劇場公開日 2025年10月31日

「将棋盤と向日葵の関係性が薄く見える」盤上の向日葵 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 将棋盤と向日葵の関係性が薄く見える

2025年11月3日
PCから投稿

.殺人事件と思われる遺体発見から、容疑者を絞り込み、最も可能性の高い人物の動機をみつけるため、過去を追ううちに、壮絶なその人生が明らかになる……って。
『砂の器』?????
みたいな疑念を抱きつつ見にいけば、果たしてその予想はあまり外れておらず。
「父(たち)との関係、犯人の生い立ちを描いた柚月裕子版『砂の器』」としては悪くない。

主人公はかわいそうだし、その才能は惜しいけれども、しかしそこまで主人公に思い入れられなかった。
一番感情移入できたのは、主人公の育ての親・唐沢を演じた、小日向さんだった。

それに、親と将棋どちらを選ぶの、という問いを考えたら、感情だけで動いた主人公の行動に無理がある。
両方を追って、結局両方を失いかけていて、「本当に頭がいいのかこいつ?」という疑念が。
上手く立ち回れば、事前に身の潔白を証明することはできたろうに(精神的には擬装に近いが)……という矛盾が生じたのと。

「実の母親を思い出す」キーワードとしての向日葵以外、タイトルの向日葵を指す使い方・描写がされず。
結局「盤上」って何?向日葵と将棋がリンクしないと、このタイトルにならなくない?
みたいな感じだったので、もやもやした。
原作未読なので、どう違いがあるか、どの程度同じかわからないが、ひょっとしたら、原作にあった要件を、ごっそり省いたり改変してたりするのかもしれない。
演技は悪くなかったから、確実に(脚本と言うか演出含めた)編集仕上がりで、映画として単独で観たときにやや欠陥が生じた印象でした。

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