻の長編を2時間少しにまとめたのも良かったです。最近は3時間前後の長い映画が多いですが、長ければいいってもんじゃなく、短くまとめられれば、それに越したことはないと思います。
原作の救いがないラストを変えた改変も良かったです。ただ、「砂の器」と同じような構造を持った作品ですが、重厚感はかなり劣ります。
良心的な作品で感動しました。重厚感が微妙かな
将棋盤と向日葵の関係性が薄く見える
.殺人事件と思われる遺体発見から、容疑者を絞り込み、最も可能性の高い人物の動機をみつけるため、過去を追ううちに、壮絶なその人生が明らかになる……って。
『砂の器』?????
みたいな疑念を抱きつつ見にいけば、果たしてその予想はあまり外れておらず。
「父(たち)との関係、犯人の生い立ちを描いた柚月裕子版『砂の器』」としては悪くない。
主人公はかわいそうだし、その才能は惜しいけれども、しかしそこまで主人公に思い入れられなかった。
一番感情移入できたのは、主人公の育ての親・唐沢を演じた、小日向さんだった。
それに、親と将棋どちらを選ぶの、という問いを考えたら、感情だけで動いた主人公の行動に無理がある。
両方を追って、結局両方を失いかけていて、「本当に頭がいいのかこいつ?」という疑念が。
上手く立ち回れば、事前に身の潔白を証明することはできたろうに(精神的には擬装に近いが)……という矛盾が生じたのと。
「実の母親を思い出す」キーワードとしての向日葵以外、タイトルの向日葵を指す使い方・描写がされず。
結局「盤上」って何?向日葵と将棋がリンクしないと、このタイトルにならなくない?
みたいな感じだったので、もやもやした。
原作未読なので、どう違いがあるか、どの程度同じかわからないが、ひょっとしたら、原作にあった要件を、ごっそり省いたり改変してたりするのかもしれない。
演技は悪くなかったから、確実に(脚本と言うか演出含めた)編集仕上がりで、映画として単独で観たときにやや欠陥が生じた印象でした。
物足りない・・・
坂口健太郎の魅力は、動きのある表情。写真のような動かない画中心のモデルから役者に転身して大正解だったと思います。
さて、映画ですが基本は良い話なんだと思います。が、全体的に作りが雑で、とてもヒューマンサスペンスとは言えないかな?キーとなる名人作の将棋駒の持ち主があまりにも安易に変わっていったり、「殺してくれ」に行きつくまでの葛藤等、もっと丁寧に描いてほしかった。タイトルになっている「向日葵」についてもにおわせ程度。また、ここでこの内容必要?と思う場面もあったのですが、どうやら原作と異なる内容もあったようで・・・(原作未読です)
坂口健太郎&渡辺謙も熱演していると思いますが、音尾(琢真)さんの演技が素晴らしい。最後の方で、桂介が父親との思い出を回想するシーンが出てくるのですが、音尾さんのあの演技でなければ、あんなに複雑で切ないシーンにはならないでしょう。
絶望
時代は私の生きてきた時代
まだ虐待も社会的に認知されていなかった時代
かけ事も裏社会もちょっとした境目で交わっていた時代
将棋というものを頼りに生きていく二人が交わって
また闇に落ちていく物語だが
その一番奥になる真実に触れたときの 絶望は
心をぎゅっと握りつぶされる感じがした。
知ったらもう誰も愛せない。未来が無くなる。
そこのあるのは将棋だけ・・・。
いま実名で父親からの性犯罪を訴えた方もいる。
この映画の根底もあり得ない話ではないと思うと
いたたまれない。
愚行録でも同じような気持ちになったが・・・。
ただ映画としては良くできた映画ではあった。
砂の器!?
