正体のレビュー・感想・評価
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逃亡後に罪を重ねているので普通に有罪では
冤罪を証明するために逃亡。行く先々で出会う人々から人柄で信じてもらい、その人々が鏑木(横浜流星)の無実を証明すべく一致団結して助けてくれるというRPGのような展開。そこがワクワクするポイントなんだろうと思いました。
ただ、なんというかただそれだけの展開に感じてしまい、深さがなくて自分は得られる感情はありませんでした。
1番の疑問は、冤罪だったとしてもまず冒頭で警官を殴り逃走。その後も一般人や警官にナイフを振りかざし、特に最後は完全に警官を刺しに行っています。普通に有罪なのでは…。鏑木に同情は全く出来ませんでした。
これでは、無罪になったかのような最後の描写は無理があります。
そして人に向けてナイフを振りかざせる人が冤罪だと、なぜ人々は信じることが出来たのか。ただただ疑問です。
冒頭でも、逃走を図るため?口内にナイフを入れ自傷行為をしますが、拘置所に収監されている死刑囚がなぜナイフを持っているのか??
ちなみに、Amazon primeにドラマ版がアップされていましたが、設定や展開が結構違いました。
エンドロールになってからもずっと泣いてた
※一部原作の内容に触れている所があります。
映画を観る前に予告を観ただけで泣いてる原作大好きな自分にとっては良い所と残念な所どちらもありました。
良い所
やっぱりこの映画の魅力はキャストの演技だと思います。
特に横浜流星さんの迫真の演技には度肝抜かれます
沙耶香の部屋から落ちる時の表情が本当に凄くて感動しました。
横浜流星さんだけでなく他のキャストの方々の演技も原作に合っていてとても良かったです。
原作はかなり量があるのでこれを2時間にまとめるって出来るのかと思っていましたが原作の設定を上手く変えながらまとまっていたのは凄いと思いました。
終盤での警察が入ってくるシーンは原作より緊張感があるように感じ手に汗握る展開で画面から目が離せませんでた。
ヨルシカの太陽もとても良い曲でした。
残念だった所
自分は正体という作品の魅力の1つはそれぞれのキャラクターの背景だと思っています。
そこがほとんどなかったのは映画にする上で仕方のないことだとは思うけどさらっとでいいから入れて欲しかったです。
原作と違くて驚いたのは淳二の設定。
沙耶香と親子関係にして同時に話を進めるというのは「なるほど」と思いました。
でも自分は原作で描かれている淳二の旅館での話が好きでその話のクライマックスにはとても感動したのでこのキャストでそのシーンがなかったのは残念でした。
あとは最後の施設に鏑木がいることが分かり、警察が入り込む時の理由は原作の方が好きでした。
ただラストは涙なしでは観ていられません。
本当に救われて良かった。心からそう思いました。
小説、映画どちらも本当に素晴らしい作品でした。
ストーリーと出演者の演技力が素晴らしい♪
特に、山田くんの目力が凄いです。第二の主人公なのですが、存在感バリバリ。
先週は十一人の賊軍で汚い役やって、今週は捜査一課の刑事さんです。パリっとした背広が似合います。
ストーリーの展開もいいです。ダラダラしておらず、ぐんぐん進んでいきます。流星君の演技もいいですが、その関係者の人々が素晴らしいスパイスをふりかけています。
それぞれに、人生があり、喜んだり、絶望したり、逃げたり、誰にでもあるような事なのですが、流星君にかかわるうちに少しづつ変化していくのです。もちろん山田くんもです。
今回もあっという間の二時間でした♪
演者がみんないい演技してます
横浜流星さんの演技は初見でした。
顔がいいだけの俳優さんじゃないんですね、うまい。
山田孝之も森本慎太郎も吉岡里帆もみんないい演技してます。
工事現場はともかくマスコミや介護施設は流石に身元不明な状態で潜り込むのはちょっと無理だろとかツッコミどころはそこそこあるんだけど、それでも俳優さんたちの演技に引き込まれてどうでもよくなる。
真犯人役とか鶴瓶の息子とかもいい演技するよなーすごい。
冤罪事件は多々あるけど未成年犯罪のみせしめのために死刑が確定は流石にないだろ、とは思いました。
冤罪解消の礎となる映画‼️❓
