「やさしい人の人生を壊す冤罪」正体 Pinoさんの映画レビュー(感想・評価)
やさしい人の人生を壊す冤罪
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横浜流星は事情を抱えた純粋な人の役が本当に天才的に上手いなとつくづく思う。
『village』のときも、どうにもこうにも人生がうまく行かない人の役を演じていたが、あんなに綺麗な顔立ちの俳優であるのにも関わらず、工事現場で汚く働く役がハマっているし、まるで本人かのように憑依して見える。
目が本当に希望を失っているように見えるからすごい。
また、今作は逃げた先で出会った人や警察など関わる登場人物も多いが、誰1人としてノイズになっておらず、それぞれが主人公に対して真剣に向き合っているのがよかった。
警視庁の長官(?)の松重豊はちょっとひどいなぁと思ったけど、そういう内部の事情で冤罪やその他にも巻き込まれている人はいるんだろうなと考えさせられるキャラクターでもあったと感じる。
主人公が普通に社会に出ていたらとても仕事のできる雰囲気もよく心優しい青年になっていたのだろうと思うと、なんとも切なく悲しい物語である。
主人公は素で「いいひと」であることが周りに伝わり、それゆえに最後に山田孝之演じる刑事が責任を自分で取って彼の再審を望む様子や、みんなが拍手して彼の無罪を喜んでいる様子に思わず涙なしでは見られない。
最後にちゃんと真犯人もわかって、主人公の行動の理由もわかって、ハッピーエンドで終わるのも大変よかったと感じる。
邦画では個人的今年ベストかも。
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