正体のレビュー・感想・評価
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原作をブラッシュアップした映像化作品の成功例
横浜流星主演の原作付き作品ということで気合が入り、公開日を聞いた時期に染井為人の原作を読んだ上で観に行った。
(原作の内容と結末にも触れる感想になるので、これから原作を読みたい方はご注意ください)
最近キャスティングの上手い邦画が増えてきた気がして何だか嬉しい。特に、実力とビジュアルで鏑木役に横浜流星以上の適任はいないのではないだろうか。ビジュアルというのは、原作の鏑木もくっきりとした二重に通った鼻梁、ネットで写真を見た舞(映画では酒井杏奈)に「わりとイケメンじゃん」と思わせる容貌だからだ。
そんな彼が、背中を丸めたベンゾーからおだやかな佇まいの桜井まで、七変化ならぬ五変化の姿を演じる様は見応えがあった。逃亡中、世を忍んだ生活でほとんど喜怒哀楽をあらわにしなかった彼が、沙耶香(吉岡里帆)の言葉に泣き、井尾(原日出子)と対峙して感情をほとばしらせる姿には胸が詰まった。
他のメインキャストのジャンプこと和也(森本慎太郎)、又貫(山田孝之)、舞や沙耶香に関しても置かれた環境や心情が過不足なく描写されており、彼らの鏑木との出会いが終盤に集約されていく展開を、限られた時間の中で自然に見せていたように思う。
原作からの変更部分も、よい改変が多かった。
一番驚いたのは、鏑木が死ななかったことだ。原作では、介護施設に立て篭もった鏑木は警官に撃たれて死ぬ。死後にかつて彼と出会った人々が集まって、裁判で名誉を回復するというラストだ。冤罪の理不尽さを描こうという意図は伝わってくるが、あまりに救いがない。
また、原作では鏑木を追い詰めるただの敵対者のようだった又貫が、組織の論理と個人的な良心の板挟みになる人物として描かれていたのもよかった。社会的権力を持つ組織の問題を描く時、その中にいる個人を単純に悪魔化してステレオタイプの批判的描写をしても意味がないと常々思う。組織の構造にスポットを当てる必要がある。本作では松重豊がその説明役を担っていた。
終盤に又貫が組織の意向に逆らい再捜査を宣言する場面は、ラストの無罪判決と並んで希望を感じさせるシーンになっていた。
沙耶香は父淳二の痴漢冤罪と闘っている設定だったが、原作では沙耶香と淳二は赤の他人だ。別の時期に鏑木が遭遇した2つのエピソードを映画ではひとつにまとめた形になるが、これはとてもよいアレンジだと思った。
原作の沙耶香は、映画と同じくライターの那須を自宅に住まわせ、彼が鏑木であると察してもなお彼を守るが、その動機が知り合って数ヶ月の那須への好意や恋愛感情以外に見当たらず、犯人隠匿という危険を犯すには弱いような気がしていた。
それが、淳二を父親にして冤罪の理不尽さと向き合っている人物にすることで、彼女の行動の説得力が格段に増した。
この改変、なんと吉岡里帆のアイディアだという。吉岡里帆すごい。
改変「されなくて」ちょっと残念だった部分もあった。
鏑木が現場で逮捕された時の状況はほぼ原作通りの描写なのだが、特殊な状況すぎてちょっともやもやしてしまう。
それなりに分別あるだろう高校3年生が、室内が血の海とわかっても通報せず入っていくのか? 足利(山中崇)は涎垂らして血まみれのまま出ていく感じだったけど、そんな犯人が全く指紋や足跡を残してない、目撃者も全くないなんてあり得るのか? などなど(他にも言いたいが省略)。
警官現着時に現場で鎌持って血まみれになってたけど犯人ではありません、という超レアケースで冤罪の理不尽さを語るのは適切なのか疑問に思った。
原作では鏑木が現場を通りかかった理由など、さらに不自然な説明がなされていて、悪の組織警察が色々と握りつぶしたことになっていて萎えてしまったのだが、その辺の細部を省いて映像の力で押し切ったのはよかった。
また、事件の設定などの惜しい部分を横浜流星の熱演がカバーしていた。原作の鏑木はあまりにただの善人で実在感がなかったのだが、映画で生きた鏑木を感じられたのは彼のおかげだと思う。
原作の残念ポイントを緩和したこと、鏑木や沙耶香に関する効果的な改変で、個人的には非常によい原作映画化作品だった。星の数は、原作由来の不満点を除いて、脚色の妙と俳優陣の素晴らしさで多めに付けた。