二回目の家族皆殺し事件の解析で、凶器と指紋から、一回目の犯人は特定されるだろうから、彼の無罪は、証言が無くとも確定されるだろう、でも、現実の警察検察は一度目の過失を隠蔽するため一度目の証拠を隠滅し、彼の冤罪を隠蔽して終わるだろう、だからあの刑事の行動が大きな希望の光となるところで、この映画の価値がある。
ストーリーとしてはかなり破綻してるところは多いし、ご都合主義の典型なので、展開も仕組まれ感満載なので、違和感は半端無い、でも、横浜流星の演技は、それらを全て乗り越えるだけのものがある、イケメンどころかオーラもあるから編集者や介護士の女性が死刑犯と知りながら協力するのも頷かれる、多分原作のテイストとは違うだろう。
特筆すべきは、山田孝之演じる刑事、いつもとは違い抑えた演技は、正義に直向きで悪を許さない志が佇まいに現れている、警察検察の悪ですら許さない、素晴らしい👍
SNSも使いようで正義になる、良い見本だ。
細かい違和感は気にせず、この映画の志、横浜流星と山田孝之の演技を観るために、是非。
山田孝之の幅広さ
お話しは冤罪から死刑囚になり自らが冤罪を晴らすべく、ある目的に向かう必死の逃亡劇です。
シンプルな話しですが、冤罪というテーマを観やすく、単純なエンタメに寄せすぎない味付けの映画になってます。横浜流星さんの好演も良かったですが、山田孝之さんの真実と組織に揺れるお芝居がとても印象に残りました。
山田孝之さんが新たなステージに入った作品と思います。
信じてくれる人がいたから
全体的に暗いお話でしたが見どころ満載の良作でした。
改めて横浜流星くんの力強い演技が心に沁みてきます。
取り巻く人々が良心的な人が多く存在していた事が大きな救いとなり主人公に力を与えたという事だと感じました。素晴らしい作品でした。
↓
心に沁みたラスト
主文・・・・・ 拍手 そして 涙
139
序盤はさながらホラー映画。そこが良い
原作未読。公開を楽しみにしていた作品だったが良い所も悪い所も…
裁判のスピード判決っぷりや邦画特有のテンプレサイコパスが真犯人として出てきた時は少々眩暈がしたが、それもまぁたまには良いかと思える位に横浜流星の演技は素晴らしかった。
全体的にキャストに助けられている作品という印象。
横浜流星以外で名前を挙げるとすれば森本慎太郎の渋い演技が好印象だった。この先を見てみたいと思える俳優だと思う。
そういった意味でも大阪編が一番没入して鑑賞することが出来た。どうしても後半にかけて脚本の粗が目立ってしまったように感じる。
2時間の映画に収めるには原作のボリュームが大きすぎた?演出は良かった。
救いのあるラストは個人的に好み。メインキャスト5人に感情移入出来ていれば、多少粗くても良い終わり方だったと感じられると思う。
キャストの好演込みで星4。
とても満足な2時間
背中に「死」が張り付いている状態って、
自分が今本当に生きているのかわからなくなりそう。
鏑木慶一は「無罪」ではなくて「無実」。
そもそも司法の原則として疑わしきは罰せずなのに。
日本の司法は中世並みと言われるぐらい、今の私たちは現実として肌身に染みている。
そんな判決が昨今ありましたよね。
色んな感情が渦巻いて、その中で信じる・信じられる・信じてもらえた各々のキャラクターの澄んだ瞳が美しかった。
横浜流星を始め演技巧者が揃い、安直かなと思う描写もそこまで気にせずあっという間の2時間。
DASH島の気の良いお兄ちゃんだと思っていた森本慎太郎が今回の掘り出し物。
演者は良い
ドラマも原作も見ていないけど、まあ予告編からも「逃亡者」なんだろうな、と思っていたら、もうまさに「逃亡者」。
別に「逃亡者」が悪いワケじゃない。
じゃあ、軸は「逃亡者」だとして、物語がサスペンスやミステリーとして我々観客を驚かせたりハラハラさせたり、納得させてくれるかというと、全然そんなことはない。
有名俳優がたくさん出演していて、当然演技も素晴らしく、それを見て心が動かされる瞬間はあったけど、ホントにお話がつまらないし、ウソ臭い。
(この後ネタバレありますのでご注意)
高校生(横浜流星)に極刑?
私も素人なので詳しく知らないけど、「家族を見知らぬ高校生が惨殺」なんて大事件なんだから注目度も高くて、捜査員だって上司だってたくさん揃えて、会議して進めるワケでしょ?
なんか、一人の偉いさん(松重豊)の一存で、一人の捜査責任者が進めたみたいに描かれてるけど、警察はワンマン企業じゃないし、そもそも検察はナニしてんの?
あと、死刑囚が逃げたら、それは捜査担当者に責任があるの?刑務所の管理責任では?
