「隠れた傑作」正体 すんさんの映画レビュー(感想・評価)
隠れた傑作
クリックして本文を読む
あまり世間では話題に上がらないなと思いつつ、前から気になっていたので鑑賞。結論から言えば見てよかった、隠れた傑作だった。
主演の横浜流星の演技はもちろん良かったが、やはり目を惹くのは吉岡里帆と山田孝之の演技だった。吉岡里帆の演技をあまり見たことがなく、上手な印象はなかったが、こんなに上手かったっけ?と思ってしまうくらいには良かった。特に再度捕まった鏑木と面会するシーンでは思わず泣いてしまったし、最後の判決が言い渡されるシーンでは判決を無音にし吉岡里帆の表情で伝えるなど、監督の演技に対する信頼感すら感じた。
ストーリーとしては冤罪を主張する死刑囚が逃亡の中で関わった人達の人生に良くも悪くも影響を与えていくといった、悪く言えば今までにもありそうな内容だったが、昨今SNSでの誹謗中傷が激化する中で、臆さずに「正しいことを正しいと主張する」ことの大切さを改めて気付かせてくれる、社会風刺にも富んだものだったと思う。
2024年の邦画傑作と名高いミッシングにも、勝るとも劣らない隠れた傑作である。
コメントする