盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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将棋の駒のミステリー!
昭和から平成へと移り行く中、将棋への憧れる貧しい少年の成長を描かれていました。
宿命とはいえ過酷な生活を将棋を通じて関わる大人から生きがいを感じる桂介だったけど訪れる難局は凄まじい内容でした。
思いもよらない展開も面白かったです。
主役級の役者陣の熱演ぶりは観応えありました。
不遇な天才
最高でした✨
心待ちにしていた映画『盤上の向日葵』の舞台挨拶に行きました🎶🎬
坂口健太郎さん、渡辺謙さん、そしてサプライズで原作者の柚月裕子さんが登壇されました✨
柚月裕子さんとほぼ同い年で陰ながら応援していた私は柚月さんの思いがけない登場に急に緊張💦
柚月さんはハードボイルドな内容を書くイメージですが、初めて聞いた肉声はとても可愛らしい声でした😊
将棋界の天才棋士・上条桂介の少年時代を演じた小野君の演技にも自然と涙が…。
顔も坂口健太郎さんにそっくり🥹
何度ももらい泣きしてしまいました🥲
小日向文世さん、木村多江さん、他豪華キャスト陣も素晴らしい演技で、期待をはるかに超え大満足でした😊💕
2025/11/2 これまた普段見ている将棋の世界とはまったく異な...
重厚な人間ドラマA profound human drama
昭和から平成へ――
人の光と影を描き切った稀有なドラマ。
人の温かみと
醜さと
過ちと
やるせなさ
全部が入っている。
主人公本人の
預かり知らない過去は
あまりにも不可抗力だった。
絶望の淵から彼を救ったのは将棋で、
人生を破壊するのもまた将棋。
多くの人の人生を狂わせたのも将棋。
彼らに一瞬の栄光を見せたのも、また将棋。
抗いようのない運命と才能を
その剥き出しの荒々しさを
これでもかと見せつけられる。
才能というものは
鞘に収まる事がないと
それを持つ本人をも
果てしなく傷つける事を思い知らされた。
From the Shōwa to the Heisei era—
a rare drama that captures the light and shadow of humanity in full.
Warmth,
ugliness,
mistakes,
and helplessness—
it contains them all.
The past unknown even to the protagonist himself
was far beyond his control.
It was shogi that saved him from the brink of despair,
and shogi again that destroyed his life.
It was shogi that drove so many lives astray,
and shogi that showed them a fleeting moment of glory.
You are confronted, relentlessly,
with the raw, untamed force
of inescapable fate and talent.
This story makes you realize
that when talent refuses to stay sheathed,
it wounds not only others—
but endlessly scars the one who bears it.
悲惨な人生
俳優陣の演技は見事。
アウトローな渡辺謙はずっと格好良いし、すごく惹き込まれるパワーが強い。
しかし物語はただただクズに振り回され幸せになる機会を棒に振るかわいそうな青年の末路を見せつけられて終わり。
「サイコな天才棋士の殺人を暴くサスペンス」とか「真相としては完全に無罪」だったらどれほど良かったか…
面白かったです!個人的にはサスペンス調なので国宝よりも
導入部からずっと面白かった。国宝は個人的には世間で言われてるほど入ってこなかった(たぶん歌舞伎に全く興味ないから、なんでしょうけど)。 んですが、将棋は(刺さないけど)勝負の世界、なのでわかりやすかった。
【良かった点/特に良かった点/イマイチに感じた点/コスパ/その他など】
○良かった点
純粋にキャストが豪華で見応えありました。幼少に将棋に出会って、そこからのハートフルな話がすごくよかったです。そこからまた起承転なわけですが・・・。
◎特に良かった点
渡辺謙さんと塚本明さんが一騎打ちするシーン、かっこよすぎでしょ、、、坂口健太郎さんそっちのけですが。
✕イマイチに感じた点
これはどうしても触れずにおれないですが、坂口健太郎さん、どうしても童顔なので髭似合わん(汗) もう少しメイクでどうにかならんかったのかね、、、。
佐々木蔵之介さんが井之頭五郎ちゃんにしか思えてしまったの自分だけ?