で、真犯人らしき容疑者が現れて、冤罪の可能性が出てきて、警察(山田孝之)も、カギはあのお母さん(原日出子)の「証言だ!」って。
主人公は主人公で、お母さん探しだして「証言して」とすがり付く。
あまりにも展開に広がりがないというか、「そりゃそーだろ」というか、「その程度の捜査で死刑にしたのかよ」というか。
あと、主人公がピンチで刃物を振りかざすのも、それは結果的に彼が「全然賢くない」をアピールしてる感じがする。だって、無実を明らかにするために重い犯罪犯したら意味ないじゃん。
テーマは「人を信じること」って感じなんだけど、それもまあ、(こういうこと言いたかないが)こんな美形男子に対して「信じましょう」っていう筋立ては簡単。今回は女性記者(吉岡里帆)と女性ヘルパー(山田杏奈)が「信じます」側だけど、そこには恋愛感情みたいなものも見えかくれするワケだし。
主人公が小太りの髪の薄い中年男性ではこの話は成立しないとなると、男前だから信じられやすいってことで、結局「内面だけじゃなくね?」ってならないだろうか。
一方で冤罪の恐ろしさを伝えたいのであれば、冤罪が作られる構造をこんなに雑な単純化をされたら、まったく説得力がないし、むしろメッセージとしては逆効果な気さえする。
とにかくストーリーが、観ている我々の想像を全然超えてこないという肩透かしが最後まで続いたのはやはり評価できない。
繰り返すけど、横浜流星をはじめ、役者たちはすごく頑張ってる。山田杏奈とか森本慎太郎はグッと来たし、駿河太郎のクズっぷりも良い。
シーンで言えば、マンションから飛び降りる辺りからのワンカット風のシーンも良かった。
横浜流星って、丸めた背中でも「中に筋肉が詰まってる」のが分かるタイプの体型だから変装もリアルじゃなくなるね。「ベンゾウ」なんてもうコスプレにしか見えないし。
役者が普通だったら★も3つあげられたか疑問。
予告にやられた
映画を観に行く→予告が流れ観に行きたくなる→映画を観る…無限ループか!
良いカモではないか〜い!
とまぁ、本作品もそんな感じで観たくなり、行ったわけ。
結果良かった〜←やはりカモ?
ただ、予告にあったシーンが見当たらなかったのは気のせいか?
あの長い吊り橋を鏑木君が走ったシーン。
見落としてた?汗
鏑木君が人を信じようと諦めなかったのは良かった。
周りにも助けられて、輪が広がっていく感じ。
ほっこりさせられる。
やはり滲み出る人の良さはいくら変装しても隠せない、多分。
しかし、最初の職場の寮のトイレ。
警察に通報しようとする仲間のところへ行った鏑木君、めっちゃホラーだったよ〜。
ちょっと台詞回しが長いというか、くどい気はしたが、概ね落ち着いていてよかったかな、と。
それにしても松重豊が一番の悪ではなかったか?
後を絶たない冤罪、こんなことあってはいけない。
大逆転勝利(消音)。涙の満点5.0
こんな真面目な青年が。。。
何故 死刑囚なんかに。それも 当時 高校3年生。突きつけられたタイムリミット。生か死か。。脱獄成功と逃走で とにかく 最終的に やり遂げないと いけない証言が。。ましてや 信用のない死刑囚なので。。話が進むにつれて 遂に 真犯人が分かるけど。。しかし 待ち受ける警視庁と 刑事。。初動ミスが 原因で こんなデタラメな事になったのを 今更 誤認逮捕とか 。このまま押しきろうと企む 警視庁トップが 「犯人は鏑木慶一です。つまり本件においては 真実が重要じゃないんです。」 って これ ありなの? 馬鹿げた発言に 最後の最後に どんでん返しがホントに あるのだろうか? とても不安でした。。しかし 刑事 山田孝之 やってくれました。。最後の最後 信じてました。。公開中の映画 十一人の賊軍にも 出演。逃げてばかりの役でしたが 最後の最後に やってくれました。 最高でしたね。。逃走先々で 鏑木と出会った人達が 冤罪を信じる街頭活動と 面会での それぞれの言葉掛けに 心を打たれ 涙が溢れました。