盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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演出が濃かったです。
昭和の日本映画の味わい。新聞配達の少年時代に割と尺を使っているなあと思いました。好きですが。
大学生時代の坂本健太郎が将棋に勝つことのうれしさをかみしめているさまがとてもかわいい。
ただ棋士として成功しようとしている現代パートの尺が短くて物足りなかった。あとやはり東明の最後の願いがわかるようで、よくわからない。
演出にムラがある…ような気がする。
非常に切ない話だった。
原作はたぶん面白いのだと思う。
ただ…今作は構成というか展開がオーソドックス過ぎてなのか、脚本に難があるのか、俳優のせいなのか、いまいちのめり込めなかった。
真剣師って生き様は知っていて、「王将」の赤井さんが俺の中では印象的なのだけど、謙さんの真剣師は大好物だった。台詞の一つ、仕草や佇まい、ゾクリとする。
音尾氏も素晴らしかった。二律背反ではないが同時に成り立たない感情を有するってのはこういう事象なのかと深く考えたりする。
主役は勿論、子役も良かったし「ごめんなさい」には、もどかしさが止まらない。あんな境遇だとしても、親って最優先される選択肢なのだと思える。
柄本さんと謙さんの勝負は、アレに至る話で一本作れんじゃないかと思う程、贅沢で濃密なシーンだった。
俳優陣は熱演の方が多かった。
疑問なのは佐々木氏とそのバディだった。
どうにも…原作を読んだ訳ではないけれど、アレじゃないような気がする。老練というか老害というか…なんか一癖あっていいようなもんなんだけど、ちくと普通過ぎる。若者もやたら早口なだけだし。
このバディは、なんだかしっくりこなかった。
本筋とは違う流れで核心に向かうポジションなだけに、露出も多いから尚更目に止まる。
レビューを書きながら思うのは、なぜ俺の評価が低いのだろうと考えてた。
どうにも、演出にムラがあるような気がするのだ。
見せ場とそれ以外。
最適ではなく、コレでいいかみたい箇所が散見する。脚本における台詞もそうだし、それが挿入されるタイミングとか、シーンの構成もあの流れではないような…諸々の事柄が俺の没入感を妨げる。
温泉の客とかさー、チラ見しただけで「おい、この子すげえぞ!」とか何なのだろう?あんなおざなりなシチュエーションは…ちゃんとやろうよ。
冒頭の顎髭なんかは、やっぱりダメだった。
なんつうか、しっかりとした原作で骨太な人間ドラマが根幹にあるのだから、ホントに細かなとこまで作り込まないとダメなんたと思う。
名作になりそうな作品だっただけに残念だった。
端的にいうなら消化不良な感じだった。
ごめんなさい…共感できず
刺さると言うかなんか泣ける
時間ギリギリ滑り込みセーフです。
こちらは1日に2回の上映
爆弾はまだ4回ぐらいやってるのに
人気の差がね。。。
でも、私はこちらの方が好きです
なんて言うんだろ
ま、思ってたのとは全然ちがったのだけど
柚木裕子が原作なのでやはりある程度ハードボイルドが効いてるとは思いましたが
まさかこんな展開なんて。。。
小日向さん夫妻以外は
しょーもない父親に、なんかよくわからん勝負師の渡辺謙なのですが
それでも人の素質と資質
生まれ持った環境と変えがたいさだめみたいなものに
最後はなぜか泣けてきちゃいました泣
なんて言う運命。
違う道もあったろうに
それに従ってしまった信じた情ですら結ぶものはなかったなんて。
それぞれの生き方に誰一人として感情移入はできないのだけど
だけど、最後の最後に主人公のその生き様になみだした。
そんな素晴らしい映画でした。
多分、坂口健太郎さんにかなり持って行かれたんだろな
素敵でした
悲しい笑顔がもぅ泣ける
最後に一言。
父も、師匠も!
自己責任だろ
勝手にしね!
坂口健太郎がたくさん泣いていた
坂口健太郎の人生悲しすぎるでしょう。
渡辺謙にあれだけ酷いことされたのに受け入れてしまう気持ち、私には到底理解出来るものではない。渡辺謙の遺体に駒を備えなければ捕まることもなかったのにね!
