「よくできた脚本、素晴らしい役者たち、それでも、、、」盤上の向日葵 TUMSATさんの映画レビュー(感想・評価)
よくできた脚本、素晴らしい役者たち、それでも、、、
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それでも、映画としてはどうなのだろうか。
物語は冴えている、役者のネームバリューに不足なし(むしろ豪華な部類)なので、問題は映像ということになる。
この作品で映画らしい絵を撮るとすれば、題名にもある向日葵しかない。が、その向日葵に感動はない。近所の菜の花畑然としていて、なんというか、芸術というか、非日常というか、ありえないくらいの向日葵の(『純銀モザイク』の菜の花のような)圧倒する絵は、ない。
そもそも、この物語には、映画館のスクリーンだからこそ、という見ごたえのあるspectacular(< spectacle = 見世物)な設定がないのだから、映像美の欠如はカメラマンのせいでも監督のせいでもない。
渡辺謙と坂口健太郎の演技は(後者には批判的な意見もあるようだが)しっくりきた。むしろ、キテレツな役どころだからそういうことになっているのかもしれないのだが、柄本、渡辺、佐々木はあまりにもキテレツだった。佐々木の「お父さん、わたしにもそういう経験があるから」云々のくだりは、世慣れた刑事の上手な嘘なのか、刑事も背負っている物があることを言いたかったのか、わからなかった。
公開2日目にしてガラガラなのは、何かしらのTIP/情報があって、多くの人にとってこの作品は<観なくてはいけない>範疇にはないと判断されている。テレビ放送で、3時間枠のスペシャルドラマだったら、間違いなく話題をかっさらっていたと思う。が、映画には向いていない。
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