・コスパ
映画レビューに本来コスパっていれてないんですが、今回敢えて入れました。というのはファーストデーで1300で観たのですが、高いよなぁと。
商業施設での時間単価で考えれば、高くないんですけど、一方で動画サービスの普及を考えると、普段の2000が高すぎて、ファーストデーでも1300かぁ〜と。
・その他など
東野圭吾さんの百夜行や幻夜みたいな印象をうけました。家庭事情で生き方を選べない子供がやっと社会に出ていけたかと思えば、今度は親がたかってくるという、まぁわかりやすい展開ではありましたが。
なんだけど、あの胸糞悪い父親設定も背景知ると、憎みきれないんだよね、、、腐りすぎとは思うが。元凶は近親相姦したあげく、罪をなすりつけて駆け落ちにひきずりこんだ母親じゃん、、、という。
ネグレクトされた子供が、僅かな父親の優しさの思い出「忘年会の景品で将棋セットをもらってそれをくれたこと」を美化してしまうのはありそうだけど、あれも気まぐれというか。それでも子供にとってはすごく心が動いた出来事だったわけで、そういうのが色々と絡み合って、見応えありました。
▲(先手)2六歩、△(後手)3四歩、と言われてすぐに譜面が頭に浮かぶ人が羨ましい
原作を読んでからの鑑賞。
尺の問題もあるので当然、改編や割愛はあるが、監督が「この原作をどのように解釈し、どの部分を映像として表現したかったのか」を想像するのもまた楽しみのひとつです。
【向日葵について】
原作では、偶然立ち寄った大型書店(たぶん新宿の紀伊国屋書店)で出逢ったゴッホの画集の中の『ひまわり』のなかに亡き母を見出します。
「ゴッホが描いた向日葵は、亡き母そのものだった。
背景の白に近い浅緑は母の淡さで、カンヴァスの中央に咲く花は、母の美しさと重なった。そしてなによりも似ていたのは、薄暗さだった。」(中公文庫下巻P11)
ゴッホが描いた向日葵は仄暗く、絵を明るくするはずの要素が逆に陰影を濃くし、その逆転の変異が、いつも顔に笑みを浮かべていたのに、ひどく寂しげに感じた母の姿にそっくりだと感じていたのです。
桂介は対局中に重要な一手を打つ直前、偏頭痛に襲われ、盤面に向日葵が咲くことがある。
9×9=81マスすべてに咲き誇った後に一か所だけ向日葵の残像が消えないマス目が残る。
それが決め手となり、桂介が勝利を積み重ねていくのですが、壬生に挑む竜昇戦の最終第7局においては、いくら待っても向日葵が咲かないのです。そして、勝負の行方は…
映画においては、ゴッホの絵画については触れられず、原作には出てこない「ひまわり農園と土屋太鳳さん」を登場させ、向日葵のイメージを映像として表現。おそらくその明るさが、東明重慶という影しか纏っていない男に「生き切ろ!」と言われることとの対比で向日葵の持つ前向きなイメージと結びつけたのだと思います。
東明重慶という影の濃い男が向日葵の明るさとそこから生まれる陰影を際立たせ、桂介という人間の内面を浮かび上がらせる効果を生み出しています。
【唐沢夫妻について】
桂介の今日があるのは、唐沢夫妻のおかげといっても過言ではなく、映画を見ながら、原作での唐沢夫妻の桂介に対する思いとサポートを追想するだけで泣けてしまうのです。
唐沢は、幼い桂介との対局でも決して手を抜くことはなく、実力が上だからといって、手を抜くのは対戦相手へのリスペクトを欠く行為であることを対戦を通じて教えていきます。
唐沢から受け取った名匠・初代菊水月作の将棋駒は、最後まで将棋の世界で生き抜いた東明に捧げられたが、それは桂介にとっての父親が唐沢から東明に引き継がれたことの象徴だったようにも思えるのです。
【ラスト】
原作小説と映画、どちらも桂介がこれからどうなっていくのかを示唆することで終わりますが、たぶん正反対の方を向いています。どちらが好みかは見る人、読む人次第ですが、個人的には映画のほうがいいかな、と思っています。
盤上の沈黙が呼び戻す“生のリズム”人間の「業」と「赦し」
柚月裕子の原作を熊澤尚人監督が映画化した本作は、単なる将棋ミステリーではない。むしろこれは「人間の尊厳をどう保つか」という社会派ヒューマンドラマであり、その質感は明らかに松本清張的だ。構成の重層性、陰影の深い照明、そして「才能」「出自」「罪」の三層構造を通じて描かれる人生の皮膜。これを“清張以後の『砂の器』”と呼ぶのは、決して大げさではない。
主人公・上条桂介は、天才と称されながらも、生い立ちの闇に蝕まれた棋士。対する東明重慶は、裏社会の賭け将棋で生きてきた勝負師。彼らは単なる対立軸ではない。光と影、盤上と盤外、正道と邪道――そのすべてが互いを映す鏡であり、どちらか一方が消えると、もう一方も存在できない。映画はこの二人を通して、「勝負とは生きることそのものだ」という命題を突きつけてくる。
特筆すべきは、終盤に上条が飛び降りを試みる瞬間、東明は何も語らず、ただ盤上に駒を並べ始める。カチ、カチ、カチ──その音だけが風の中に響く。東明は何も発しない。だがその駒音こそ、上条の心に刻まれた唯一の“言語”だ。
