「冤罪事件を扱った社会派ファンタジー」正体 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
冤罪事件を扱った社会派ファンタジー
エンターテインメント映画として、私は楽しめました。
※原作未読、ドラマ未視聴です。
冒頭の死刑囚である鏑木(横浜流星)が救急車から逃げるシーンや
お金を持っていないはずなのに、いろんなところに転がり込んだり
仕事を見つけて何とか1年近く逃亡し続けているのは、
ちょっと理解に苦しみましたが、ツッコミを入れると面白くなくなっちゃうと思い、
ファンタジーだと割り切って鑑賞しました。
各地で出会う人たちが、みんな鏑木を好きになっちゃうところもすごいなと思いましたが
そういう魅力的な人なんでしょうね。
鏑木は21歳ということで、高校生のときに死刑囚になって以来、社会に出ていないため
世間知らずなところはあるものの、よく仕事を見つけることができたな〜と感心しました。
学業は優秀という情報は出てきていましたけれども。
そして、刑事の又貫(山田孝之)をも感化してしまう
(もともと犯人なのか?という疑問はもっていたようですが)ところもすごいなと思いましたし
その最たる場面が、記者会見での又貫の今までをひっくり返す発言でした。
ラストは逃亡から3年足らずで無罪判決を勝ち取るというスピード決着&ハッピーエンドは
現実世界だと違和感ありありながらも、ファンタジーだとカタルシスを感じました。
このあたりはさすが藤井道人監督だなと思いましたね。
ちょっと無理があるんちゃうん?と言いたいところではありますが、
俳優陣が魅力的、上述のおふたり以外には特に吉岡里帆と山田杏奈がステキでした。
他の俳優陣もしっかりと固めていて、存分に演技を堪能できたので、よかったです。
もっと冤罪事件を徹底的に掘り下げる、キリッとしたつくりあがりにもできたとは思うものの、
フィジカルにエンターテインするつくりにした藤井道人監督は、私としては期待通りであり、
今後も追っていきたい監督です。
横浜流星には来年の大河ドラマ、頑張っていただけると思いますし、楽しみにしています。
共感ありがとうございます。
ファンタジーなんですよね。この監督さんは記者の奴、産廃村の、とある程度問題提起はしてる様ですが・・でもエンタメ寄せは決して悪くないと思いますね。