引き込まれました
歪に光る
将棋の才に恵まれ、その道でしか生きることが出来ない上条と東明。腐れ縁であり、似た境遇の両者。
物語冒頭での東明の死体とこの世に七組しか存在しない駒菊水月。
事件の真相を追う2人の刑事が辿り着いた結末は、歪な過去としがらみだった。
進行もまったりと。
救いようのないバッドエンドと言われると、、、
しんみり泣ける、、、
予測不能な伏線回収、、、
どう結に繋げるかと思った分予想通りな展開だったのでこの評価。
優勝は、タケヤみそさんです
それはさておき、私もクライマックスの山での二人の心理がわからないまま一晩寝ました。で、以下のように会社の昼休みに結論したw
東明という男、将棋は強いが善悪や懲罰の道徳観念に疎く、彼の犯行で上条は不逞な父親を排除したが、病躯で死期迫る東明は自ら上条がもつ刃物に飛び込み息絶える。死ぬ前に東明は自分との対局の喜びを失えば上条の失命も必定と考え、上条にプロになることを勧め、(勝負師として)生ききれと助言する。上条はそれを受け入れながら、自らの罪もまた引き受けるかのように、東明の遺体が見つかれば自分の身元が即座に浮上するような希少駒を一緒に埋める。
タイトル戦直前になって、刑事が奥に控える壬生の前に立ち塞がったことに少しだけ表情が動いたのは対局が実現しなくなったことに対してで、対戦した場合の勝利の確信は揺るぎないので別に逮捕についてはどうぞどうぞという感じみたいな。
それにしても…
タケヤみそさんw
素晴らしい!!
協賛企業がここまで輝いて見えたことありましたかね!?
老舗企業の暖簾に対するプライド見せつけていただきました。大英断に敬服します!
商品買わせていただきます!
マジ感動しました!
私見ですが地球外マヨネーズのインパクトは軽く超えてますw
人間の愚かさvs生きる力強さ
山中で発見された死体の身元から犯人と死の真相を追う中で人間模様を描いた作品。貧しい少年期を過ごした青年が有名なプロの将棋士になる迄の過程で背負って来た哀しい生立ちが死の真相に絡んで明らかになっていくストーリーが【砂の器】を彷彿させる。勿論、刑事ドラマの様に誰が犯人だったのか、何故殺したのかを解き明かして幕を閉じるだけの作品ではない。砂の器は欲望の虚しさや愚かさを描いているのに対し、本作は不遇な状況の中でも生ききることの力強さが描かれている点が大きく異なる。事件の真相が明らかになるに連れて見えてくる人間模様に古臭い展開を感じながらも涙が滲む。ただ、死体が発見されてから容疑者としての心理状態が描かれていない点は残念に思う。その間の心理状態の伏線を描くことで主人公の生死の選択シーンをもっと盛り上げられたと思う。それでも、ラストで主人公は逮捕されることを悟りながらも生きることを選択した表情に潔さと力強さを感じさせる点が今風であり、昭和からの時代の変化を感じた。
健太郎よ、主題歌や脇役の奴らが主役より目立とうとしようが、お前は生ききるんだ
柚月裕子の原作を読みかけたところで映画化されることを知り、読むの我慢して映画を楽しみにしていた。
意外にも公開第1週目から上映回数が少ないし、どの劇場も小さめのスクリーンでの上映。大きめのスクリーンで上映している劇場と上映回を選んでようやく観に行ったら、平日昼間とはいえなんと貸し切りだった。
人気ないのかなぁ。
予告の渡辺謙、佐々木蔵之介、音尾琢真の力の入った演技に少し心配になってたが、さすがはケン・ワタナベ、人相は悪くなってきたけど巧いなぁ。蔵之介さんのあの演技はああいった演出なんでしょうね。他の端役の方々も結構力んで目立とうとしてたから。音尾琢真のミソ親父がなんか可哀想で同情してしまった私はおかしいのでしょうか。
ゾクゾクするような真剣勝負にゾクゾクできなかった。
将棋あんまりわからないからかな。でも麻雀全然知らなかったけど「麻雀放浪記」はゾクゾクしたな。
自殺しようとしてるところ、止めに入るんじゃなくて何も言わずに将棋の駒打ちはじめて、その音を聞いて思い留まって戻ってくるところはちょっとゾクゾクした。
令和の「砂の器」みたいに言われてるけど、「砂の器」は刑事役の丹波哲郎さん、森田健作さん、殺される緒形拳さん、みんな明るかった。丹波さんなんか捜査であちこち行くの楽しそうにしてた。最初から最後まで泣きっぱなしのようなイメージあるけど誰も泣いたり叫んだりしていない。だからこそあの加藤嘉さんの慟哭とラストの道行きが胸を打ったんだろうな。
この映画、蔵之介さんも真宙くんも力みすぎ。
「爆弾」が佐藤二朗のスズキタゴサクの怪演に引っ張られてか若い俳優さんたちがそれぞれ味のある演技をしてる、良い化学反応を起こしてるのに比べて、この映画は主役の坂口健太郎を引き立てるんじゃなくてみんなが目立とう目立とうとしているように感じてしまった。