この演出が卓越しているのは、音が記憶と命を繋ぎ直すという点。駒音は、上条にとって“父の声”であり、“生のリズム”でもある。理屈も説得もいらない。人は、誰かに「生きろ」と命じられるのではなく、「生きてほしい」という行為によって救われる。この瞬間、映画は“盤上の向日葵”というタイトルを超えて、「沈黙の中にある愛情」という普遍的な主題に到達する。
熊澤監督は、構図と音のリズムで感情を語る。画面の多くは灰色と木の色で構成され、温度のある色彩はわずかに差し込む向日葵の黄色だけ。盤上の木肌の光沢は、まるで人間の皮膚のようであり、駒音が打たれるたびに“生命の鼓動”のように響く。『砂の器』における和賀英良のピアノが“贖罪の旋律”であったように、ここでは駒音が祈りの旋律となる。
東明が上条に放つ「お前ならプロになれる」という台詞もまた、勝負師の矛盾を凝縮した言葉だ。プロを「遊び」と切り捨てていた彼が、最後にそれを肯定する。そこには、敗北でも誇りでもなく、“赦し”がある。自分のようには生きるな。お前は盤上で光を掴め。その静かな願いが、言葉よりも深く観客に響く。
近年、邦画の中でこれほど「沈黙」を力に変えた作品は稀であると思う。SNSのノイズが支配する時代にあって、駒の音だけで人の生死を語る映画。清張の筆が現代に蘇ったとすれば、それはこの沈黙の中にこそある。
『盤上の向日葵』は、勝敗を超えた「人間の最終局面」を描く。勝つとは、生きること。
そして生きるとは、誰かの駒音を心で聞くこと。観終わったあと、静寂が胸に残る。それは敗者の音ではなく、まだ終わっていない“人生の一手”の余韻ではないだろうか。
久しぶりに将棋を指したくなった
某傑作映画のオマージュ…
刑事視点で事件を追いながら、犯人を追い詰めていく感じが、丹波哲郎さんや加藤剛さんが出演されていた『砂の器』に結構似ていたよなぁーと他にも感じた方いますか?
終始重苦しい雰囲気に包まれているので、評価は分かれると思いますが、自分は高評価にしました
エンドロールのサザンの曲が作品に合っていて良かったのでカラオケでレパートリーに加えたいと思います
タイトルなし(ネタバレ)
思ったより心が苦しい作品でした
ストーリーは、最初謎が多いけど段々と明かされていく展開で、やっぱりこういう展開には引き込まれます
しかも謎はどんどんと増えていきそれが、テンポ良く明かされていくので、最後まで目が離せない作品でした
正直本当に最初の方はちょっとリアルっぽくない見せ方もあって、若干戸惑いましたが
すぐに慣れてきました
キャストの演技もそれぞれのキャラクターにカチッとハマっていました
特に小日向文世さんはめちゃくちゃ合ってました‼︎
あの滲み出る包み込むような優しさはあのキャラクターに深みを増していました
将棋のシーンでは今どういう状況かはあんまり分からないのですが、それぞれのキャストの演技の迫力で画面から目が離せない‼︎
渡辺謙さんと柄本明さんの対決は顔アップになった時の、迫力と貫禄とかっこよさと本気さなどなど、色んなのが画面から伝わってきてめちゃくちゃ引き込まれました
恩師の将棋がかかっているという状況もより緊張感を際立てていて良い展開でした
坂口健太郎さんの目の奥が笑っていない演技は圧巻でした
ラストの決意の表情は一度観たら忘れられません
そう、この作品ラストが一度観たら忘れられない
警察達はピントが合ってなくて、将棋の相手にしか目がいってない演出には震えるし、
演技も相まってこの作品で凄まじいインパクトを残し、観客に今までの映画のことを思い出させてきます
そしてこの作品で1番心に訴えかけてくるシーンになっていました
最近観たっていうのもあるかもしれないけど、国宝や愚か者の身分と通ずる所もあるなと感じました
もう全部お前のせいじゃん・・・
2025年劇場鑑賞305本目。
エンドロール後映像無し。
殺人事件ものは綾辻行人のようなトリックを解くのが目的のミステリーと、東野圭吾のような動機を解くサスペンスに分かれますが、今作は後者です。
まぁほんとあいついらんことしてくれるよなの一言で済む話でした。予告でクライマックスもう流しちゃってるし。
ただ、将棋にはそんなに思い入れないし、2手3手先読むなんてできなくて、その場の状況を誤魔化すのに精一杯のへぼ将棋しか指せない自分ですが、将棋が絡む話は結構好きなので楽しめました。ハチワンダイバーで真剣師の存在も知っていましたし。それだけにクライマックスに近づくにつれお前いらん事すんなよと祈ったのにも関わらずその通りになっていくのに目眩がしました。
ここからネタバレ
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別に殺してって言ってないし、金銭のやり取りがあったわけでもないし、勝手に東明が察してやっちゃっただけだし、最後も自分から刺されに行ってるし、桂介の罪ってせいぜい死体遺棄くらいじゃないですかね。あんだけ頭良くて、生き抜いて将棋指せって言われてたら多分全力で罪逃れようと弁明すると思います。じゃ証拠残しすぎじゃね?と思いますが、それくらいなんとかできると思ったんじゃないですかね。そう思わないとやってられない(笑)
原作との相違点
全265件中、181~200件目を表示
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