山田孝之の最後の面会シーンでの 鏑木に 「どうして 逃げたんだ。」の 問いかけで 当たり前なんだけど その数々の答えに 更に涙が。。ヤバかった~ かなりキツかったけど 泣けましたね。 前半の 養護施設の園長の言葉は 見所で スゴく胸に刺さりました。山田孝之に向かって 「神に誓って そう言えるのね。貴方たちは 奪ったのよ。。」 って ここが ポイントでしたね。 とても インパクトがあり 重くのし掛かる言葉でした。。『信じる』がテーマの この作品 スゴく 良かったです。。杏奈ちゃんて カムイのアシリパさん。メチャクチャ あのイメージ強くて 寒空の雪が スゴく似合うなぁ。
この世界を信じたい‼️
「この世界を信じたい」‼️そんな映画ですね‼️凶悪事件の犯人として、死刑判決を言い渡された無実の青年が脱走し、様々な場所へ逃走し、潜伏していく中での刑事たちからの逃走劇と、出会っていく人々との交流を描いた作品‼️逃走劇としてはちょっとディティール不足かな⁉️主人公は建設会社で働いたり、コラムニストしてたり、水産工場で働いたり、看護師したりしてるんですけど、例えば身分証や看護師の資格証の偽造とか、吉岡里帆のマンションから川へダイブした後に、どうやってあれだけの警察の追跡を交わしたのか⁉️などの細かい描写を加えて欲しかったですね‼️そして逮捕された事件のフラッシュバックと、真犯人による新たな殺人事件のシーンが擬似していて、構成的にちょっとだけ分かりにくかったりする‼️そして横浜流星の変装シーンが、最初のボサボサ頭、太メガネ、ヒゲ面はいいんですけど、他のシーンは明らかに横浜流星で、すぐ通報されるだろうとツッコミ入れたくなる‼️ただ主人公は自分の無罪を証明したく逃走を続けるんですけど、自分を追う刑事を信じ、証拠の決め手となった被害者家族のことも信じ、そして主人公と関わった人たちは主人公の人柄と無罪を信じる‼️世の中そんな甘っちょろくはないと思うんですが、この作品の終盤はそんな人間の善意に満ちた展開で、心が温かくなりました‼️無罪になってヨカッタ〜‼️
人を信じる
冤罪って怖いよなーこんな杜撰なパターンはあり得ないと思うので警察の方は怒っていいと思うけど、笑。殺してないかもだが、過程で暴行、窃盗、立てこもり、器物損壊しまくってるので、他の罪には問われるだろ。
なんていう冷めた目を除いたら全体的には面白かったです。いろいろ表情を変える横浜くん良かったですね。ちょっと年齢もうちょい若い方がしっくりくるけど。でもカッコいい。吉岡里帆や山田杏奈とか好きな女優たちがかわいかった。素敵でした。
「正体」
私は流星群ですからね♪(流星君のファンの事をそう呼ぶらしいですw)
超楽しみにしていました。
加えて藤井監督作品ですからね。
朝イチでダッシュ٩( 'ω' )و
以前から目にしていた予告からして堪らん感じ&ヨルシカの主題歌が良過ぎる!
森本君の「お前こんな顔してたのかよ」で、泣き確!
それなのによ??
入場前に「正体」のリーフレットらしきものを貰い喜んだのも束の間、イオンカードの勧誘で萎えた(°▽°)
捨てにくいじゃないか!
おまけに着席して流れたコラボ(?)CMに又萎えた(°▽°)
何でこんな事するん〜??
嫌がらせか(°▽°)
これから観る作品の世界観が台無しになるやんけ!ちょっと考えろし。。
と、大きなため息が出たものの、朝イチ回でも中々の客入りで、皆さんの期待の高さが伺える。
藤井作品にしてはパンチに欠けたか?
エンタメに振ったのだろうご都合主義感は否めないものの、まぁそこは論点ではない。
と、思う反面、藤井監督の願望や希望を表現した内容になっていたのかなとも思った。
そして敢えて敷居を下げたことで冤罪について多くの人が考えるきっかけになればという想いもあったのかも。。
「信じる」という言葉がこの作品の中心にあったと思いました。
個人的に脚本は弱々だったと思うのだが、演者の重みのある芝居でカバー出来ていたと思います。
山田孝之の無表情の目力の圧!!