東明は自分で死なないといけないな。
殺人犯にしてしまったら将棋続けることできないから。
他にもツッコミどころはたくさんあったけど、こういう哀しみにあふれた話は好き。
暗い暗い辛い辛い話だけど「賞味期限の切れた牛乳捨てといてな」みたいなちょっとホッとするようなところが最近の日本映画には少ない気がする。ありすぎても嫌だけど。
【“真剣師の血。そしてお前が何を背負っていようと生き切るんだ!ゲホゲホ。”今作は怒涛の如く襲い掛かる不幸に立ち向かう男の生き様を、絶滅危惧種の真剣師達の姿と絡めて描いた物語である。】
<Caution!内容にやや触れています。鑑賞後にお読みください。>
■諏訪の眺めの良い山中で、白骨死体が発見される。その死体の胸には“菊水月”と呼ばれる希少で高価な将棋駒が入った袋が置かれていた。
その容疑者として、天才棋士の上条桂介(坂口健太郎)が浮上する。そして、捜査の過程で上条の壮絶な生い立ちや賭け将棋の真剣師、東明(渡辺謙)との関りが明らかになって行くのであった・・。
◆感想
・今作の予告編は劇場で30回は観た。世界のケン・ワタナベが必死の形相で坂口健太郎さんの肩を抱きながら”生き切るんだ!”と言い、坂口さんは涙腺がオカシイのではないか、と思う位に滂沱の涙を流しているのである。
それを観ながら、不遜な私は笑いのツボに入ってしまい、”暑苦しい映画だなあ、クスクス。”などと、不埒な事を都度思っていたのである。ホントスイマセン。
・私は将棋が好きで、マアマア強かったので(オバカ)、団鬼六著「真剣師 小池重明」を読んだりしていたが、これがマア面白いのである。で、今作を観て東明を筆頭とする真剣師のモデルは、破天荒な生き方をした小池重明ではないかなあ、と思ったのである。
・今作で、実に人間臭い人物として、上条桂介の父(音尾琢磨)が登場する。この複雑な感情を持ち合わす父を名脇役音尾琢磨が見事に演じている。個人的に音尾琢磨さん出演の映画には、外れが無いと思っているが、今作もそうである。それは主役を演じた坂口健太郎さん、世界の渡辺謙さんの熱演もあってだが、音尾琢磨さん演じる”父”の存在無くして、この物語は成り立たないだろうとも、思ったのである。
■今作は、ほぼ長野県諏訪市、岡谷市で撮影されている。諏訪に行った時には私が必ず寄る”片倉館千人風呂”に、幼い上条を連れて行き身体を洗ってあげた善性があり、上条に将棋の基礎を教え込んだ元校長先生(小日向文世)とその妻(木村多江)の姿。
そして、上条はその先生が大切にしていた“菊水月”を形見として受け取るのである。幼い彼にとって、心休まる一時を与えてくれ、人生を拓くきっかけを作ってくれた人である。
・その後、上条は東大に入り優秀なディーラーとして高額年収を得るが、その後桃農家にアルバイトとして入り、農家の娘(土屋太鳳)と結婚の誓いを交わすが、マタマタ現れた”父”により、その平穏な生活を捨てるのである。
そして、その父が彼に行った衝撃的な真実。そして”お前は自死する血が流れているんだよ!”という言葉。
・それを聞き、上条はマンションの自室から飛び降りようとするも、その場にいた東明はそれを止める訳でもなく、盤上に駒を並べているのである。その”パシ!パシ!”と言う音を聞いた彼は、飛び降りを止め東明と何度も対戦するのである。
その後、時は流れ東明は胸を患っている。が、彼は唯一人生で安寧な日々を送った諏訪の街が望める場所で上条と対戦するのである。
このシーンは、上条は東明の胸の上に恩人から貰った“菊水月”を置いた理由を雄弁に物語っていると思うのである。
■その後、シーンは冒頭に戻り、上条は東明の得意とした速攻技”鬼殺し”を武器に、新人戦を勝ち上がり、その後プロ棋士となるのである。
そして、迎えたタイトルが掛かった対決に向かう上条。だが、彼の前には刑事(佐々木蔵之介&高杉真宙)が立ちはだかる。が、彼は一瞬振り返り通路の向こうに広がる風景と窓を見るのだが(亡き父の”お前は自死する血が流れているんだよ!”という言葉が過るシーンである。)彼は決然とした表情で、対局場に向かうのである。
<今作は怒涛の如く襲い掛かる不幸に立ち向かう男の生き様を、絶滅危惧種の真剣師達の姿と絡めて描いた物語なのである。>
結構、原作に忠実…⭐︎
映画化されるということで読み直しての鑑賞。
思ったより原作に忠実な物語だった。
坂口健太郎の子役を演じて小野桜介がすごく表情豊かで良かった。
小日向文世と木村多江夫婦のもとに通う彼に思わずホロリとしていまう。
将棋そのものが思ったほど描かれずに物足りなさも感じることはあったけれど
坂口健太郎が渡辺謙や柄本明相手に堂々と演じているのを見て、彼もすごい役者に
なった…と。
将棋の真剣師という存在を初めて知ったけど今も存在しているのだろうか?
