盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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原作より映画の方がよかった
大分、快適
将棋の闇の世界におけるサスペンス
2018本屋大賞にもノミネートされた、柚木裕子の同名小説の映画化。若き天才棋士・藤井聡太の出現によって、俄かに注目を浴びるようになった当時の将棋界。その頃の最前線の話題をモチーフに、見事なサスペンスをコラボした重厚な作品として記憶している。柚木作品の映画化と言えば『孤老の血』の様な血生臭いバイオレンス・サスペンスを思い出すが、本作は、児童虐待から人間の根源におけるモラルに関わる生き方までを取りあげた、ヒューマンタッチなサスペンス・ドラマに仕上げている。
自分は、将棋は指さないので、対局の有利不利はあまりよくわからないが、その対局にかける緊迫感と気迫は十分に伝わる作品に仕上がっていたと思う。ただし、本物の対局は、一手を打つだけでも何分も時間を要して、究極の頭脳戦を繰り広げられているが、それに比べて、次から次へと素早く駒を指していく様子は、将棋の対局のリアリティーさに欠いていたようにも感じた。
物語の前半では、主人公である東大出身の若き天才棋士・上条桂介が、父親からの酷い虐待を受けていた、辛い幼少期が映し出されていく。そんな暮らしの中で、桂介の唯一の救いとなった将棋の魅力を伝え、圭介に温かく救いの手を差し伸べた元校長の唐沢の優しさ。その反対に、桂介にまとわりつく酒浸りの父親、そして、博打将棋で生計を立てる真剣士・東明の病んだ生き方。それにも増して、佳介の中に潜んでいた、深い罪の十字架が刻まれた禁断の血と心の闇が、最後まで桂介を苦しめていく。
ある殺人事件に関わる様々な布石が、前半から散りばめられている中で、その事件の真相を追う2人の刑事。そして、その刑事が真相に迫ったときに明らかになった、桂介の非情なる運命。桂介が常々、夢見ていた一面の満開の向日葵畑、そこに見えた一人の女性、その向日葵畑はいったいどこにあり、桂介どこに向かおうとしていたのか・・・。最後に辿り着いた衝撃のラストに、胸が詰まる。
エンドロールと劇中歌に流れる、サザン・オール・スターズの『暮れゆく街のふたり』は、物語にピッタリな哀愁が漂うテーマ曲のチョイスだった。
切ない過去を引きずった天才棋士・上条桂介には、坂口健太郎が演じ、多分だが、アカデミー賞の男優賞にはノミネートされるだろうと思う熱演ぶりだった。それを支えたのは、東明役の渡辺謙。彼の演技は、どんな役でも存在感があり、今回も汚れ役によって坂口を大いに引き立てていたと感じた。高圧的な刑事役には佐々木蔵之介、若き刑事には高杉真宙、他にも土屋太鳳、小日向文世、土屋多恵、、そして柄本明も妖怪じみた真剣士を演じていた。
不思議な感覚
???だらけ
原作は読まずに観に行きました。
これはサスペンス?人間ドラマ?
前半が比較的単調に過ぎて行くので、原作のあるものをそのまま脚色しているのかな、だとしたら正統派という感じで進むのかな?と思っていました。
個人的に悲劇的な場面で大仰な短調の曲が流れると「感動しろ」と言われているようで、冷めてしまうタイプ。
この映画はほぼこれで、それは監督の狙いなのかもしれないけれど、向日葵畑でコーラスが入った場面には椅子からずり落ちるかと思いました。
好きな人はいるでしょうけれど、これみよがしな感じが私は苦手。
後半になりやっと少しスピーディーになったかなと思ったら今度は「何がどうしてどういうわけで???」だらけになってしまい。
何故向日葵農家に?とか、物的証拠が無くても逮捕状って出るの?とか、相手を人殺しにしておいて「生きろ」ってどういうこと?人一人土に埋めるのにスコップ無しは可能?とか、そもそも盤上の向日葵とは?とか、脚本の独りよがり感に最後まで納得できず。
そしてラストのラストが益々???で。
役者さん達は全体的に演技が過剰な気がしました。
救いは元棋士を目指していた警察官の高杉真宙さん。
彼くらい淡々としているでしょう、普通。
高杉さんと佐々木蔵之介さんのコンビは「砂の器」を思わせるし、人気棋士の過去に遡るというモチーフも似ているのですが、「砂の器」のようにはならなかったということで。
あとは新しさが感じられない。
昭和が舞台の映画にしても映画作りの手法自体が古い気がして(音楽の使い方も含め)、すいません、退屈でした。
ただこれは原作はきっと面白いのではとは思えました。
原作を読んでみたい気がします。
キャストの熱演の甲斐なく、サスペンスは人間に迫りきれなかった
演技陣の熱量が凄い。
坂口健太郎、渡辺謙、小日向文世、音尾琢真の4人が前面で牽引しているのだが、脇の俳優陣も総じて力演、怪演だ。ただ、佐々木蔵之介と高杉真宙はメインキャストだが坂口健太郎との絡みがないからか、ややトーンが低く感じた。
音楽がまた、良い。
鬼気迫る盤上の戦いや、主人公の数奇な運命が重厚なオーケストラによって迫力を増す。
