「無視できない不自然さがある」正体 ヤマオカタダシさんの映画レビュー(感想・評価)
無視できない不自然さがある
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殺人事件の被告人として死刑判決を宣告された男・鏑木慶一。護送中に警察官(刑務官?)の隙を見て逃げ出した彼が、逃亡生活の中で様々な人間に出会うというお話。
全体を通して「ん?」と思ってしまうシーンが散見された。話の取っ掛かりなので仕方がないと言えばそれまでだが、死刑囚の護送があんなにガバガバでたまるか。土木作業の現場に流れ着くまでは良かったが、そこで発生したトラブルに何故か積極的に首を突っ込む。正体がバレそうになって逃げたかと思えば、第二の逃亡先でも人と顔を合わせる職業を選び、挙げ句の果てには良い感じになった女上司と同棲。およそ逃亡犯のすることではなかろう。
最終的には(冒頭で鏑木が死刑判決を受けていた事件の)真犯人が捕まる。鏑木や警察の執念が身を結んだのではない、犯人の方から勝手に捕まりにやってくる。尺と展開を意識した素晴らしい犯人だと思った。
それから、これは細かいことだが、最後の裁判のシーンに裁判員は要らなかっただろう。鏑木は既に死刑判決を受けている身なので、上訴審にしても再審にしても裁判員は入らないはず。
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