「菊水月作」という名作の将棋の駒を鍵に物語が絡み合っていくのも良いし、
原作より佐々木蔵之介が演じる石破刑事がすごく良い男になってて、これはこれで
面白かった。
柚木裕子の小説だけあって、最初から展開も早くて飽きずに楽しめる作品。
工夫の無い古くさい作り
渡辺謙がみんな喰っちゃったな。しかし、いくら昭和が舞台とはいえこの映画の古くさい作りはなんだろう。
◎劇伴(劇中伴奏音楽)のあまりにベタな音付け、びっくりです。今時、こんな音付けしないでしょ?
◎これでもか、というアップの多用。
◎刑事が狂言回しになって各地を歩き回る中で明らかにされる犯人の人生、砂の器かい!
◎あと、将棋に魅せられた男達の物語なのに、一度も盤上で何が起きているのか、全く説明がない。私は将棋はルールがわかる程度の人間で、マニアックにやられたらついていけないと思う。でも、この作り手たちは、はなから将棋の面白さ、勝負の妙を伝える気がないんですね。どうせわかんないから、そこはいいでしょ、と思っているんだろうな。一回でいい、伝える努力と工夫をして欲しかった。神は細部に宿るんだよ。チャレンジしなきゃ。
ところで、盤上の向日葵って、どういう意味?
最後のワンカットで説明したつもり?
嘘でしょ( ´∀`)
そんなことが気になり私には刺さりませんでした。
迷惑なおっさん達だなぁ
タイトル「盤上の向日葵」の意味
かなり前にNHKのドラマを見て、それから原作を読みました。で、今回映画を見たわけで、もちろん一番優れているのは原作であるのは間違いないのですが、見ていてなんとなく「なんか違う」感がありましたね。ラストは「え?ここで終わりなの」思わず声に出しそうになりました。と、いうのも今回一番興味を持っていたのは、ラストがどうなるかでしたので、かなりがっかりしました。この作品の悲劇性というか主人公の贖罪というか、理不尽な人生
に決着をどうつけるのかが、大きなテーマだと思っていましたから。原作ともドラマとも違う結末なのは否定しませんが、これはないかな。あと、題名の「盤上の向日葵」にはちゃんと意味があって、作品の中で説明され上条にとって重要な現象だと思っていたのに、最後の方にちょこっと触れているだけ。(私が寝ていたのか?)それともうひとつ、将棋がテーマの作品なのに、ヒリヒリするような勝負の場面がなくてこれも物足りなかったな。
坂口健太郎、渡辺謙ともに良い演技でした。原作を読んでいなかったらもっと楽しめたかもしれません。キャストは豪華だし演技も良かったけれど、何か足りない感がしました。
いい役者、いい原作!だけど…
心に残る作品だった。
しかし、演出にはもう一段の奥行きが欲しかった。
監督としての力量が問われる。
刑事役の佐々木蔵之介は、確かな存在感と熱量で作品を引き締めていたが、その“激アツ”な演技演出がやや過剰に感じられた。
坂口と渡辺の物語がすでに激動のドラマを抱えているだけに、同時進行する警察パートは、むしろ冷静でクールに描いた方が全体のバランスにメリハリが出ただろうと熱量がぶつかり合いすぎて、少々息苦しくなった。
【ネタバレ】
ラストで、渡辺が坂口に「お前はプロの道に進め」と言い、自らにドスを突き立てるシーン。
その行動は一見矛盾しているように見える。
事件が明るみに出れば、坂口の“プロの道”は閉ざされてしまうからだ。
しかし渡辺は、それをも乗り越え、坂口が真のプロとして生き抜いていくと確信していたのだろう。
その思いの深さが、あの一突きに凝縮されていた。
「歩兵」は将棋で一番数が多く、最も弱い駒。
前に一歩ずつしか進めない、しかし敵陣に入ると「金」に成り一気に強力な駒に変わる。
苦くも力強い、余韻の残るラストだった。
将棋に人生を狂わされた人達
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