「心に刺さるヒューマンサスペンス」正体 ミモザさんの映画レビュー(感想・評価)
心に刺さるヒューマンサスペンス
逃走劇はスリルがあり、映像も劇伴も迫力があり美しく圧巻。主演の横浜流星さんをはじめ、演者の演技も申しな分なく素晴らしい、心を打つヒューマンサスペンス。
この作品が提示するのは、映画にリアルな現実の闇を求める有識者にとっては日頃から深く認識しているテーマかもしれない。
しかし、本当にそのテーマを知るべき人にとっては重苦しさに支配される社会派作品は敷居が高く、結局そのテーマを届けることができない。
本作はその敷居を取り払い、誰にでも楽しめるエンタメ要素を取り込んだサスペンスに仕上げた所に価値がある。まずは楽しんで映画を観てもらう、そしてそこから何かを感じてもらうという制作者側が観客に寄り添うようにして作られた作品。年に数回しか劇場に足を運ばない人が多くなった昨今、こういった作品こそが映画界に必要なのではないか?
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