何も悪い事してないけれど、何か白状しちゃいそう(°▽°)
流星君の5変化も見所です。
実際に罪を犯した人間が、変装をして逃げ続けているなんて言語道断だが、鏑木(流星君)が逃亡中の死刑囚だなんて気付かないかもなと思った。
(彼が誠実な人間として他者と関わっていた事もあったが)
劇中でも触れていたが、特に都会じゃ他人の顔なんてじっくり見ない。
少しばかりの関わりじゃ、関心もないし気付かないのもリアルなのかもしれません。
徐々に明かされる逃亡劇の真相。
この"逃亡劇"にはちゃんと理由があって、まず、ジャンプ(森本君)と出会った工事現場で資金を集める為に働く。
次に、沙耶香(里帆ちゃん)と出会ったメディア会社(なのかな?)では自身の事件の情報を集めるためにライターとして働く。
そこでよしこ(原日出子さん)の証言が決定打となった事を知る。
その後、よしこの妹(西田尚美さん)の働く工場で働きはじめ、よしこの居場所を突き止める。
最終目的地、まい(杏奈ちゃん)と出会ったケア施設でよしこと接触し、証言を撤回してもらうこと。。。
これこそが鏑木の逃亡の理由だったのだ。
彼は本当に凶悪な事件を起こした殺人者なのか?それとも。。
そして「冤罪」について。。
こちらはかなり重いテーマ。
冤罪をテーマにした作品は他にもありますが毎回心が折れてしまいます。
メジャー作品だと「それでもボクはやってない」がありますね。
その中でも触れられていますが
「10人の犯人を取り逃しても、1人の無実の人間を犯人にしてはならない」
というような言葉が出てきますが、強烈に心に残っていて、本当にその通りだと思います。
8月に観た「マミー」も衝撃を受けました。
現実でも
無実の罪で何十年もの間拘束され、疑われ続け、自由を奪われ、精神的にも病んでしまったあの男性の事件を思い出します。
言葉では表現できない様々な感情が押し寄せてきて、心が折れてしまいます。
無罪判決が出たとしても時は戻せない。。
川田(松重さん)みたいな強引な捜査を部下に強要する刑事なんていないと信じたい。
慌しい年末だし、早めに片付けてしまえ。
犯人と思われる人物もその場で拘束できた、被害者家族の生存者の女性・よしこ(原日出子さん)の証言もとれた、18歳という年齢でも極刑が下されるというよい見せしめになるじゃないか。
人の一生を左右する重大な決定をこんな理由で"処理"出来る人間がいるなんて、映画の中だとわかっていても怒りの感情が湧いてくる。
現実でも冤罪事件は起きている。。
「疑わしきは被告人の利益」
裁判というと"人を裁く"という印象ですが、実際は、検察官が合理的な証拠を提出出来たかどうかを判断するものですよね。
証拠に基づき、検察官の言い分に確信が持てるか。
確信が持てなければ被告人の有利な方向で判断しなればならない。
鏑木事件は、この大前提に守られず、起きてしまった悲劇だった。
(沙耶香の父の痴漢の件も同様か)
やはり生存者で犯人の目撃者であるよしこの証言が決め手になってしまったのだろう。
鏑木は凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑宣告を受ける。。
施設育ちで18歳で逮捕された鏑木。
逃亡生活の中で"初めて"経験するあれこれ。
初めての友達、初めてのビール、初めての焼き鳥、初めての恋?
(あの焼き鳥の食べ方にはビックリw
一本取ってひと口パクッ!又取ってひと口パクッ!
演出なの??細かいww)
初めて「君を信じるよ」と言ってもらった。
彼の中の溜まっていた苦しみ悲しみが溢れ出し、ずっと言って欲しかった「信じる」という言葉をかけられた時の気持ち。
あの涙は苦しかったけど、やっと流せた涙だったね。
味方が現れたようで嬉しかったのだろうな。
逃亡中の鏑木を追って施設を訪れた又貫(山田君)が見たもの。
死刑囚となった鏑木が育った施設という事で、名もなき"善人達"に攻撃されたのだろう。
窓ガラスは割られ、枯れ葉が入り込み荒んだ部屋の様子から"兄弟達"ももうそこで暮らせなくなり離れ離れになってしまったと想像出来る。
関係のない人々が巻き込まれた、とても苦しいシーンだった。
面白半分なのか、正義感なのか。
攻撃し、"晒す"事を正義とする一定の人間が存在する事の恐怖。
藤井監督の想いが込められたシーンだったと思う。
又、最終的に、大きな国家権力に飲み込まれずに、自分が見たものを信じて、刑事として正しい行いをした(冤罪の可能性を認めた)又貫の姿に希望を感じた。
まだ18歳だった鏑木を死刑判決に追い込んだ自身の捜査は間違っていたのでは。。彼の中の正義がずっと揺らいでいたのだと思う。
逃亡中の鏑木と関わり、彼の優しさに触れ、彼を支援しようと動き出した人々の気持ちが暖かかった。
鏑木は容姿こそ変えていたが、彼自身の心は偽らず、誠実に皆んなと関わっていたからこそ、この支援の輪が広かったのだと思った。
人間を突き落とすのも救うのも又、人間なんだなと思う作品でした。
「正体」
とても考えさせられるタイトルでした。
。。。やっぱり触れたい終われないw
流石の太郎ちゃん!!いつの間にこんなに凄い役者になったのかw
もう本当にコイツはぁ〜!!と思わされ嫌いになりそうでした。
ブラック過ぎるでしょ!改めなさい!年配者に何だあの態度は!