主演二人の熱量に圧倒された
苛烈な人生を送ってきた青年と破滅型の勝負師の魂のぶつかりあい。彼らを生かすものはただ将棋のみ。善と悪を越えた彼らの真理を、主演二人の芝居の圧倒的な熱量で受け容れられた。
少年時代のエピソードは涙なくしては見られない。
原作を読んでからの鑑賞であったが、練られた脚本でいっきにラストまで見られた。
吹けば飛ぶような駒じゃなかった
血(血統)についての物語なんでしょう
最近やたらとこんな話しが、題材で出てくるのも(例の◯宝といい) 世の中が世知辛くなると、こんな話しが受けるというのもあるでしょうね!?
あちらはヤクザこちらは虐待親と、形は違えどサバイバーとしてその出自から逃れることは並大抵ではないことも当たり前
世の中は安定した景気後退局面なので、安易なサクセスストーリーは受け入れ難いのかもしれません
さてこの映画は、華があるわけでもなく手に汗握る興奮もありません(場面は将棋を打つそれだけ 笑)
ストーリーもそれにならってか、地味だしサスペンス色も薄い
謙さんの演った賭け将棋士がはまって、素晴らしいし、小日向さんの養父さんの優しさに涙した、 生きろって言葉は私の心にも染みわたったのは確かだと言える
風呂に入ること
映画の宣伝が良かったので10:55から観ました。いやぁ~良かった。テンポが良く、希少な将棋駒の過去を紐解く展開に、物語へ引き込まれる。ミステリーながら見応えのあるヒューマンドラマ。桂介と東明。対照的な二人だが、将棋を人生から切り離せない点で深く似ている。良かったのは、恵まれない家庭で育った桂介が、将棋を教えてくれる夫妻との出会いに徐々に心を開いていく姿。虐待する父親のふとした行為に優しさを見出す笑顔。その不憫さと純粋さには胸が締め付けられる。将棋を通じて前向きな人間へと変貌する様を演じた坂口健太郎。全身で壮絶な生き様を魅せる渡辺謙。幼少期を演じた子役を含め、俳優陣の演技が素晴らしい。将棋好きな方や父親は観るべき作品です。観て損をしない映画です。
将棋わからなくても十分楽しめる
将棋の大枠は分かるが細かいやりとりの良し悪しは分からないので、見てもつまんないだろうな、とは思っていたが、対局のシーンは多々あるものの実際に盤面上でのやりとりを映すものではないので、将棋を全くわからなくても問題はなかった。
こういう社会派サスペンスは好きなので、中盤までは充分前のめりで鑑賞していたのだが、近親相姦だと判明した瞬間から一気に現実離れしてしまって興醒め、それはないだろ。 それさえなかったらもっと高得点になったのに。
あと、佐々木蔵之介の演劇的な過剰なセリフ回しはちと気になった。
三人の父親と天才棋士の絆を描くサスペンス
今年は日本映画の当たり年と思うけど、この作品もなかなかです。埼玉の山中で発見された白骨死体が抱えていた希少な名人作の将棋の駒、アマからプロになった天才青年棋士を巡るサスペンスで、あっと言う間の2時間でした。主人公の壮絶な人生は息を呑むような展開で、思わず引き込まれます。毒親に虐待されながらも慕い続け、温厚な元校長夫妻からは実の子のような無償の愛情を注がれる少年時代のシーンは、松竹映画らしい人情味が感じられます。一転して、闇の将棋指しに惹かれ、アンダーグラウンドの世界に引き込まれそうになりながらも、踏みとどまるのは、優しい2番目の父親から譲られた将棋の駒と言うのもジーンとくるし、最後になぜ主人公が将棋を好きになったのか分かるエピソードには思わずもらい泣きしそうでした。役者では、坂口健太郎が温厚な表情から慟哭するまでの表情の変化がうまく、引き込まれます。渡辺謙は、アウトローの雰囲気が見事でした。しかし,何よりも毒父役の音尾琢真、あまりにもうま過ぎて殺意すら湧きました。この人、最低の男を演じたら右に出るもの無しです、
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