盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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吹けば飛ぶような駒じゃなかった
血(血統)についての物語なんでしょう
最近やたらとこんな話しが、題材で出てくるのも(例の◯宝といい) 世の中が世知辛くなると、こんな話しが受けるというのもあるでしょうね!?
あちらはヤクザこちらは虐待親と、形は違えどサバイバーとしてその出自から逃れることは並大抵ではないことも当たり前
世の中は安定した景気後退局面なので、安易なサクセスストーリーは受け入れ難いのかもしれません
さてこの映画は、華があるわけでもなく手に汗握る興奮もありません(場面は将棋を打つそれだけ 笑)
ストーリーもそれにならってか、地味だしサスペンス色も薄い
謙さんの演った賭け将棋士がはまって、素晴らしいし、小日向さんの養父さんの優しさに涙した、 生きろって言葉は私の心にも染みわたったのは確かだと言える
風呂に入ること
映画の宣伝が良かったので10:55から観ました。いやぁ~良かった。テンポが良く、希少な将棋駒の過去を紐解く展開に、物語へ引き込まれる。ミステリーながら見応えのあるヒューマンドラマ。桂介と東明。対照的な二人だが、将棋を人生から切り離せない点で深く似ている。良かったのは、恵まれない家庭で育った桂介が、将棋を教えてくれる夫妻との出会いに徐々に心を開いていく姿。虐待する父親のふとした行為に優しさを見出す笑顔。その不憫さと純粋さには胸が締め付けられる。将棋を通じて前向きな人間へと変貌する様を演じた坂口健太郎。全身で壮絶な生き様を魅せる渡辺謙。幼少期を演じた子役を含め、俳優陣の演技が素晴らしい。将棋好きな方や父親は観るべき作品です。観て損をしない映画です。
将棋わからなくても十分楽しめる
将棋の大枠は分かるが細かいやりとりの良し悪しは分からないので、見てもつまんないだろうな、とは思っていたが、対局のシーンは多々あるものの実際に盤面上でのやりとりを映すものではないので、将棋を全くわからなくても問題はなかった。
こういう社会派サスペンスは好きなので、中盤までは充分前のめりで鑑賞していたのだが、近親相姦だと判明した瞬間から一気に現実離れしてしまって興醒め、それはないだろ。 それさえなかったらもっと高得点になったのに。
あと、佐々木蔵之介の演劇的な過剰なセリフ回しはちと気になった。
三人の父親と天才棋士の絆を描くサスペンス
今年は日本映画の当たり年と思うけど、この作品もなかなかです。埼玉の山中で発見された白骨死体が抱えていた希少な名人作の将棋の駒、アマからプロになった天才青年棋士を巡るサスペンスで、あっと言う間の2時間でした。主人公の壮絶な人生は息を呑むような展開で、思わず引き込まれます。毒親に虐待されながらも慕い続け、温厚な元校長夫妻からは実の子のような無償の愛情を注がれる少年時代のシーンは、松竹映画らしい人情味が感じられます。一転して、闇の将棋指しに惹かれ、アンダーグラウンドの世界に引き込まれそうになりながらも、踏みとどまるのは、優しい2番目の父親から譲られた将棋の駒と言うのもジーンとくるし、最後になぜ主人公が将棋を好きになったのか分かるエピソードには思わずもらい泣きしそうでした。役者では、坂口健太郎が温厚な表情から慟哭するまでの表情の変化がうまく、引き込まれます。渡辺謙は、アウトローの雰囲気が見事でした。しかし,何よりも毒父役の音尾琢真、あまりにもうま過ぎて殺意すら湧きました。この人、最低の男を演じたら右に出るもの無しです、
なぜ向日葵?
最悪の原作ラストを超えられたか?
原作をラストは、それまでの読書時間が無駄に思えるほど最悪だった。運命に負けて自〇する主人公に共感できません。
この映画を見たかったのは、東武練馬の狭い飲み屋街がロケ地として一瞬映ることと、映画のラストを確認したかったから。
結果、映画の最後は原作と違う道を選んだので本当に良かった。
「砂の器」を目指してる?それならいっそのこと… いろいろもやもやしてすっきり感動できないのがもったいない。
まさに「砂の器」を思い起こさせる構成で、実際そう宣伝してる。
それならば、いっそのこと、クライマックスの竜昇戦の戦いをやって、その最中も刑事たちの最後の捜査を盛り上がるテーマ音楽を背景に交互に描いて、勝利後に、刑事たちが逮捕状を持って現れたほうが、きれいに感動できる!
これだけ盛り上げても、最後の戦いを描かないのは納得できない。
東明の最後に殺してほしいと頼んでおきながら、プロになれ、とはどういうこと?
殺人がばれずにプロになれ?ばれて犯罪者になって刑務所送りになっても「生きろ」ってどういうこと?