ギャフンと言わせたかったぁ〜!!
アイドルさんなのは知らないが、いくつかの作品で目にしている森本慎太郎君。
偉そうですみませんですが、彼の芝居が良いのです!
いい味出してる。表情や仕草など細かく見てしまう、私の中ではしっかりと役者さんです。
原日出子さんはもちろんだが、本作での西田尚美さんがすごかった。
美人は封印。精神的に参ってしまった姉を守る事に注力し、自分も疲れ果てている"おばさん"を見事に演じておられました。
痴漢弁護士としてバッシングされ追い込まれていく自身の姿と重ねたのだろう。
娘と一緒に鏑木の冤罪の可能性にかけて尽力する安藤の姿が胸を打つ。
田中哲司さん、控えめでしたが重要な役割を担っていました。
メディア会社の沙耶香の上司・宇野祥平さんの役としての存在の仕方と雰囲気が好きでした。
(ラストマイルのWしょうへいが記憶に新しい。
日野正平さんご冥福をお祈りします)
メディアといえば。。
TVが本当の事を(つかめず?つかんでいても尚?)報道せず、SNSの力によって真実に迫っていく様子も皮肉でした。
懸賞金が上がるにつれ過剰に煽るような報道の仕方もイヤでした。。
わかるけど。。(°▽°)
里帆ちゃん杏奈ちゃんも安定の芝居で作品にリアルさを増していたと思います。
流星君の迫真の芝居は見応えあり、感情も動かされましたし、ラストも肩をなでおろす展開で後味は良いものの、今回の藤井作品。。
達者な役者が支えてくれた印象かなぁ〜。
あっ!個人的に矢柴さんが出てきたら要観察!なので、気にしていたのだけど、フツ〜のパパんでしたw
タイトルなし(ネタバレ)
いい役者、いい演技…なんですけど…なんだかのれなかった。
そしてココのレビューもいいだろうなぁ…と思ったらやっぱり好評のようで…。。
「逃走」自体や、「逃走中の犯罪」は、また別で裁かれる必要があるわけで、そこらへんはなんともご都合主義に思える。
そういった雑音も「意外な展開」や「圧倒的なカタルシス」があれば打ち消すこともできるが…なんか順調に残り時間を消化されてしまって…う~ん。
いい役者、いい演技だけに、構成をもう少しアレンジできたらよかったかな…と思う。
冤罪事件を扱った社会派ファンタジー
エンターテインメント映画として、私は楽しめました。
※原作未読、ドラマ未視聴です。
冒頭の死刑囚である鏑木(横浜流星)が救急車から逃げるシーンや
お金を持っていないはずなのに、いろんなところに転がり込んだり
仕事を見つけて何とか1年近く逃亡し続けているのは、
ちょっと理解に苦しみましたが、ツッコミを入れると面白くなくなっちゃうと思い、
ファンタジーだと割り切って鑑賞しました。
各地で出会う人たちが、みんな鏑木を好きになっちゃうところもすごいなと思いましたが
そういう魅力的な人なんでしょうね。
鏑木は21歳ということで、高校生のときに死刑囚になって以来、社会に出ていないため
世間知らずなところはあるものの、よく仕事を見つけることができたな〜と感心しました。
学業は優秀という情報は出てきていましたけれども。
そして、刑事の又貫(山田孝之)をも感化してしまう
(もともと犯人なのか?という疑問はもっていたようですが)ところもすごいなと思いましたし
その最たる場面が、記者会見での又貫の今までをひっくり返す発言でした。
ラストは逃亡から3年足らずで無罪判決を勝ち取るというスピード決着&ハッピーエンドは
現実世界だと違和感ありありながらも、ファンタジーだとカタルシスを感じました。
このあたりはさすが藤井道人監督だなと思いましたね。
ちょっと無理があるんちゃうん?と言いたいところではありますが、
俳優陣が魅力的、上述のおふたり以外には特に吉岡里帆と山田杏奈がステキでした。
他の俳優陣もしっかりと固めていて、存分に演技を堪能できたので、よかったです。
もっと冤罪事件を徹底的に掘り下げる、キリッとしたつくりあがりにもできたとは思うものの、
フィジカルにエンターテインするつくりにした藤井道人監督は、私としては期待通りであり、
今後も追っていきたい監督です。
横浜流星には来年の大河ドラマ、頑張っていただけると思いますし、楽しみにしています。
「1.5章」より先が抜け抜け(個別の採点においてネタバレを含みうるので注意)。
今年422本目(合計1,513本目/今月(2024年11月度)28本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