原作についてちょっときつめに書いてしまったが、鏑木を狂言回しにしたオムニバス小説としてはさくさく読めて十分面白い作品。冤罪問題を真剣に考えるたたき台としては物足りないが、エンタメとしてはお勧め。
後半は突っ込みどころだらけで…
個人的に藤井監督作品には、どうも細部が甘いというか、「普通、それはないだろー」みたいな展開が多い印象がある。この映画でも、特に後半ではそういう突っ込みどころが満載でて興醒めしてしまった。
具体的に書く。
・吉岡里帆演じる安藤沙耶香は鏑木が脱走犯(死刑囚)だと気づいて、それでも警察から隠そうとするのだが、これは犯人蔵匿罪という犯罪である。しかも彼女は鏑木を捕まえようとする刑事の妨害をする。明らかな公務執行妨害だ。普通であれば現行犯逮捕され、恐らく起訴もされるだろう。裁判になれば執行猶予付きの有罪判決くらい出るのではないか。
だがこの映画では安藤は、会社は辞めざるを得なかったものの、普通に生活し、鏑木の無罪を訴える活動まで始めていく。犯人をかばった人がその後、普通に生活するのはドラマや映画のあるあるだが、現実はそう甘くないはずだ。
・終盤で、どのように鏑木が犯人とされたかが描かれるが、この経緯で果たして18歳の少年を犯人視し、死刑判決が下るだろうか? 松重豊演じる警視庁の幹部が、「18歳を死刑にしたら抑止効果がある」みたいないい加減なことを言って、それもあり得ないと思うが、百歩譲って、警察が犯人だと主張しても恐らく検察は慎重になるだろう。何しろ唯一の目撃者は法廷で証言できない状態なのである。他にも、例えば凶器の入手経路と鏑木は絶対に結び付かない。調べれば調べるほど、鏑木が犯人だと矛盾する事実が出てくるはずだ。そんなずさんな組み立てで、18歳を死刑にしてしまうなんてリアリティがなさ過ぎる。(それとも袴田事件のように証拠を捏造したか?)
・最終盤で、山田孝之演じる刑事が鏑木に「どうして逃げた?」と聞く場面があるが… それって愚問すぎませんか?18歳で、殺人の疑いをかけられて、誰も信じてくれなくて死刑判決を受けて、いつ執行されるかわからない状態で拘置所にいて、逃げるチャンスがあるなら逃げるに決まってるでしょう。
しかも鏑木の答えが「信じてみたかったんです、この世界を」って… こんなリアリティのないせりふを書かないでほしいし、このやりとりをクライマックスに持ってきたことで、この映画自体が残念なことになってしまったと思います。
ほんとうの正体とは
原作を読み、WOWOWドラマ版も観ていましたが映画版もさすがの仕上がり!
個人的にはドラマ版の方が尺の関係でより深掘りして描けているので好きですが、元が良い作品は監督や役者が変わってもやはりその良さは変わりませんね。
その人のほんとうの姿なんて誰にも分からないものだけれど、彼と関わったまったく関係のない人たちから見た彼の人物像が、その人の正体を炙り出していく。
それは警察や法律が下した判断よりももっと精確で、たしかなもの。
ラストに警察が冤罪を認めて再捜査が行われ、無罪が証明されますが、実際はそんなに甘くないのでそこだけが残念ですが、フィクションなのでそういった希望が観る人に力を与えてくれますね。
冤罪の恐ろしさ…
袴田さん事件を真っ先に思う。警察内部の犯人に仕立てる話は当にそうだろうし、科学的な捜査が行われず、杜撰な捜査や自白の強要等による世に出てきていない冤罪はこれまでも沢山あっただろう。逃亡先で出会う人々が彼の優しさに触れ、殺人を犯すような人ではないと信じるようになるのは横浜流星の持つ透明感の賜物。人々を信じた結果、ラストは救われた。
ストーリー展開には難があるものの…
冤罪判決から逃亡までのストーリー展開には難がある(あり得ない!)ものの、周囲の人物を巻き込みながら(良い影響を与えながら)新たな判決を得る後半の描写は実に感動的だった。
横浜流星と山田孝之の演技は素晴らしかった。二人とも日本アカデミー賞受賞は確実だろう。
信じる、君を。この世界を。
感想
『青春18×2 君へと続く道』が日本のみならず現在アジア各国で大ヒットを記録中の藤井道人監督が手掛ける、極上のサスペンスエンタテイメントが誕生!