いろいろすっきりせず、感動できないのが実にもったいない。
佐々木蔵之介は大好きなんですが、「上条桂介に逮捕状を請求します!」の大見え、大芝居はあまりにも大げさで浮いてる。他の刑事の「上条桂介を死体遺棄の容疑者として特定する!」も大仰。
予告編の時から気になってて、そのせいで鑑賞をためらっていたほど。
さらに同じく予告編での渡辺謙の「生き切るんだ」も力みすぎ!と引いてましたが、そういう状況なら致し方ないと、こちらは観た後で納得しました。
構成、演出、ストーリー展開など全編、昭和の映画のような要素をうまく料理できていないような、何かいろいろすっきりしないのが残念でした。
天才を縛り付ける重すぎる鎖
友人から小説を勧められ、読んでから見たかったのだが、未読。将棋にまつわる事件ものくらいの前情報で鑑賞しましたが、とても良い映画でした。
将棋を指しているときの坂口健太郎の嬉しそうな瞳(決して大仰に笑ったりはしない)、将棋に生き死にをかける渡辺謙、死にそうなのに将棋が打ちたくてしょうがない榎本明、最低で最悪なのに虐待されている子供ですら見捨てられない音尾琢真、泣きながら佳介を風呂に入れる小日向文世、そして、子役の小野桜介くん。役者陣の演技が凄すぎて、テンポも良く没入しました。
小野くんの将棋を指しているときの真剣な目、父親からほんの少しでも気にかけてもらえたときの笑顔、全てが素晴らしく、今後注目したい子役さんです。
それにしても、自分もあのような状況になったら、同じことをするのでは…と思ってしまう。佳介を縛り付ける鎖が重すぎて苦しくなります。
この作品は小説の方が登場人物の心情を掘り下げて読め、より良い気がして、一刻も早く原作を読もうと思います。
期待していただけに残念
出演者全員がすばらしい!
■ 作品情報
作家・柚月裕子の同名小説の実写映画化作品。山中で発見された白骨死体と、それに添えられた希少な将棋の駒を巡るヒューマンミステリー。監督・脚本は熊澤尚人。主要キャストは坂口健太郎、渡辺謙、佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、音尾琢真、柄本明、渡辺いっけい、尾上右近、木村多江、小日向文世。
■ ストーリー
山中で希少な将棋の駒が添えられた白骨死体が発見される。埼玉県警のベテラン刑事である石破と、元奨励会員の新米刑事佐野は、この事件の真相を追うことになる。物語は、現在の殺人事件の捜査と、容疑者として浮上する天才棋士、上条桂介の壮絶な半生を交互に描き出す。上条は幼少期に将棋と出会い、その才能を開花させるが、親からの虐待という過酷な過去を背負っていた。彼は将棋界の光と影、そして賭け将棋の真剣師である東明重慶との運命的な出会いを経て、どのように歩んできたのかが徐々に明らかになる。二つの時間軸が交錯する中で、将棋という盤上で繰り広げられた人生の真実と、事件の全貌が浮かび上がっていく。
■ 感想
導入からテンポが良く、希少な将棋駒にまつわる男たちの過去を紐解いていく展開に、一気に物語の世界へ引き込まれます。全体としてはミステリーの構図でありながら、その中身は骨太で見応えのあるヒューマンドラマという印象です。将棋を生きる希望として掴んだ桂介と、将棋を凶器のように扱う東明。対照的な二人であるにもかかわらず、将棋を自身の人生から切り離して生きることができないという点で、どこか深く似通っていると感じます。
特に心に残ったのは、恵まれない家庭環境で育った桂介が、将棋を教えてくれる夫妻との出会いを機に徐々に心を開いていく姿、そして虐待する父親のふとした行為に優しさを見出す笑顔です。その不憫さと純粋さには胸が締め付けられます。
そんな幼少期を演じた子役を含め、演者たちは全員がすばらしい演技を披露しています。中でも、生きる希望を見出せずにいた桂介が、将棋を通じて徐々に前向きな人間へと変貌していく様を繊細に演じきった坂口健太郎さんと、登場時から全くブレることなく、全身で壮絶な生き様を魅せつける東明を演じた渡辺謙さんの演技は圧巻の一言です。
回想シーンが多く、時系列がかなり複雑に入れ替わる構成ではありますが、物語の核から置いていかれることはありません。少しずつ明らかになる過去が、桂介という人間をしだいに浮き彫りにしていくようで、最後まで興味をそそります。
ただ一点、残念に感じたのは、将棋の打ち筋が観客にわかりにくかった点です。素人でも理解できるような描写があれば、より作品への没入感が増したと思います。さらに言えば、登場人物の壮絶な生き様を将棋になぞらえ、盤上の駆け引きをもっと作品の重要な要素として活かしてほしかったです。
賛否分かれるとは思うけどオレ的には良作