ネタバレありにしていますので、個々のストーリー紹介ほかはほぼほぼすっ飛ばします。
一人の法律系資格持ち(行政書士持ち)の立場からのレビューです。
うーん、どうなんだろう…といった作品です。作品自体は冤罪を描く映画で、これまた年に何本でもある作品だし、つい1~2か月に正式に確定した袴田事件を扱う映画でもないし、一方であるいはこの手の映画でありがちな「無茶苦茶な警察組織」の論点もテンプレ通りであり、かつ法律系資格持ちは途中からストーリーが抜け抜けで何を言ってるのかわからない展開になるのが極端に厳しいといったところです。
救いはハッピーエンドであること、あるいは「法律ワードが極端に出てこない」ことくらいくらいだろうと思います(後者は出す度合いによっては詰まる方が確実に出てくる)。
採点は以下のようにしています(3.2を3.0まで切り下げたもの)。
ネタバレありにもしていますし、理解の参考になればと思いますので詳しめに書いておきます(法律初学者の方でもわかるように書きました)。
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(減点0.5/冤罪を描く映画としてストーリーが明確に変)
第一審は地裁から始まっていると思われますが、その後最高裁まで描かれないため(刑事裁判においては、単に量刑不当を訴える等は上告が制限されます(刑事訴訟法。以下、刑訴法))、かなりヘンテコな展開になっています。もっとも、日本においては特に殺人罪など「死刑か無期懲役か」というような裁判に関しては国民の関心が高いこと、また誤審を防ぐために最高裁での審理は通常行われます。
ただ、その描写がないので第一審での有罪判決のあと控訴していないものと思われ、一方でその一方で冤罪を描くのは明らかに理論が矛盾しており(この点は後述)、何とかならなかったのかなという気がします。
(減点0.3/女性に関しての犯人隠匿罪関係)
犯人隠匿罪は、「懲役1年以上の罪の被疑者または、現に逮捕・収監されているものの脱走者」をかくまうことで成立します(刑法103条)。かつ、この罪は「無罪、冤罪、勘違い…」の場合でも「とりあえず取り調べをして、勘違いだったら帰ってもらえばそれでよい」ので(換言すれば、罪を犯したものを逃がさない、という趣旨の条文)、本人が無罪か冤罪か、あるいは具体的に何罪で問われているかまで問わずに成立します(判例)。これはこれで別の問題でちゃんと扱わないとまずいのではと思われます。
(※) ただし、刑法だけならともかく、個別の行政法規など一般人が知らないような事情まで本罪に問うのは酷に過ぎるので(特に何が「懲役1年以上の罪か」まで把握している人はまぁいない)、適用例は多くはないですが(毎日、死刑が確定するような事件が起きる国のほうが嫌)、少なくとも連日報道されている、それも死刑の脱走者の隠匿はほぼアウトです。
(減点0.3/裁判所の判決)
刑訴法における裁判での有罪無罪(「無罪」も含むので注意)には、主文のみでは足りず何をもって有罪無罪とするかの「理由」が必要です(刑訴法44条)。これは、それを不服として控訴上告する側は理由が不明であるからであり、また広く「なぜ有罪か無罪か」かが示されないと(無関係の)国民も理解できないからです。このことは冤罪を争う再審においても同じ話です。
((まとめて)減点0.7/「第1.5幕」以降の扱いが全般的に不足している)
(0.2) 再審における無罪の言い渡しは検察官側の控訴上告を放棄しないか最高裁のそれでない限り確定はしません(刑訴法。いわゆる四大冤罪事件の冤罪確定までの道のりが極端に長期化したのもこのことが理由)。この部分は暗黙に省略されているものと思いますが、映画の趣旨を鑑みるに少しでもちゃんと描くべきところです。
(0.2) 冤罪が確定すると「刑事補償法」に基づいて本人に補償金が支払われますが(通常は最高額の1日あたり12,500円で補償される)、ここで(元)被告人にも落ち度があるようなケース(裁判に非協力的である等)は金額上調整されえます。この点は最初に書いた「冤罪を訴えるのに控訴放棄したとみられる部分」にも関係しますので(途中から「死刑を言い渡された被告人」から「死刑囚」になっているので映画のストーリーが途中ワープしているようにも思えるが)、二重にまずいところです。
(0.2) 上記のことと国家賠償法とは別の話なので、今度は国を争って国家賠償請求がスタートしますがここも完全カットされています。ただこのことは映画の論点ではないのでまぁ仕方なしとしても、冤罪確定や刑事補償法での補償とは別の問題ですので(どちらかが成立すればもう一方が排斥されるといったものではない)、扱いはきちんとすべきです。