音楽を担当した富貴晴美は劇伴ではベテランだと思っていたが、まだ40歳だったとは驚いた。大学卒業後間もなくTVドラマの劇伴を手がけたのか…。
TVドラマ、CM、アニメなどの音楽を担当しつつ映画音楽も精力的に手掛けていて、今年の公開作だけでも『ストロベリームーン 余命半年の恋』『火喰い鳥を、喰う』と本作の3本がある。これらが同時期に公開されているというのも、なんだか凄い。
一方、演出は人間を見せるより将棋の勝負場面に注力していたように思う。将棋がテーマなのだから当然かも知れないが、サスペンスの演出が淡白すぎた気がする。
広範囲でロケーションを展開したようで、ひまわり畑の絶景が本物かどうかは分からないが、いずれにしても映画らしいダイナミズムが見事だった。なのに、同じ映像を繰り返して見せるシーンが何回もあって、せっかくのスケール感が縮んでしまった印象だ。
脚本がさらに残念だ。
脚本も担当している監督の熊澤尚人は、映像のイメージが先行してしまったのではないか。
殺人死体遺棄事件を追うミステリーなので、犯人がなぜ犯行に及んだかがポイントとなる。その背景に犯人の生い立ちがあり、犯行のみならず彼が将棋に命を燃やす理由も併せて伝わるから読者が感情移入できるのだ。
だが、この映画ではその大事なところが中途半端だ。迫真の演技と重厚な音楽で胸に迫ってくるようでいて、冷静に観ていると、そうなった理由の筋道が成り立っていないことに気づいてしまう。
山梨の農場をエピソードとして追加する工夫をみせているが、その効果はどうなんだろうか。
『砂の器』路線で行くなら、刑事たちの捜査の描写に工夫が必要だっただろう。元奨励会員の若い刑事を解説者で終わらせてはもったいない。
棋士の勝負魂のようなものを描くのなら、思い切ってそっちに比重をおいてもよかった。
真剣師がプロ騎士にない勝負の恍惚感みたいなものを語るのは、もう使い古されたイメージだし、壬生名人を登場させているのに主人公が壬生打倒に執念を燃やすところがまるで描かれていないから、ラストシーンに悲愴感がなかった。
ということで、力作なのだが、色々と残念なところもある作品だった。
火サス?土曜ワイド? …モブの皆さんへの演技指導と演出は何とかなら...
⭐︎3.3 / 5.0
11月4日(火) @映画館
盤上の向日葵
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鑑賞後久しぶりの「へ?」😳(小日向さんと将棋連盟と向日葵に謝レベル)巻き込んどいて「生ききろ」って?な支離滅裂っぷり🙄
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原作は読んでません・・・ので納得です。
主人公の最後はどうなったのか?が気になりましたが、作品自体は楽しめました。
俳優陣の迫真の演技はもちろんですが、映画のストーリーもなかなかだっと。
他の方のレビューにもあったように、死体を埋める場面は無理があったかな(笑)
穴が浅すぎる・・・白骨死体になる前に見つかるって!!
原作を読んでいなかったので、親子の関係なども想像しない結末でした。
さすがに国宝にはかなわないと思っておりますが、いい作品です!
『砂の器』風
高価な駒は大切に
世界の渡辺謙が、国宝越えの眼力X顔力で作品ジャック!!!
TOHOシネマズデイ『盤上の向日葵』
年末まで邦画は面白そうな作品目白押しの2作目『盤上の向日葵』
原作未読なので、ファラットに鑑賞
約2時間で、しっかり起承転結まとまってて切なさに引き込まれますが・・・
主人公が身バレする痕跡を残し過ぎなきゃ物語は成立しないけどって部分はあるね
<将棋の世界が舞台になりますが、詳しくなくても大丈夫>
ここ数年映画にドラマに出ずっぱりの坂口健太郎・・・
影のある役の方が私的には好みやけどヒゲは変に違和感しかない
先日のロイヤルファミリーでも役者魂発揮してた高杉真宙は、この作品でも濃すぎる蔵之介さんに飲み込まれず奮闘してましたよ!
小日向さんと多江さんも良かったですが・・・
世界の渡辺謙が、国宝越えの眼力X顔力で作品ジャック!!!
謙さんが助演となると最優秀助演男優賞は反則的に決まるかも!?
惜しい。
3年間見つからない死体を埋めるにはあの穴はいくらなんでも浅過ぎやしませんか?
けっこう気になってしまいました。
犯罪(現場)をしっかり描けてないと、意外とノイズになったりしちゃいます。
CSIとか観て勉強しないのかな?w
なんてね。惜しかった。
上条桂介の不遇がつらい
生まれの不遇、育ちの不遇、親の不遇
みんな悪いことが重なり、元小学校校長の助けがあるがつらいです。上条桂介の子供時代の子役をよくあんな子供を見つけて来たと感心するくらい泣かされました。父親が貰い物のキャンディをくれたり、景品の将棋セットをくれたりするのは親として当たり前なんだけど、メシ代に70円しかくれなかったり、体罰をしたりしているのに、貰うと喜ぶ姿は涙を誘います。
子役の選択が素晴らしいと思いました。
全267件中、121~140件目を表示
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