5つの顔をもつ逃亡犯の【真相】に心震えるー
サスペンス要素は少ないですがとても良かったと思います。
鏑木が逃亡犯になり、真相を掴もうとするその過程で出会う人たちはみんないい人だったと思います。
大々的にTVで逃亡犯の顔写真報道してもマスクとか雰囲気変えれば人間って全く気付かないですよね…笑
初っ端の口の中を切るシーンは痛々しかったです。
横浜流星の演技が素晴らしかったです。
吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之と主演級の豪華キャストも見所です。個人的に好きな俳優さんばかりだったのも良かったです。
色々事情がある又貫刑事が鏑木を撃てなかったのは冤罪なんじゃないかって疑問があったから、警察の上層部からの圧力に屈せず、自分の正義を貫き再捜査を発表したのは熱かったです。又貫刑事役が山田孝之で良かったです。
警察上層部にクソがいるから冤罪って起きてしまうんですかね…。
足利清人役の山中崇も良かったです笑
ラストも鏑木慶一くんの謙虚で思いやりのある性格が周りの人々を動かした結果だと思います。
※誰が、彼を救えるのか?
短い時間に感動をギュッとまとまってあります!
ドラマ版を前に観た事さえ忘れてしまう位引き込まれてラストは泣けました!
横浜流星さんの演技が凄く良くて、
個人的にはドラマ版より好きです。
重たい内容ですが最後はスッキリします。
よかった
バッドエンドじゃ無くてよかった。
亀梨くんのドラマ版しか観てなくて、原作は未読です。
レビューで原作は結末がバッドエンドみたいな事をどこかで見ていた気がして、ドラマと違ってバッドエンドだったらどうしよ…とドキドキしながら観た。
死刑にならなくてよかった。
ほんと、その前情報があるから原作怖くて読んでない。これで死刑とか、映画だったとしても精神的に耐えられない。
ほんと冤罪の怖さよ…。こんなん観ちゃったら、誰かが助けを求めてても安易に助けに行って大丈夫か、って思っちゃうよ。
つか、東村山住んでるけどそんな田舎じゃないよ!
横浜流星くんの出演作もしかしたら初めて観たかもしれない。良い演技でした。ひきこまれた。
最初の印象と違いますね
慎太郎君がアカデミー新人男優賞に選出されたと聞き、映画館へ。受賞効果なのか23日終了予定が1週間延長されていました。原作を知らず、犯罪を犯した主人公が逃亡する話かと思ったが、第一発見者なのに犯人と誤認逮捕された男の逃亡劇でした。児童養護施設育ちの未成年というだけで警察に充分な捜査をしてもらえず、やっていないという言葉を、信じて貰えない怖さを感じた。
後に協力者となる複数の人物が、指名手配の男と気付くも、その優しく誠実な仕事ぶりから、本当は犯人ではないのでは?と疑念を抱く。その心境が変化していく過程が丁寧で良かった。自分だったら、自分の直感を信じて行動出来るか?甚だ疑問だ。
君には未来を生きる権利がある
年末、施設にいる高齢の母が体調不良で救急外来に連れて行き大事なかったものの、新春「ビーキーパー」1本観たら母がインフルエンザAに罹患し、付き添い、入院、面会等で評判だった映画も観られず。
1月16日(木)
母も無事退院したので施設から近いMOVIX川口でやっと「正体」を観る。
無実の罪で殺人罪、死刑宣告を受けた鏑木(横浜流星)は自傷し搬送される救急車から脱走する。
建設現場作業員、フリーライター、水産加工業者、介護施設職員と職を替えながらある目的のために逃亡を続ける。
高校生の時に冤罪で逮捕され3年後に死刑判決を受けた鏑木には就労経験が無いが、フリーライターを除けば人手不足で就労しやすい。家の近所の工事現場では外国人だらけ、母のいる介護施設の職員も外国人も含め良く変わっている。
それだけにフリーライターで採用された事の説明が欲しかった。
安藤(吉岡里帆)が父親の弁護士(田中哲司)が痴漢の冤罪で有罪になった事で鏑木の正体が判った時もやっていないと信じるのを補完する意味でも、最初のきっかけが何だったのかは重要だ。
私も映画に関するライターの仕事をバイトでやった事があるが、ライターの友人の紹介だった。いきなり出版社から依頼は来ない。何がきっかけだったのか。