諸事情により夕方以降での上映作品から何となく選んで観に行った。
原作は知る人はともかく、オレ含めて知らなかった人は予告から察する通り、ハッピーエンドではない。
ただ、捜査線から見えてくる事実と、本人しか知り得ない真実が、観客が望まない形で交わるストーリーはなるほどと思った。また、主人公のするべきではない選択も、自分がそうであったら絶対に避けらたとは言い切れない描写も納得できるかも、、、と思った。
何よりキャスト選択がオレ的にはとても良かった。坂口さん、渡辺さんはともかく、その他の方も様々な作品で自分の良さを磨き上げてきているだけに、それぞれの役回りから作品を仕上げていたし、日本の自然や生活費を織り交ぜてくる感じも好きだった。
映画の時間枠という制約、監督含む制作サイドの視点がある以上、原作者の理想通りにはならない部分あるとしても良くまとまっていたと思うし、感情入る部分もあったから良作だと思う。
でも、でもー!主人公最後に思い止まったのが変化だったとしても!これ、光あるはずの世界の破滅に繋がらないように済ませられたらと多くの人は思っただろうし、オレもそう思ったよ!( ; ; )
もう一度見たい。
11月2日に本作品を鑑賞致しました。
原作は拝読済みです。
本作品を鑑賞して、私の率直な感想はとても秀作な作品でした。
本作品を鑑賞しながら、ふと私の胸に浮かんだのは…私が小学生の頃に上映された(砂の器)の映画です。
理由は自分でも分かりませんが、そう感じたのです。
主人公の幼少期は、還暦世代には痛感される方も多いのではないでしょうか?
私の幼少期も似通っておりました。
脚本もすばらしく、映像のテンポも良く、各俳優の演技も素晴らしかったです。
生きることは理屈ではありません。
砂の器と盤上の向日葵が私の胸にリンクしたのは必然と思いました。
好みはありましょうが、皆さんの心に問いかける作品と思います。
ラストは原作とは…?
天才棋士の呪われた血
将棋を軸に山林で発見された謎めく
白骨遺体事件と天才棋士の壮絶で
哀しい人生が描かれたヒューマンドラマ。
赤い服を着た母親と黄色い向日葵。
母の幻影が感じ取れて見れるのだろう。
唯一の思い出と安らぐ空間。
でも明るい場所だがとてもせつない。
故郷の父、育ての父、将棋を託した父。
桂介の周りには良縁や悪縁が入り乱れ
愛情と愛憎がずっと続く。
三者三様の父だがこの重いミステリー
に重厚さを与えている3人だ。
死んでる目、輝きの目を演じる坂口健太郎さんは
は良かった。あの音尾さんと格闘シーンの涙。
あの演技は凄い。
東明役の渡辺謙さん。かなりのクズの真剣士。
でも桂介の人生に将棋を必ず引き込ませる
姿は男だ。
あのベランダから飛び降りの時、将棋の駒の
音で正気に戻させるのが渋い。
勝負の世界に足を突っ込んだ二人しか
感じない特殊な異空間だ。背中と顔に刻まれる
宿命と傷と絆。駒の響きと共に。
この二人、どんだけ将棋を愛してるのだろう
と笑った。謙さんに引っぱられ坂口さんの演技が
ワンランク上がった気がした。謙さんの背中を
ずっと追って欲しいと願う。
柄本明さんの勝負は短いシーンではあるが
見応えがあり、あのキーンと張りつめた
緊張感。さすがだ。
盤上に響き渡る1手1手の駒に自分の
運命を注ぐ姿は生き様そのもの。
対局相手に対してのリスペクトと尊厳
感謝を持っている。そういう世界。
呪われた血を受け止め、逃げずに盤上に
向かう姿は断ち切った感じ。
盤上に気持ちを練り込み、また違う向日葵を
咲かして欲しい。そこには赤い光が違った
体温と心で感じるだろう。
勝ち負けだけではない人間の何かを
感じる骨太な映画でした。
才能と呪いの狭間で――「盤上の向日葵」
新人王戦。
彗星のごとく現れたアマチュア棋士・上条が優勝する。
その表情は不敵で、どこか楽しそうで――
それでいて物悲しい。
その理由は、ラストで見事に回収される。♟️
上条の“才能と呪い”の二面性が、静かに胸に刺さる。
東明役の渡辺謙の重みある存在感もさすがで、
上条との対峙シーンでは、息をするのも忘れるほど。
盤上に漂う緊張が、そのまま客席まで伝わってくる。
ラストシーン――。
いつかは捕まると、彼自身も思っていたはず。
逮捕直前、ベランダの外に目をやったあと
歩兵を握りしめ、「生ききる」ことを選んだ
上条の姿が印象的だった。
あの瞬間、彼はようやく“呪い”から解き放たれたのかもしれない。🌙
救われるようで、救われない。
けれど、重さの中に確かに“人間の温度と愛”がある。
静かな余韻を残す作品だった。🌻
盤上の向日葵
全265件中、161~180件目を表示
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