劇場公開日 2024年11月29日

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「身体濡らすまではわかるけど、まず頭洗うでしょ」正体 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 身体濡らすまではわかるけど、まず頭洗うでしょ

2024年11月29日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞101本目 秀作 66点

初日舞台挨拶にて鑑賞

前述すると、当方悪いところ含め藤井道人監督のファンである

彼のほとんどの作品をリアルタイム劇場鑑賞している上で遍歴を辿ってきたが、やはりバリューや完成度や公開からの広がり具合からして、新聞記者が日本アカデミー賞を重賞したしたあたりから、良い方向に転ぶ作品と悪い方向に転ぶ作品がはっきりした気がする

そして、今作は彼の兄弟であり、今作を標準にして役者として積み重ねてきたのではとハッとする横浜流星と、その彼女役として年齢的にも彼同様近年一歩一歩着実に厚みを増してきた吉岡里帆、若手女優筆頭の山田杏奈に動員確保のジャニーズ枠の森本慎一郎、過去作から継続でvillageの西田尚美、最後まで行くの山中崇、複数作出演歴のある松重豊や原日出子、田中哲司に木野花や駿河太郎など、、、そしてそれらわ据えるエンドクレジットで最後の方に出てくる重鎮ポジに山田孝之と、満を持して現代に求められる藤井道人決定版を作るに相応しい座組で挑んだのが、誰しも容易に伺える

簡単に今作の用意周到ぶりを書いたが、結論面白くはない

賞を携えありとあらゆる側面で大きくなってしまった彼は、クリエイティブという意味で面白みが全くないつまらない監督になったなと思ってしまった

取材力や細部が監督としても年齢としてもまだ若いなとは数年前のエッジが効いていた時も勿論あったが、それはそれで彼の色として許容でき、誰しもその時期を経ての名誉を迎えむもので、けれどその名誉までのスパンが短すぎる故に、求められるものに応えるあまり、普遍的で別に彼にやらせなくていい平凡さが拭えない

タイトルの男子二人風呂で肩を並べるシーンも、脱衣所から入場後1日働き疲れ果て汗を全身から流したいと思うのが当然な中肩を落として、肩から下にさらっとお湯を流す程度で、ヘアセットやメイクを崩さぬ様、あらゆる方面への配慮や女性ファンを意識して、豪快にぶしゃーーーと頭の先から浴びるのようにリアルを追求するより前にそんないらん演出が先行するほど、興行やスポンサーを意識する様になってしまった

まぁ自分も同じ立場ならそうせざるおえないのも確かだが、これは何かを生み出す一括りに芸術家(歌手も芸人も監督も全ての0から1を選び造る人)としては切っても切り離せない事象なのだろう

今回あえてこのシーンについて言及したが、他のシーンや作品全体を通してもつまらなかったのが本音である

サスペンス西島