安藤は、鏑木がやっていないと信じるから銃を向けた又貫(山田孝之)の腕にしがみつき鏑木を逃がす。「逃げて!」目があった鏑木の唇は「ありがとう」と動く。逃がしてもらえた事ではなく、信じてもらえた事への感謝だったと思う。本作のテーマは「信じる」
(しかし、東京都内であれだけの衆人環視の中、川に飛び込んで逃げ切るのは??ここが一番信じられない)
1960年代に「逃亡者」というTVドラマシリーズがあった。妻殺しの嫌疑がかけられ死刑を宣告された医師リチャード・キンブルが護送中の列車事故で脱走し、真犯人を探してあちこちの町で出会った人たちとの触れ合いを描いた。日本でもヒットした。4年に渡って放映され最終回の視聴率は米国で50.7%、日本でも31.8%だった(あ、これもTBSだ)。
これを元に逃げる医師キンブルをハリソン・フォード、追うジェラード警部をトミー・リー・ジョーンズで映画化したのが映画「逃亡者」(1993)である。追跡、捜査をする内に本当に真犯人なのかと思うようになる又貫は映画版のジェラード警部か。
本作もTVドラマ版があるらしい(未見)が、一部改変して映画向けの脚本にしてあるようだ。それがSNSによる証言のライブ配信で、その最中に署長命令で突入されて鏑木は右肩を撃たれる(鏑木は左利きなので一番ダメージが無い所)。そして又貫は上司の意向を無視し、記者会見で誤認逮捕の可能性に言及する。
ラスト、約3年後の鏑木の再審の判決言渡しのシーン、又貫や後藤も傍聴席で固唾を飲む中、裁判長の主文以降無音になる。しかし、法廷内の風景から無罪になったのが判る。「CODA あいのうた」の無音のような演出。
横浜流星と山田孝之は見事だった。特に上司の署長(松重豊)の理不尽な指示に従うしかない寡黙な刑事の苦悩が良く出ていたと思う。
本作も編集は見事である。また、長野や地方の風景を美しく撮るのも藤井作品か。
1年で二度藤井監督作品に泣かされた。
「青春18✕2 君へと続く道」「正体」と邦画マイベストを2本も撮った藤井監督、今度は公開されたら直ぐに観ます。
ひきこまれた、でもひとつ疑問
山田孝之を魅るために観たけど、横浜流星を初めてちゃんと観た気がします。
ストーリーは良かった。人と人との関わり、つながり、などを感じられた。
最後はハッピーエンド過ぎてありきたり…チープに感じた。
冤罪、無罪だと認められて拍手喝采のシーンがあったけど、あれは実際にありえないのでは。
海外ならまだしも、日本で法廷という重んじられている場であんなに日本人が感情を爆発することは映画ならではの絵空事?
リーガルハイでコミカド先生が拍手して侮辱罪だと言われていたような…これもドラマだけど。
真実
WOWOWドラマ、主人公亀梨君で観ていたので内容知りつつ鑑賞
横浜流星君も良かった
無実の罪で捕まり、
逃走するなかで
色んな人に出会い
知識を蓄え、無実をつかむドラマ
再度捕まり、面会の場面で逃走した時に出会った人達とのシーンには
まんまと泣かせられる
正しい事を正しいって言える自分でいたい
横浜流星×森本慎太郎のタッグをまた観たい
始まってすぐ、かなり激しい暴力の演出に引きつつ…
どうやって服変えれたの?仕事なんでできてる?とかはいいこっなしの、仕事を変え、人相を変え逃げまくる横浜流星
そりゃ、その美しさと儚さに女たちはメロメロになるわ
とはいいつつ、この映画の功労者はなんといっても
森本慎太郎
ドラマ『だが、情熱はある』の演技、最高でした。
また演技が見たいと思っていたら…やっぱいい男
話の内容としては、映画の2時間でまとめるにはいい感じに落ち着いたハッピーエンド。
しっかり泣きました。
微妙なツッコミとしては
『なぜ逃げたのか?』という問いに対して
『人の優しさに触れたかった。信じたかった』
みたいなこと言ったけど…
いやいや違うじゃんw
『死刑になってたまるかーーー!!
記憶喪失のおばちゃんに真実を話してもらうんだ!!」
って思ったから、どうにでもなれ!
ってあんな警察をボッコボッコにして逃げたんでしょ?
最初はこう思ってたけど、人の優しさに触れられてよかった
とか、なんとか言って語ってほしかった。
うすーーーい言葉になんじゃそりゃ!ってなったかなw
でもそれ抜きにしても評価の良き映画!