(減点なし/参考/外国人関係) このような冤罪による誤認逮捕などは日本人以外にも当然発生します。一方で国家賠償法6条で「外国人に対しては、その国において自国民(=日本人)に対して同様な規定がある場合、相互に補償する」という「相互補償規定」が存在します。
ただ、通常、適法非適法とわず、在住する外国人の大半にはその出身国の立法権など持ち合わせていないのであり、もともと国家賠償請求は誤認逮捕や「国立、都道府県営のビルがいきなり落下して下敷きになった」等の争いに対し「国の償い」であって、当該諸外国で「そのような法律が日本人に適用されない、または存在しない」ことをもって補償しないというのは極めてヘンテコな話なので、この規定は原告被告も事実上争わない運用になっています(特に日本では、北朝鮮・台湾のように「独立国家としての認知問題」という複雑な問題も明確に抱えるため。この国賠6条はもともと日本の敗戦後「全てに補償していたらきりがない」という事情で作られたものの、2024年時点ではかかる趣旨がそもそも妥当しない)。
(0.1) 被害者の生存者は正しい証言をしていれば何の問題も発生してなかった事案なので、不法行為(709条ほか)に基づく民事訴訟が考えられますが、日本においては事実上タブー扱いなので(日本におけるいわゆる四大冤罪事件や匹敵する事件でも「ちゃんと証言すれば問題にならなかったのに」という民事裁判は元被告から遺族(のうち、軽傷重傷など。要は亡くなっていない、という意味)には起こされていない。不法行為における排斥期間の論点ほか複雑な問題もありますが)、この点もすっ飛ばされた模様です(ただ、実際に裁判を起こされるとかなり面倒(これ一つを主軸にした映画のストーリーさえ作れうる)。刑事補償や国家賠償と民事訴訟での補償は別の話なので、3つ全部起こすことも可能)。
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(減点なし/参考/主人公が異様に法律に詳しいのは何故か(序盤の労災隠しのお話))
死刑確定後にも冤罪を訴える場合、弁護士との接見において法律を知る必要があるためで、逆に懲役(禁固)と違って極端に「すること」が限られる現状、六法を読むくらいしか時間のつぶしようがないためです(この点、確定囚に六法の貸与を認めなかった点について日弁連だったかが人権侵害で勧告したケースが存在します)。ただ、一般的なハンディサイズの六法に掲載されている個別の労働法規はせいぜい労働基準法くらいではないかと思います(いきなり安衛法やらマニアックな法律の話をするのは謎)。
(減点なし/参考/労災隠しが起きる理由)
この点は専ら社労士ネタだと思いますがどなたも書き込まないと思いますので、もともと社労士試験自体が行政書士試験から分離した事情(昭和55年)も鑑みて知る範囲は書いておきます。
もともと通勤・労災については全額が事業者負担です(いわゆる給与明細参照。これらの項目は存在しないはず。雇用保険は引かれる)。
一方で労災申請にかかわって、労災保険の負担は「過去にどの程度申請があって認められたか」によって、認められた率や業種によってその負担額が異なるようになっています(「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」。一般的に「徴収法」という)。この制度を「メリット制」といいます(労災が多いと負担が増えるので「デメリット制」ともいいうる)。
このため、事業者としても労災申請の申請自体を認めると負担額が増えるため(最終的に労災認定不認定を決めるのは労働行政の側です)、ということになります(ただし、業種によって負担率は機械的に決まるものの、特に工事現場等といった事業で何ら労災申請が一切発生しないのも逆に労災隠しを疑われるため、逆に少なすぎてもチェックされうる)。
(※) このあたりは完全に社労士ネタかなと思うのですが、こちらに話題を飛ばすと映画の方向がおかしくなるので(再審査請求やら行政事件訴訟法、あるいは個別の労働法の話をすると誰もついていけない。過去に社労士ネタ映画ってあったっけ?)、完全にすっ飛ばされた模様です。
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