単調すぎる
物語が予想通りに進みすぎてて、伏線とかが好きな人にはつまらなく感じると思う。
例えば途中の
「僕にはやらなきゃいけないことがあるんです」
というセリフも結局自分の無罪証明をするだけの話で終始意外な展開がなかった。
あと所々違和感を覚えるシーンもあった。
演技力や演出は良かったと思う。
横浜流星の正体
横浜流星の演技は終始素晴らしかった。
逃亡犯鏑木慶一を生きていた。
涙がボロボロ出るかと思ったがそうではなかった。
彼と一緒に人生を歩み、かすかな光に同じように藁にもつかむ思いで祈り、そして最後には一筋の希望を一緒に感じられた。
ただ、18才の高校生の人生を奪う根拠があまりにも弱すぎた。
ありがちな設定だが、さすがにそんなに短絡的じゃないだろうと思ってしまった。
原作を知らないので、映画の時間枠に収めるために仕方がなかったのかもしれないが、もう少し演出がほしかった。悪者になりがちな警察上層部だけど、さすがに根拠が弱すぎて憎みきれず。
「正体」というタイトルに期待しすぎたのか、
「正体という映画を見た」というより
「横浜流星の正体を見た」というのが相応しい映画。
藤井監督が横浜流星に惚れ込んでつくった作品というかんじに思えた。
惜しい!
シンプルなストーリーなので、途中から恐らくこうなるであろうと展開が予想できる。
日本の警察組織はやはりダメダメだと思う。これは映画だからとかではなく、実際にもこの映画のようにいかに速く解決するかにしか焦点を当てていないから。そんなことだから、袴田事件のような決めつけの冤罪がいつまでも起きるのだろう。
今回の映画は高得点がついてるだけに見応えは充分にあるし、現代社会だからこその方法で民衆を味方につけたのは流石だ。その手があったか!!と思わず拍手をしそうになった。
ただ1点だけもったいないと思った点がある。それは、役者の演技力は間違いなく素晴らしいのだが、悪役が悪役にならない。松重豊も山田孝之も本質的にいい人すぎるから。その影響からなのか、観てる側の心の揺さぶりが少ない。これが憎たらしいほどの悪役がこの2人の役を演じてくれたら、憎らしさで腹立度が高まり、そこからの大逆転が起きたら、感動はMAXになっただろう。いい人が悪役をするのは、せっかくの持ち味を壊してしまう。
誰が的役者か考えてみるのも面白いと思う。
いや そこじゃないっていうのは、はい。
美味しいハンバーグが作れる、料理がそこそこできる人はチェーン居酒屋の焼き鳥で「こんなにうまいものを食ったのは人生で初めてです 」などと言うクソ陳腐な言葉は発しません。あと、初めにもうちょい前菜的なもの挟みませんかね。 いきなり焼き鳥 だけ ドーンなんて食い物のセンスねえな。
っていう感じのが控えめに言ってあと15個ぐらいはありまして。全く引き込まれず。だいぶ雑に作られた話だなと思いました。そもそもあんなスピード判決で死刑は出ませんやね。
知らぬうちに入り込んでた
横浜流星、今まで言うほどうまいともかっこいいとも思ってなかったけど、この映画見て一気に見方が変わった。凄みがあったし、かっこよかった。特に最後のシーンの表情の移り変わり、本当に純粋な高校生に戻っての魂の叫びが伝わって涙止まらなかった。
ストーリーはあらかたわかるのに、すんごく集中して入り込んで。周りの咳とかでふと我にかえる感じだった。不思議。
実際はここまでなんの関係もない無垢な存在が冤罪で死刑にまでなる?というのはないのでは、という気はする。。それとも原作では何らか怪しい背景があったりしたのだろうか。直前まで血塗れの犯人がいたのに?しかも法律家目指すほどの思考能力あるのに?でも施設育ちで頼る人がいないとかも影響するのだろうか。。
私が冤罪になったとて真剣に庇ってくれる存在が家族以外にどれだけいるだろうと考えると切なくもなる。。
ジャンプくんは分かって一瞬で通報したんだよね、なぜそれでまだしれっと友達と言えるんだ?が謎でした。あと勝手に人の写真をsnsにあげなさんな。。
でもみなさんよかったです。山田孝之さんも吉岡里帆さんも松重さんの憎たらしさも流石の演技派揃い!
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